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BLUE ODYSSEY
第7話 委員長の恋 act.31~40
クリスはスポルティーファイブのメンバーに連絡を取った。そして皆に意見を聞いた結果、やはりこの事は矢樹に相談する事になった。
スポルティーファイブのメンバーは深夜レッドノア内の矢樹の研究室をたずねた。
矢樹はまだ起きていて、資料の分析を続けていた。結局矢樹は休暇を1日しか取らず、後は月面で得られた資料の分析をしていた。聞くところによると郷田指令もまた地球への帰還後関係各所への報告に追われ、休暇は実質的に1日程度しか取れなかったそうだ。2人とも落ち着くまで当分休暇は取れそうにない。
委員長は口止めされていたタイムマシンの事を矢樹に話した。
矢樹 「タイムマシン?そんな物が実用化されていたのか?」
矢樹は興奮気味になった。科学者として興味を惹かれたようだ。
委員長「クーガは23世紀から来たと言っていました。」
矢樹 「23世紀!」
クリス「100年後の未来……。」
矢樹 「それで、君も実際に時間を逆行したのかね?」
委員長「ええ、彼のタイムマシンに乗って……、”生きている”アンナに会いました。」
クリス「アンナに?!」
あの日以来神田は常に暗かったが、この話を聞いて表情に一筋の光が射した。
神田 「アンナちゃんに会ったあーーーーー?!!」
矢樹 「そのタイムマシンに乗って時間を逆行したら、アンナの生きている姿を見たと言うのだな?信じられない話ではあるが。」
神田は委員長の小さな両肩をわしづかみにした。
委員長「きゃ!」
神田 「アンナちゃんは生きとったんやな?!!生きとったんやな?!なんでその時アンナちゃんを連れて帰れへんかったんや?!!!」
委員長の両肩を激しく揺らす神田。
委員長「クーガに”もし助けたいのなら、IDカードを貸して欲しい”と言われたの。それで………。」
矢樹 「IDカード?ノアボックスのIDカードか?」
委員長「ええ。それで”パスワードも教えて欲しい”って。
なぜそれが必要か聞いたのですが……、彼は詳しくは言いませんでした。だから、結局アンナを助ける事は出来ませんでした。」
神田 「そんなもんぐらいなんぼでも渡したれや!アンナちゃんの命には代えられへんで!」
委員長「………………。」
矢樹 「……。」
矢樹はしばらく考え込んでいた。やがて顔を上げて委員長にこう言った。
矢樹 「IDカードは絶対に渡してはならない。パスワードも教えてはならない。」
委員長「はい。」
神田 「なんでやーーーーー?!渡さんとアンナちゃんは生き返れへんやんか?!!!」
矢樹 「渡す事は危険だ。」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.32] 255
クリスは矢樹の言葉を瞬時に理解した。いや、それは矢樹の言った事を全て理解したわけではないが、その危険度は察知出来たのである。
その後、夜も遅いのでクリス達は解散してレッドノア内のそれぞれの自室へ向かった。
一夜明けてみると、その日はニュース報道が頻繁にあった。
都心では不意にあるビルが消滅した。そこは平地が存在するのみになっていた。原因はまったく不明だった。さらに政府の重要人物が突然行方不明になった。それは痕跡も残さず突然いなくなったのだ。警察はお手上げ状態となった。鑑識は何を調べても証拠が見つからなかった。
それが数日間続いていた。
郷田指令「このところ不思議な事件が続くな。」
矢樹 「我々で調査しないのかね?」
郷田指令「まだ捜査の管轄は警察の手にある。今は彼らに任すしかない。
だが、ブラックガバメントは”近々調査の必要あり”と言って来た。
今後正式に我々の手に委ねられる可能性もある。」
矢樹 「ならばすぐに動こう。水面下でな。この間、”クーガ”という男の話を耳にした。タイムマシンを持つ男だ。」
郷田指令「タイムマシン?そんな物が実在するのかね?」
矢樹 「ある。タイムマシンは実在する。ただ、その理論やらは少々複雑な話になってくるがね。
とにかく重要なのは今クーガという男が自分の意思で自由に出来るタイムマシンを持っているという事だ。」
郷田指令「自分の意思で自由に出来るタイムマシンだって?
しかし、それが今回の事件と何の関係があるのかね?」
矢樹 「人や建物が消滅したのはタイムマシンが原因かも知れないからだ。」
郷田指令「どうやってタイムマシンでそんな事ができるんだ?」
矢樹 「たとえば建物を消す場合、その建物が建設される前の過去へ戻ってその施工を妨害する。
発注元から建設会社への発注を取りやめさせるとか、その土地の所有者に建設反対の意思をすり込むとか。
いくらでも方法はある。そうすると建物の建設そのものが成されないため、現在の時点では建物は”消滅する”のだ。」
郷田指令「なるほど。それで今回の事件を収拾するにはクーガという男を捕まえればいいのかね?」
矢樹 「まだ、充分わかっておらんようだね。今彼は全世界の実権をその手に握っているという事だ。」
郷田指令「なんだって?!」
矢樹 「彼は現在”誰か”を消そうと思えば簡単に消せる力を持っている。
つまり過去に戻って…、たとえば我々が産まれる前、あるいはその両親が結婚する前、そこにタイムトラベルして何らかの妨害をし、両親の結婚の事実を無くせば我々はこの世界から消滅する。跡形も無く消えてなくなるのだ。」
郷田指令「なに?!」
矢樹 「この”ノアボックス”の組織を消す事も出来る。過去に戻ってノアボックスの創設者やその関係者数名を消せば済む。それだけで、このノアボックス全体が消滅するのだ。」
郷田指令「本当にそんな事が…………?」
矢樹 「理論的には可能だ。だが、もう少し詳しく言うと、いままでは”過去へのタイムトラベルは不可能である”との学説がたびたび提唱されて来た。
私もこれまで歴史を変える事は不可能だと思っていた。しかし、今、建物や人間が忽然と消滅した事実を見て、タイムトラベルを否定しきれなくなった。」
郷田指令「しかし、まだ被害件数は少ない。一連の事件はタイムマシンに起因するものではなく、何かの偶然とも考えられはしないか?」
矢樹 「タイムマシンで過去に戻って、その”建物が建つ”事実そのものを消せば、”もともとその建物は建っていない”。存在しないのだ。
それが建っていた事実も誰も知る由がない。」
郷田指令「?」
矢樹博士「つまり、その建物に関する知識はどこにも存在しない。その建物を知る人間もいない。
この事から、もしかすると知らぬ内にすでにクーガによって数千件の建物や多くの人間が消滅させれているかも知れないのだ。」
郷田指令「なんだって!」
矢樹 「しかし、我々にはその事を確認する手だてはない。
複雑な歴史の流れをかいくぐって、かろうじて”本来ある筈の物が消滅した”事実を残した建物や人間も存在する事だろう。それが今回ニュース報道された数件かも知れない。
つまり我々は氷山の一角しか知る事は出来ない。
これからは知らぬ内に、クーガの思うままに建物や人が消されていく事だろう。」
郷田指令「……そんな事にタイムマシンを使われたら……。」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.33] 256
さすがに郷田指令の顔色が変わってきた。
郷田「そのノアボックスを簡単に消せると言う話は本当なのかね?」
矢樹 「いや、実は正確に言うならば、その点ははっきりとはわからないんだ。タイムマシンと時間の逆行その物が”タイムパラドックスが起きるので不可能”という説がある。」
郷田指令「”タイムパラドックス”?」
矢樹 「時間を逆行する事で起きる”矛盾”等の事だ。
”親殺しのパラドックス”と言うのを知っているかね?」
郷田指令「どこかのSF小説で聞いた事があるような気がする。」
矢樹 「”タイムマシンを持つ者が過去に行き、自分の親を殺してしまう”事で起きる矛盾について述べられている。
まず、タイムマシンで過去に行く。自分が生まれる以前の過去へだ。そして自分を生む事になる親を殺す。しかし、その時点で”自分は存在していない”事になり、”存在していない者が親を殺してしまえる”という矛盾だ。タイムマシンが実在してしまうとこのようないろいろな矛盾点が起きて来る可能性がある。」
郷田指令「なるほど。たしかにおかしな話だ。矛盾点には違いない。」
矢樹 「このため”タイムマシンは実在しない”という説が今まで何度も言われてきた。
しかし今回のクーガの登場でそのタイムマシンが実在してくるとなると……、過去に言われてきた推論とは違い、実際にはどのような事が起こるのかまったく予測がつかない。私は科学者として実際にこの目で事のてんまつを見たいとさえ思っているんだ。このノアボックスが消滅した世界などをね。」
郷田指令「…………。」
その頃、委員長はアンナを死なせたのは自分のせいではないかという意識にさいなまれていた。それは時間の経過と共に大きくなっていった。
あの火災があった日、アンナに進められるまま自分が先にロープで救出されたのが、アンナを死へ追いやったのではないかと思えてしかたなかった。
委員長「あの日、あの時、あの瞬間……。
ああ、あの時、ああしていいれば………。
どうしてもそう考えてしまうわ………。」
アンナの顔が脳裏に思い浮かぶ。
その後、自宅に一時帰宅する事を決める委員長。
不意に自分の家が心配になった。心細くなって来たのだ。両親の事も気になっていた。
そこで自宅までクリスに送ってもらう事になった。
クリスは警備のため、そのまま委員長の家に泊まる事にした。
クリスに送ってもらい、委員長の自宅に着いた。自宅に戻るのは久しぶりのような気がした。
だがまだ気が許せない。クーガがいつまた現れるかわからないからだ。
両親に挨拶を済ませた後、2階に上がって落ち着こうとするクリスと委員長。
そこへ、玄関の呼び鈴が鳴った。クリスは委員長に言われて先に2階の委員長の部屋に行き、委員長は1人玄関まで下りて来た。玄関のドアを開けると、そこにクーガが立っていた。
委員長「?!」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.34] 257
クーガは軽く笑っていた。
クーガ「他人に話したのか?」
委員長はその言葉を聞き流すフリをして、こう答えた。
委員長「貴方が私の帰宅時間を知っているのはタイムマシンのせいね?!」
クーガ「そうだ。
それによると……、どにみち君は最後には僕にカードを渡す事になる。その事を僕は未来を見て来たので知っているんだ。」
委員長「………。」
郷田指令「クーガはどこまで我々の事を知っているのだろうか?彼は未来を見て来たのだろう?」
矢樹 「そうだ。たとえば、彼は我々の終焉を知っているのかもしれない。”我々はある日異星人との戦いに敗れて全滅する”というような事を。」
郷田指令「また彼自身どこまで過去や未来に関与できるというのだろうか?」
矢樹 「その点は重要だな。
時間を”鉄道”にたとえると……、
彼の乗ったタイムマシンが”列車”。駅が”過去や未来の時間”だとしよう。
”彼は決して列車から降りることは出来ず、ただ車内の窓から外の景色を眺めるだけ”なのか?
それとも、
”彼は駅で下車して、その都市で買い物が出来る”のか?」
郷田指令「確かにそうだな。タイムマシンと一口に言っても、”過去や未来を見るだけ”か、それとも”実際に過去や未来に行って、その世界に干渉できる”かでは意味が違って来る。」
矢樹 「クーガがもし後者の場合、我々は強大な敵を相手にしている事になる。
前にも”建物”の件で少し話したが…、あれと同じだ。
クーガが過去をいじって我々の存在そのものを消せるとなると……、
我々は一瞬の内に消える事もあると言うことだ。今話しているこの瞬間に消える。そして、我々の痕跡はどこにも残らない。
過去にも未来にも。そしてあらゆる記憶や記録にも。」
郷田指令「と、言うと?」
矢樹 「我々がたどって来た軌跡全てが消滅すると言うことだ。我々は歴史上に置いて”もともと存在しなかった”ものに変化する。
この世界に存在していた痕跡が全て消えるのだ。人々の記憶からも、あらゆる記録からも。誰一人、我々の事は知らないし、どんな本にもネットにも紹介されていない状態になる。」
郷田指令「本当に……、本当にそんな事が起こりうるのかね?」
クーガ「こんな手段を使いたくは無かったが……、カードを渡さないと言うのなら、不本意だが…………クリス君を消す。」
委員長「ええっ?!」
クーガ「私は本気だ。どうするかは君が決めろ。」
委員長「そんな……。」
クーガ「フフフ…。あまり大きな声を出さない欲しい。2階のクリス君に聞こえてしまうから。」
クーガはそれだけ言い残して去って行った。彼は足早に委員長の家を後にした。
委員長はしばらくぼうぜんとして玄関に立ち尽くした。全身の力が抜けてしまったのだ。
委員長がいつまで経っても2階に上がって来ないし、1階の玄関からは何の音も聞こえなくなった。その異変を察知したクリスが2階から降りて来た。
クリス「どうしたの?」
委員長「現れたの。クーガが。」
クリスは玄関のドアを開けて外に飛び出した。
しかし、周囲に人影は無かった。
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.35] 258
クリス「彼を追う。」
委員長「待って!クリス君!危険だわ。応援を呼んだほうが………。」
クリス 「じゃあ、呼んでくれ。」
クリスは近くにある駐車場に走った。そこでノアボックスから借りている専用車両に飛び乗って、車を発進させた。
委員長「あっ!」
クリスの車は走り去ってしまい、その場に残された委員長は豪と神田に携帯で連絡した。豪と神田も今はいったん自分たちの自宅の方に戻っていたのだ。
委員長「そんなわけで応援をお願い!」
豪 「わかりました。今すぐにそちらに向かいます。」
時刻はもう夕方から夜に入る頃。
豪と神田はノアボックスの専用車を借りていなかったので、それぞれの自宅からトレインでやって来た。それで1時間ぐらいかかって委員長の家に到着した。
委員長はクリスがここに帰って来るものと思って、自宅の玄関先で携帯電話を握りしめたまま待っていた。そこへ豪と神田が到着した時にはもうクリスの反応は消えていた。豪が携帯のGPS画面を見て初めてその事がわかったのだ。
豪 「おかしい。GPSにはクリス君の反応がない。乗っていた車両も反応ありません。」
委員長「え?」
委員長はいままでGPSの画面を見ていなかった。慌てて携帯のGPS画面を見ると、そこに存在する筈のクリスの反応は無かった。
神田 「どうしたと言うんや?電話は?電話かけてみたら?」
委員長はクリスの携帯にかけてみたが………、反応がなかった。
神田 「どうしたんやろ?なあ、委員長?」
委員長「……………………。」
その後、3人で付近を捜索した。
トレインの駅等を含む半径3キロぐらいのめぼしい場所を探したが、クリスと車両は発見できなかった。
委員長は心配になり、矢樹にこの事を連絡する事にした。
委員長・豪・神田の3人はひとまず委員長の自宅に入った。そして2階の委員長の部屋に上がって、そこからノートパソコンを通じて矢樹に連絡を取った。テレビ電話の回線を使ってコンタクトしたのだ。矢樹はいつものようにレッドノア内の研究室にいた。
委員長「クリス君がいなくなったみたいなんです。」
委員長は状況を簡単に説明した。クーガが現れた事も。
矢樹はノアボックスの探知機からクリスの携帯の位置を割り出そうとしたが、やはりクリスの反応は無く、見つけられなかった。
レッドノアに備え付けの探知機と、付近に備え付けられたノアボックスの探知機を使用しての探査だった。精度や捜査範囲は委員長達が使っているものと比べ物にならない。
矢樹 「もっと、くわしく捜索してみないとわからないが……、現時点では反応がない。やはりクリスはいなくなったようだ。」
委員長「そんな!」
矢樹 「クーガに消されたのかも知れない。」
委員長「!」
そして、その後に続く矢樹の言葉は奇妙なものだった。
矢樹 「だが、我々が”クリスの存在を覚えている”と言う事は、”クリスは完全にこの世界から消されたわけではない”という事だ。」
委員長「え?」
神田 「なんや?それはいったいどういうことや?」
神田がノートパソコンに備え付けられたカメラに顔を寄せ、会話に割って入った。
矢樹 「クーガがタイムトラベルを敢行して歴史上に操作を加え、クリスの存在が完全に消された場合は、”我々はもともとクリスの存在すら知らなくなる”。名前もさえも。だが今の我々は”クリスを知っている”。」
神田 「?」
豪 「そうか!クリス君はまだ歴史から抹消されたわけじゃない。だから僕達がクリス君の事を知っているんです。」
神田 「おおい待てや!それはいったいどういう事や?もっと詳しく説明してや!」
豪 「クーガがタイムマシンに乗ってクリス君が生まれる以前の過去に行き、”クリス君の両親を消して、クリス君自体がこの世界に生まれてこないようにする”というところまではされてません。」
神田 「クリスの両親が殺されてないっての?」
豪 「ええ。たぶん。」
神田 「でも、もともとクリスの両親って誰も知らないよな?」
豪 「今はクリス君は両親がいませんから。家族がいないんです。」
委員長「………………。」
矢樹 「いずれにせよ、クリスはよみがえってくる可能性が高いという事だ。
この世界の”歴史”と言う”列車のレール”はまだ敷かれたままだ。
そのポイントはクーガによって切り換えられ、列車は一時的にバイパス線に入ったかも知れないが…、いずれ”本線”に戻って来る。
歴史自体が”つじつま合わせ”を行う可能性があるのだ。」
委員長「歴史自体が?」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.36] 259
委員長はその日、やはりレッドノアに帰る事にした。そこにいた方が安全だし、もしクリスが見つかった場合、瞬時に情報を得られる。委員長はクリスの安否をすぐにでも知りたかった。
豪と神田も委員長をレッドノアに送り届けて、今日はひとまずここの自室で眠る事にした。
神田 「疲れたのう。俺はもう寝るわ。」
神田はさっさと自分の自室に引き払ってしまう。
豪 「それじゃ、なにかあったら連絡してください。」
委員長にそう言って豪も自室に向かった。
委員長は1人になったが、豪や神田の自室もそんなに離れていない。このレッドノア艦内なら安心できる。委員長も自室へと向かった。
レッドノアの探知機と周辺都市の各所に設置された探知機は相変わらずクリスの反応を追っていた。そしてその情報はレッドノアに集められていた。
委員長は自室に置かれているノートパソコンを開きっぱなしにした。
そして、クリスの情報が入ればすぐにアラームが鳴るようにしておいた。
その後、ベッドに横になった。
だが、眠れない。
まぶたを閉じればアンナとクリスの顔が浮かんで来るのだ。
委員長「私のせいなの?アンナが消えた事も、クリス君が消えた事も………。
私がクリス君に相談したのがいけなかったの?」
眠れない夜だった……。
翌朝、委員長は決心した。自室に一人でいる時にクーガに電話をかけた。
あの教えてもらった電話番号に。
電話はすぐに通じてクーガが出た。この間はかからなかったものが。
クーガ「クリス君を復活させたければカードを渡してくれ。
だがこの事を他の人間に話すと、彼の命はないと思ってくれ。」
委員長「(クーガは私が相談した事を知っているの?)」
委員長は少し考えた後、
委員長「わかったわ。カードを渡すわ。でも約束して。クリス君とアンナをちゃんと返すって!」
クーガ「いいだろう。」
クーガはある場所を指定して来た。
委員長はその場所に一人で出かけた。
誰にも行き先を教えなかった。携帯電話のGPSも切っておいた。
そしてクーガに教えられた場所に向かった。
そこは学校の校舎だった。それも廃墟の。
敷地内はもちろん無人でがらんとしており、草木がぼうぼうに生えていた。
誰も清掃に来ていないようだった。
「立ち入り禁止」と書かれた看板がさびてしまって、ほとんど文字が読めなくなっていた。
入り口にはチェーン錠が巻かれていたが、さびたフェンスもあり、小柄な委員長が通れるぐらいの隙間が開いていた。委員長はそこから中に進入した。
建物に付いたドアの一つにチェーン錠が取れて鍵がかかっていない所があった。
委員長はそこから建物内部に足を踏み入れた。
中は比較的綺麗だった。
しかし、一部建物が崩れて天井が落ち、そこから空が覗いている場所もあった。
この建物の中の部屋の一つが約束の場所になっていた。
そこに着くとクーガがすぐにその部屋に入って来た。
やはり委員長の着く時間を正確に知っているようだ。
クーガ「では、約束の物を。」
クーガは何の前置きもなく委員長に言った。
委員長「これを渡せば………、本当にアンナとクリス君を渡してくれるのね?」
クーガはうなずいたが、それは無機質な感じがした。
しかし委員長はカードを定期入れから取り出し、クーガに渡してしまう。
クーガは右手を差し出し、しっかりとそのカードを握った。そしてそれを使用する時のパスワードも委員長から聞き出した。
すると………、いままでとは違い、クーガの態度が豹変したように見えた。
温厚そうな態度が全て消えた。
クーガ「くくく…………。これで欲しい物が手に入った。」
冷淡な微笑みだった。
委員長「教えて!貴方はそのカードを何に使うの?何が目的なの?」
クーガ「フフフ、僕の目的はノアボックスの消滅だ!」
委員長「なんですって?!」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.37] 260
クーガ「地球を手に入れる為にはノアボックスがジャマなのだ。」
委員長「”地球を手に入れる”ですって?貴方はいったい何者なの?宇宙人?」
クーガ「いや、僕は地球人だよ。ただの。
元の世界へ帰れば、タイムマシンの研究所に勤めるごくありふれた一研究員に過ぎない。」
委員長「普通の地球人?じゃあ、なぜそんな事をするの?」
クーガ「今の僕は地球の全権を手中に納めるだけの充分な力を持っている。
それにふさわしい行為をするだけだよ。」
委員長「ふさわしいですって?!」
クーガ「今やタイムマシンは”僕のだけの物”だ。
ゆえに僕は世界を手に入れる事が可能なのだ。」
委員長「約束よ!今すぐ、クリス君とアンナを返して!」
クーガ「……………自分でタイムマシンを作って助けに行くんだな。」
委員長「え?!」
クーガ「どうせ………、全て消える。
もうすぐ僕にとって邪魔な物は全て消滅する。復活させても無駄だよ。
それじゃ、これでさよなら。僕はすることが山ほどあるんでね。」
委員長「約束をやぶる気なの?!!」
委員長は叫んだ。
クーガ「僕はいわば”王”なんだよ。僕の言う事は”絶対”だ。
誰も僕に逆らえない。それに王は自分の変更についていちいち下僕の了解をとらない。」
委員長「なんですって?!」
クーガはもう委員長には何の興味もないと言った態度だった。
さっさと部屋から出て、敷地内の一画に隠すように止めてあった車に乗って去ってしまう。
見ると、ファンスの鎖が切られて、ゲートが開けられていた。
委員長「私がバカだったわ!」
その場に残された委員長は泣いた。
委員長「ホント、バカだったわ…………。」
委員長はすぐにレッドノアに帰った。
そして矢樹の元を訪れた。
矢樹の研究室。そこにはちょうど郷田指令やナターシャも来ていた。
委員長はついでに神田と豪も呼び寄せる。すぐに2人がやって来た。
全員の前で委員長は全てを正直に話した。
郷田指令「なんだって?!あのカードを渡したらどうなるか!!このノアボックスの全てが消し飛ぶかも知れないんだぞ!」
いつになく厳しい郷田指令。
戦闘時ならともかく、平時はスポルティーファイブのメンバーに対してこんな厳しい口調はしない。それはカードを渡してしまった事がこの上もなく重大だという事だ。委員長はまた泣いてしまった。
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.38] 261
神田 「女の子にそんなにひどく言わんでも!」
神田が珍しく委員長の事を”女の子”と呼んだ。
豪も何か言って助けてやりたかったが、矢樹の方が先に助け舟を出した。
矢樹 「もういいではないか?彼女としてはそうするしかなかったのだ。」
郷田指令「しかし!」
今は矢樹の方が郷田指令より温和に見えた。これはその場に居合わせた他の者たちには少々おかしく思えた。戦闘時にはいつもこの2人の役割は逆転しているからだ。
矢樹 「タイムマシンがあるなら、我々など消そうと思えばすぐにでも消せる。
クーガはなぜ我々を消してしまわないのだろう?」
豪 「パラドックスが怖いのではありませんか?」
豪が矢樹にそう言った。豪はタイムトラベルについて少し知識があるようだ。
神田 「パラドックスが怖い?」
だが神田はその意味がわからなかった。
豪 「もし、本当にタイムマシンが存在するなら、”パラドックス”、つまり矛盾が起きるのが怖い筈です。
僕たちを含めてノアボックスのすべて消されてしまって、何も存在しない状態になったら、例えばこの間起こったレイドとの問題は誰が解決した事になるのでしょうか?」
郷田指令「なるほど、過去を一部でも変えてしまうと、他のいろいろな部分にも影響が出てしまうだろうな。」
矢樹 「そしてその影響のおよぶ範囲は誰にもわからない。
ノアボックスの存在そのものが消されると、それに付随する全ての関係する物証も消えると考えられる。
我々がいなかったら……、たとえばレイドとの戦争はもっとこじれていたかも知れない。
別次元との通路内で戦闘が起き、それが引き金となって次元同士のバランスが崩れ、我々の現在いる世界全てが吹き飛んでしまっていたかも知れない。」
郷田指令「全てが?
そのような場合もありうるという事だね。なるほど”パラドックス”とは複雑で危険な物だな。
では事実上、過去に帰る事はやはり不可能に近いのではないか?
過去に戻って歴史を操作して変える事など、危険だから出来ないのではないか?
ヘタに歴史を変えると、その操作した人間まで消滅したりするの場合があるのではないか?
そうだとすると、知識ある者なら誰も歴史を変えようなどとは思わない筈だ。」
矢樹 「いいや。恐れを知らぬ者ならやれる。
”失う物を何も持たない者”や”人間の生命が消える事に何も感情をいだかぬ者”がタイムマシンを操ったとしたら……。
この世界は簡単に変えられてしまうだろう。」
豪 「しかし、そもそも本当に過去を大きく変える事は出来るのでしょうか?
ノアボックスが消滅しても”別の似たような機関”が発生する可能性はあります。」
神田 「そやそや!”歴史自体がつじつま合わせを行う”って、こないだ言ってたやん!」
矢樹 「理論的に言えば、”一度起こってしまった過去を変える事は事実上不可能”と思える。
たとえば、”タイムマシンを使って過去に行き、教科書に名前が載っているような有名な人物が産まれる以前に、その存在を消す事が出来た”とする。
だが、教科書からその人物に関する記述や名前だけが消えるものだろうか?
それらは”印刷物に過ぎない”というのに。本当にそれらが書き換えられるような変化が起こるというのだろうか?」
郷田指令「確かにそうだな。印刷された物のその部分だけが消えるというのも変な話だ。」
矢樹 「実は、この事を説明するために、”平行して走る時間軸がいくつも存在する”という説もある。」
郷田指令「なんだね?それは?」
矢樹 「我々の現在いる時間軸に平行して、別の時間軸が存在するという理論だ。
タイムマシンで過去や未来に干渉すれば、その干渉して変化した世界が本線より枝分かれして発生する。つまりいくつもの過去や未来が存在するという事だ。
これまでこの事は理論だけで実際に確かめられた事はなかった。しかしこの間のレイドの世界を見て、時間軸の異なる世界も少なからず存在する事がわかった。」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.39] 262
郷田指令「つまり、”平行して走る時間軸が存在する”という説の方が正しかったわけだな?」
矢樹 「だが、今までに発見できた別の時間軸はあれ1つだけだ。
実際のところ、”タイムマシンで歴史に変化を起こすたびに、そのつど別の時間軸が発生する”という理論には少し無理があると思う。
少しの変化だけで”別の時間軸”が発生するとしたら、それこそ途方もない数の平行した時間軸が出来はしないだろうか?
たとえばサイコロを振ると”数字”が出る。そして次に振るとまた別の数字が出る。
この動作一つだけで別の”時間軸”が存在するとはとうてい思えない。」
郷田指令「なるほど。それだと途方もない数のバリエーションができてしまうからな。」
矢樹 「それに時間の連続帯を変えると、果たして”人間の考えるレベル”での変化が起きるものだろうか?
本当にタイムトラベルというものが可能なら、すでにタイムマシンは以前から我々の世界に来ていてもよさそうなものだ。
そう考えると…、我々の現在いる世界は”すでに誰かが操るタイムマシンによって影響を受けた世界”かも知れない。」
郷田指令「この世界がすでにタイムマシンの影響を受けているだって?」
矢樹 「話を戻すが…、時間の流れが”1つのみ”の場合、”すでに以前から密かにこの世界にタイムマシンが来ていた”と仮定する事も出来る。もしくは”我々の現在見ている世界”は”誰かのタイムマシンの操作の影響によって生まれた世界”かも知れない。」
郷田指令「なるほど、つまり我々が存在している事も、もしかすると誰かがタイムマシンを操作して意図的に作り出したものかも知れんと言う事だな?大胆な仮説だ。」
矢樹 「そうだ。極めて大胆な仮説だ。
だがそれはあくまで”時間軸の流れが単一の場合”だ。
”平行して走る時間軸の流れ”がいくつもあるとすると…、それは成り立たない。
いくらでも介入して過去や未来に影響を与える事が出来るからな。」
豪 「その場合、パラドックスの発生はあまり問題ではなく…………、その分の平行宇宙が次々と発生し、存在する?」
郷田指令「たとえば、”ノアボックスが消滅した世界”も”ノアボックスがさらなる発展をとげた世界”も同時に存在するかも知れないという事だな?」
矢樹 「だが、実は私はそれほど無限の数の時間軸が存在するとは思わない。
”時間”とは”収束される情報”も含む。
”たった5分の時間のズレ”が歴史に劇的な変化をもたらす場合もあるが…、現実の時間の流れの中では”たった5分の遅れ”だけで劇的な変化が生じる事は少ない。もちろんある事はあるのだが。その5分の間に大陸間弾道弾の発射スイッチが”押されたか、押されなかったか”という事もあるだろう。
しかし、相対的に見て”それがない事の方が圧倒的に多い”。
”5分寝過ごして出勤しても、何の変化もない”のが普通だ。
時間が連続していても、その分の数だけ別の世界があるとは考えにくい。
もし存在したとしても、”ここ”と似たような世界が数個存在しているだけだと思える。」
郷田指令「なるほどな…。」
豪 「しかし、クリス君とアンナさんが消えたのは確かです。なんとか今いる”ここ”の歴史の流れを変えないと!」
神田 「そうや!タイムマシンの話は難しくてようわからんがーーーー。
とにかくアンナちゃんとクリスを救出せんと!」
矢樹 「タイムトラベルはけっして不可能なものではない。我々にもタイムトラベルは可能かもしれない。」
郷田指令「我々にも?我々にも可能だって?!?どうすればタイムトラベルが出来るんだ?」
矢樹 「古くからタイムトラベルには”宇宙空間に存在するワームホール”を利用する事が考えられて来た。
しかし、ワームホールやブラックホールに突入する事は現実的には限りなく”不可能”に近い。そこへの突入時には我々の身体は宇宙船ごと”溶けた飴のように”細くなる。そして”強大な力で圧縮される”と言われている。その過酷な環境に耐えられる宇宙船は作れない。」
郷田指令「では?」
矢樹 「レイドがいる”向こうの世界”を利用すればいい。
向こうは時間軸が違う。
それを利用すれば過去に戻れるかも知れない。」
神田 「なるほど!」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.40] 263
その後、皆は解散して研究室から出た。
矢樹は過去へ戻るプランを具体的に模索しはじめた。
翌日、地球政府の各関係筋にクーガと名乗る男からメールが届いた。
==========================================================
クーガ「地球は今後、僕の支配下に置かれます。
僕は絶対的な支配者であり、これからは地球の全ての支配権をいただきます。
そしてこの地球全土に”王”として君臨します。
従わない者は…………、不本意ですが…………、”消去”する事もあり得ます。
これは決して脅しではありません。」
==========================================================
放送を通じて、このクーガからのメッセージは全世界に流された。
矢樹 「なるほど彼は支配欲が旺盛な人間だったのか。だから我々を消さないで置いたのだ。
服従させて楽しむ気だ。そういう人間はよくいるからな。」
郷田指令「”クーガは支配を楽しむ”、ということか………。」
矢樹 「今、彼は自分1人が最高の”力”を持っていると信じている。
だが、それは思い上がりであり、錯覚なのだ。」
郷田指令「しかし、タイムマシンを持っているのは本当に彼1人だけなのだろうか?」
矢樹 「そんな事はない筈だ。
タイムマシンのような物を1人だけで開発する事は不可能だ。現実的ではない。
あのような機械は”技術の塊”、集合なのだ。
つまり、それを開発していた”組織”が存在する筈だ。」
豪 「それは、言ってみれば”宇宙船を1人で開発するような物”ですね。
たとえば宇宙船を”どこかの一国だけが開発出来て、その国だけが持っている”なんて事はありませんしね。
”一般的な機械や技術”はいくつかの国が同時に開発してるものですから。」
矢樹 「ああ。
だが、クーガが所属する研究チームが、”歴史上で初めてタイムマシンの開発に成功した”という事態もあり得ない事はない。
他の開発チームに先んじて実用化出来たのかも知れない。そして、彼はその最初のタイムマシンをジャックした。」
郷田指令「なるほど!」
矢樹 「それに本来タイムマシンとは”宇宙船の亜種”に当ると考える事も出来る。
”時間の逆行方法”にしても、”宇宙を飛行してワームホールから別の時間軸に飛び込む”というのが有名だからな。」
委員長「でも、クーガのタイムマシンはロボット型をしていました。」
矢樹 「ロボット型か?スポルティーファイブと同じようなものだな。」
そう言ってから、矢樹は何か思いついたように少し笑った。
矢樹 「よし、スポルティーファイブでタイムスリップを敢行してみるか?」
郷田指令「スポルティーファイブで?」
こうして過去へ戻るプランが決定された。
矢樹はスポルティーファイブにタイムスリップをさせるべく準備に入った。
機体の厳重な整備と、タイムスリップに必要な新たなプログラムを組み始めたのである。
数日後、いよいよスポルティーファイブの機体で過去に飛ぶ事になった。
郷田指令「君も同行するのかね?」
矢樹 「過去への飛行方法は複雑だ。私も乗って行く方が本当は賢明なのだが…。
スポルティーファイブの機体は、彼らのように”特殊能力を持つ者”でないとシンクロ出来ない。残念ながら私は普通の能力しか持っていないのでね。同行してもしかたがない。」
委員長は具体的に過去に戻る方法を矢樹に聞いた。
矢樹 「それには………、
まず”向こうの世界”に飛ぶ。向こうは”130年”ほど時間が遅れている。
しかし、”ゲート”を使えば、こちらの世界と普通に行き来は出来る。
だから向こうに着いた時、”時間をずらす操作”をしてから”こちら”に戻るんだ。」
豪 「時間をずらす操作?」
矢樹 「そうだ。向こうで光速を越える飛行をする。」
郷田指令「大丈夫か?!」
矢樹 「身体には大きな負担となるだろう。しかし、君たちは若い。それに耐えられると思う。」
委員長「クリス君とアンナのためにも必ずやり抜きます!」
委員長の決意は固かった。
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