ポチポチと読み進みジーンズのポケットに丸めてつっこんだ文庫本。


いやいやそんな薄っぺらな文庫本だけではありませんね。きっと。
サガンなら大丈夫だったかな?
(2007.07.12 23:46:47)

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2007.07.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類

今年の11月から河出書房新社が配本する 世界文学全集 。ちょっと(かなり)わくわくする。池澤夏樹個人編集だ。選び出された作家と作品をつらつらと眺めていたら、なんだかドキドキした。それだけなんだけど。

そんなわけで、チャトウィンの「パタゴニア」を本棚から取り出してみる。だからブロントサウルスなのだ(なのだって)。マリコさんはそうして森で踊るのだ。

幸か不幸か、ワタシはこれまでに何人ものすっげえブンガクの読み手に出会ってきた(ほんとは数人だけど)。だから自分がただのブンガクファンだってことが痛いほどわかっている。それはちょっと哀しみをともなっている。でも今さら嘆いてみてもしかたがない。確かなことは、結局のところ、ブンガクに触れるときめきを手放せなかったってことだ(ベタかよ)。

優れたブンガクに出会うと震えることがある。どうしてこうも人は言葉に執着するのか。優れたブンガクには、深い業としか言いようがないような、語ることへの執念がある。信じがたい緻密な思考があり、集中がある。しかしそれほどまでに執着し、思考し集中しながら、それでもなお、生み出した人間にもおそらく説明することのできない瞬間がくる。語りは書き手を離れる。書き手はその瞬間が訪れたことを知る。興奮は抑えなければならない。冷静に昂揚し、駆使できる技術を総動員し、そうしてそれを注意深く定着させるのだ。
ワタシはそうしたことを感応することしかできない。だがそれはある。優れたブンガクはそのようにして息づいている。たぶん。

だが優れたブンガクも、世界を変えるわけでもない。ただのことばの羅列にすぎない。ひとりの人間を揺さぶることさえ稀なことだ。そしてたとえ揺さぶられたとしても、その人間を変えることなどできない。ブンガクはそのようにして、ここでもただそこに在るだけだ。

ただそこに在るブンガク。オチにもならないけれど。
さあ、「パタゴニア」へ





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Last updated  2007.07.12 06:09:20
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世界文学全集  
kohsin  さん

ブンガクチャガマ  
ウラガエル  さん
ふつう世界文学全集とかいうと、いい大人たちが集まって、これをいれるならあれもいれなきゃみたいに、結果として権威的でぼやけたものになってしまう。装幀とかも重々しく。

だけど今回のは、悪く言えば趣味的というか、池澤夏樹の世界観で押し切ってしまってる。で、偉そうだけれど、私は池澤さんの本の読み方をどっかで信用しているんです。ラインナップに予感のようなものがあり。

ほとんど同時代の、世界のいろんなところで、ひとりひとりが世界をじっと見つめている。ことばなんて何ほどのこともないとしても、それでもなお、みたいな。

ちょっと付き合ってみようかな、という感じです。


(2007.07.13 00:40:29)

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