読書日記blog

読書日記blog

2006.08.18
XML
カテゴリ: 日本の小説


ハヤカワJA文庫

ロミオとロミオは永遠に(上) ロミオとロミオは永遠に(下)

環境汚染が悪化し人類が「新地球」に移民した近未来。なぜか日本人だけは、荒廃した地球に居残ることを余儀なくさる。日本の若者に残された最後の希望は、超エリート校「大東京学園」をトップの成績で卒業することだけだった。

恩田陸の得意分野、隔離された学園モノ。20世紀サブカルチャーへのオマージュがこの作品のテーマ。分量も多く内容も軽やかでないにもかかわらず、一気に読んだのでとても疲れた。
徹底的に管理された学園からの逃走を、狂騒の20世紀への郷愁をこめて描いたこの作品は、体制の閉塞感と息苦しさから逃れようとしたかつての若者たちに受けそうである。私よりも少し年上の層がターゲットで、私の世代が知らないことも多く十分楽しめたとは言いがたい。そもそも私は、あまりサブカルチャー的なものが好きではない。むしろ周りの友人たちから、「体制側の視点から物事を見ている」とよく言われる。自由への逃走を描いたこの作品は、あまり私の好みではない。私には主人公たちのような強さがない。だから私は、自由へ逃走するのではなく、自由から逃走するタイプなのだろう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.08.19 17:49:46
[日本の小説] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: