素盞嗚(スサノオ)の日本古代史

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Jan 31, 2005
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カテゴリ: つれづれ草
昨日の続きです。

おかしい、おかしいと思いつつ、
深みにはまっていく日々、
そんな1985年春、桜の頃。

ポチの様子がおかしい。
店にあまり来なくなったんです。

客は常連ばかりだから、勝手に酒を出して飲んでいた。
「ねー、最近ポチ見ないけど、どうかしたの?」
「あれ、知らないの?ポチの奥さんが出てったんだと。


ポチの奥さんとは、ボクがこの店に最初に来たとき、
ビール瓶を枕に床で寝ていた女である。
あの女に三行半を突きつけられるとは・・・
やはりポチは只者ではない。

めっきり落ち込んでいたポチだったが、
すこしづつ元気を取り戻していった。
そんなある日、
「オレ日本に未練はない、中国に行く」
「・・・中国って。で、あてはあるの?」
「へ?ああ、あるよ。昔インドとアフガンにいた時、
 友達になった奴がいる。」

「で、その友達、中国のどこにいるの?」
「うぅ、中国・・・」

そんな訳で、ポチは中国へ行くことになった。

当時ボクは旅行会社に勤めていたので、
ポチのパスポートを申請することになった。

当時は保証人が必要だった。
店で申請書を作りながら、
「ねぇポチ、保証人になる人いる?」
「いないよ」
「親は?」
「勘当された」
「・・・、どーすっかなぁ・・・」

「アタシ親になってあげるよ」
常連の「銭湯帰り女」だった。
なぜかこの女、
いつも銭湯帰りに寄るらしい。

「ヤッホー、ママ、愛してる!」
とポチは「銭湯帰り女」に抱きついていた。
勝手にしろ、と思いつつ、
フルネームを聞き出し、
この女を保証人とした。

よく申請が通ったものだ。
今でも信じられん。

ポチは中国まで船で行く予定だ。
当時横浜から上海まで、「鑑真号」という船が出ていた。
この手配もボクがした。

船の切符を持っていったときのことだ。
いつものように店に入ると、
ポチは相変わらず浴衣姿だったが、
異様なものを背負っていた。

「なんだよポチ、それ?」
「いいだろぉ、これで中国行くんだ♪」
「どうしたんだよ、それ」
「拾った、大型ごみで」

ポチが背負っていたのは
真っ赤なランドセル・・・

「そんなんじゃ、荷物入らないぜ」
「旅行なんてさぁ、タオルとシャンプーありゃいいじゃん」
「・・・、そんなもんだろうか???」
「そんなもんだよ、ぎゃははは」

こいつ絶対中国で野垂れ死ぬ。
そう確信しました。

たしか6月の蒸し暑い日だったと思う。
ボクはひとり、横浜の港に行った。
多分これが今生の別れだろう。

まさかランドセルを背負っては来ないだろうが、
最悪のことを考え、影に隠れていた。

ポチ登場。
GパンにT-シャツ、そして真っ赤なランドセル、以上。

全然平気な顔をしている。
ボクは残念ながら、影から出られなかった。

今でもそれを後悔している。
あのランドセル姿が今でも脳裏から離れない。

ポチ、どうしてる?
中国人の友達には会えたかい?
歩いてネパールまで行くっていってたけど、
もう着いたかい?

もうあの場所に「ばくしーし」はないけど、
ボクの心には、いまだに深く刻まれているよ。
楽しく、怪しげな日々をありがとう。
今はまともな人生を歩んでいます。

今、近藤房之介の「上を向いて歩こう」を聞いています。
ポチへのレクイエムのように聞こえて、
妙にしんみりとしてしまいました。

いかがでした、「ばくしーし」な思い出。
次回から再び古代への旅をお送りします。
SEE YOU NEXT TIME







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Last updated  Jan 31, 2005 03:21:32 PM
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