可哀想な女




私が入院してた時のことです。

どうにもこうにも辛かったのが、看護婦や看護士が『入れ替わり立ち代わ
り人が部屋にやって来るのです。』

折角ゆっくり休んでいたいのに、ちょっと時間が経ったら、人が来る。
またちょっと時間が経ったら人が来る。
おちおち寝ていられません。


しかも、ある夜中のことです。

看護士は、私のベッドの脇に来て、ひざまずき。
私の点滴をうちっぱなしの右手を、ぎゅっと両手でにぎりしめ。
私の顔を覗き込み。(*・・*)

『寂しくないですか?寂しくなったら、遠慮せずにいつでも呼んで
ください』と、熱い視線をなげかけながら言うのです。

かなり、びっくり!( ゚Д゚)

『私に気でもあるんかな?』(そんなこと、ないない(笑)。)


ところが、看護士に限らず。
看護婦もやたらと話しかけてくるし。皆が『寂しくないか?辛くないか?
身内は居ないのか?』など聞いてくるんですよ。

もう、ここまでくどいと、反対にうざいったら。。。!(^^;


入院後、理由が判明しました。

やはり日系人のポル語の先生に、状況を話すと。

『○○さん。よっぽど、可哀想なわけありの女性だと思われたのね(笑)』
ということでした。


要するに。私は主人がいながら、その主人はというと、担当の先生が来る
時間だけ病室に来ていて、後は雑誌とか置いて『ほいじゃっ!
(あばよっ)』という感じで家に帰っていたんです(笑)。

私も点滴で動けなかったから、眠る意外、すること何もないし。病室に
いつまでも主人にいられても、逆に気になって眠れないから、ぜんぜん
帰ってもらってた方がよかったんですけど。

ブラジル人は誰かが入院すると、必ず身内の誰かが、つきっきりで病室に
居るんですね。
それで私が病室で1人でいるのが、気になってしょうがなかったみたい
なのです。

『外国人で身寄りが無いのか?』と思ったら。『結婚している』と言い。
『御主人が出張か?』と聞くと。『家にいる』と答える私。

結局、誰も主人と顔をあわせなかったんですね。(^^;

それで、ブラジル人の看護士や看護婦は、『きっと夫婦仲の冷え切った
わけありの女性なんだろう。。。入院しているのに、なんて可哀想な
人なんだろう!』と、えらく不憫に思われたらしく。

おかげで、ゆっくり休んで居たいのに。
入れ替わり立ち代わり、私を元気付けるために、人がやってくるのでした。
延々と夜中もずっと。。。。。。

ブラジル人の親切心(余計なお世話?)を知らず。
放って置いて、眠らせてーーーーーーーっと思い続けた私だったのでした(笑)。






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