絵本が他の情報伝達メディアと異なる特徴

絵本が他の情報伝達メディアと異なる特徴は?


(小児内科2001年10月号「EBMに基づいた育児」の「絵本」より一部抜粋。一部改編。)
この内容は、小児科医 21世紀旗手 様の掲示板の内容を抜粋しております。

 最小限の絵と文章で構成されている  繰り返し読むことができる
 子どもが自分で持ったり運んだりできる  自由に中断できる
 親が読み聞かせることが必要  物語を修飾したり変えて読むことができる
 好きなときに読める  子どもが自分で読むようになる

もっとも原始的で単純な情報伝達メディアである。 しかし、絵本を媒体として行われる「母親の赤ちゃんへの読み聞かせ」や「親と子の絵本の読み合い」などは、親子関係の構築や子どもが言葉を覚えていくために重要な行動とされている。 様々なことが絵本に期待されるが、そのためには
 「親が子どもに声を出して読んであげる」  「絵を指しながら読む」
 「何度も繰り返して読む」  「日常での出来事を会話しながら絵本を読む」
 「親と子がお互いの動作や表情を観察しながら読み合う」

などが必要である。 

乳児が言葉を覚えていくためには、音節として話し言葉の中から単語を切り抜いて記憶していくことが必要である。 そのためには、母親による指さし、繰り返しの音読、絵本の絵と単語の結びつけが大切である。

一方で母親が乳児に絵本を読み聞かせると、乳児はしばしば「かわいらしい」表情や行動をとる。 ローレンツ博士は「赤ちゃんのかわいらしさは、大人の子どもへの愛情と子育て行動を駆り立てる重要な原動力である」と提唱している。 絵本を読み聞かせることによって、母親自身の母性も育まれると考えられる。 できるだけ早い時期から親子で絵本の読み合いを始めることは、子どもの読書力の発達と読書習慣を獲得するための必須条件である。小児科医として次のように指導していく必要がある。

 ・赤ちゃんの表情を観察しながら(赤ちゃんと対面して)絵本を音読しましょう。
 ・絵本の絵を指さしながら読みましょう。
 ・同じ絵本を繰り返し読みましょう。
 ・赤ちゃんにも絵本の指さしをさせましょう。
 ・絵本の絵や物語について、いろんな質問をしてみましょう。
 ・時には絵本を閉じて、絵本の物語を暗唱したり、思い描いてみましょう。
 ・子どもと一緒に声を出して読みましょう。


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