アクリルPCケースの造り方


<<透明アクリルパソコンケースの造り方>>  クリアコンセプト

 <作例1>
363 void fr H363 W190 D395 MATXモドキ  

  MBはマイクロで、電源はATX。PCI周りの省略バージョン。
  5インチx3、3.5インチオープンx3、シャドウx3。
  一番下の5インチベイは飾り。
  余っていたパーツを寄せ集めて造ったら、こうなってしまった。

  このタイプならアクリルパーツ数17個で出来るので、自作可能だと思う。


<< 材料 >>
  アクリル板 3mmから5mm
 (H400、W200、D450以下なら3mm使用)
  ホームセンターに売っている三菱レーヨン製等の純粋なアクリルを使用。
 (タミヤのアクリル・プラ板等では白く濁るらしい by664)



<< 接着剤 >>
  二塩化メチレン(アクリル用接着剤。サラサラな速乾性液体タイプの溶剤)
  ホームセンターのアクリルコーナーにて入手可能
 (タミヤセメント等では白く濁るらしい by664) 
接着剤
市販品では、「アクリサンデー」しか見た事が無いです。(スポイド付き)


<< 工具 >>
  充電ドリル・ドリル刃2mm、2.6mm、3.5から4mm、5.2mm
  3mmタップ(ネジ穴を切る工具)とハンドル
  糸ノコ・Pカッター(樹脂に罫書き線を入れる工具)
  細目のヤスリ・サンドペーパー120番、400番
糸ノコ忘れた


<< 製作前夜 >>
 ・1mm単位以上の精度で図面を作成。
 ・全パーツの図面を作成。(実寸大がお勧め。後で型紙に)

注:パーツ寸法や精度が悪いと、組み付け時にごまかしが利かないので
  出来るだけ正確で、ゆとりを持たせた大きさで設計する。

注:精度にこだわる訳は、接着法が独特だからです。
  パーツ同士を正確な位置に仮固定した後、パーツ同士の接着面の隙間に
  毛細管現象を利用して接着剤(溶剤)を染み込ませます。
  溶剤が気化するまでの約20秒間、互いのアクリルをうまく溶かしてくれます
  溶剤が気化熱を奪いアクリルは再び固まります。
  接着面の1/2以上に毛細管現象が起きれば接着と言うより「溶接」なので
  強度は抜群になりますが、寸法が間違ってたり直角や直線が出てないと
  上手く付きません。ちなみに接着された面は完全な透明になります。


<< 製作 >>

< パーツのアウトラインカット > 
 ・パーツのアウトラインを、自分でPカッターと糸ノコを使って切るか
  ホームセンターで切ってもらうか決める。

注:ホームセンターで切ってもらう事を勧めます。
  全て自分で切り出そうとすると、ビックリするほど手間がかかる上に
  パーツの精度(寸法や切断面の角度、直線)が出しにくいので
  最後の仕上がりが悪くなるかもしれない。
  でも、完成した時の感動はきっと最高。

  全て自分で切る場合は、糸ノコでじっくり切り、サンドペーパーを
  厚板に貼り付けたもので丹念に仕上げます。

< パーツの穴あけ >
1)ネジ止め用の丸穴
  ストレージ機器類止め用        3.5mmから4mm刃
  ファン止め用              5.2mm刃
  MB固定3mm六角スペーサー用  2.6mm刃で下穴後、3mmタップ切り

注:インチタップは入手困難。
  ミリ六角スペーサーか長ナット等の使用がお勧め。  
  スペーサーを入れれば大丈夫ですが、MBの直付けは熱の問題が
  出るかも知れないので避ける。
  ちなみにタップ切りは驚くほど簡単です。                

注:アクリル加工で、最も失敗しやすい作業です。
  アクリルにドリルで穴をあける時、裏面がカケ易い。割れる事もある。
  裏面にセロハンテープ等を貼り、木などの上にシッカリ固定して作業する。
  ドリルの回転を出来るだけ遅くするか、極端に速くすれば欠けにくい。
  特に、上からの力をあまりかけないようにする。

 ※同業者の方から、御指摘を頂きましたので、追加訂正です。1/15
  ・セロハンテープは貼っても貼らなくても、あまり関係が無い。
  ・ヒビが入っても、割れる事は無い。
  ・上からの力をあまりかけないように、ゆっくりと穴をあけていく事を
   前提とすれば、ドリルの回転は、速い方がよい。

2)ストレージ機器やI/F、電源等の角穴、ファン用の丸穴
  Pカッター(罫書き針やマジックでもOK)でコーナーの四隅以外に
  目地を引き、四隅に2mmドリルで穴をあけ、穴に糸ノコの刃を通し
  切り進みます。

注:角穴のコーナーは半径1mm以上のRを持たせた方が強度が上る。 


< パーツの仕上げ >
 ・切断面は、直角、直線、まっ平、がベスト。
  特に接着面になるアウトラインは、ホームセンターでカットしてもらった
  だけだと丸ノコの刃跡が残っているので、溶接した時に多少の気泡が残る。
 (上記の状態でも、アメリカ国内だと製品として通用するレベルにはなる)
  その上を目指すなら、切断面を20cmx5cm位の厚板に貼ったサンド
  ペーパーで平たんに仕上げます。

注:サンドペーパーは必ず平たんな板に貼る。

注:溶接の前にセロハンテープ等で仮組をして、パーツ寸法のチェックをする。
  ズレがあったら修正。


< 溶接(接着) >
 ・溶接(接着)は簡単です。初めてでも、かなり綺麗に仕上げる事ができます。
  溶接面の隙間にホコリ等が入らないように気をつけ、セロハンテープ等で
  仮止めし、注射器に入れた溶剤を入り隅全体に一気に置いていく。
  注射器がなければ、スポイドか面相筆で。
  約20秒間、動かさずに放置すれば、溶接完了。

注:必ず破材で実験してみよう。
  溶剤の適量などは、部材の厚みなどによって変わってくる。
  試してみると、すぐに要領が解ると思います。

 ※同業者の方から、御指摘を頂きましたので、追加訂正です。1/15
 ・溶接するだけなら知識があれば簡単。
  気泡が入らないように仕上げるのは、プロでも経験、工具、手間が必要。

注:溶剤はアクリルを溶かしますので、垂らさないように。
  垂らした量が少量なら、すぐに指か筆で薄く延ばしてしまう。
 (アクリルが溶け始める前に気化させてしまう) 
  大量に垂らしたら、触らずに放置する。
(触らずに放置すれば、表面が多少曇るだけです)
  注射器やスポイドを使うと、慣れないうちは溶剤を垂らしやすいので
  大きめの面相筆を使う事がお勧め。

注:セロハンテープで仮止めする場合、テープとパーツの隙間が無いように
  シッカリ密着させる。(隙間に溶剤が染み込み、白く曇る事がある)

  要領が解ってきたら、セロハンテープを使わないで作業してみて下さい。
  より効率良く作業できると思います。    



  とりあえずはチャレンジ。やってみること。
  思ったよりは綺麗にできると思います。

  ちなみにMB固定に六角スペーサー等を使えば、(通気性を良くすれば)
  ケースが燃えるような事はありません。70度や80度位なら大丈夫。




 <作例2>
これをケースと言っていいのか?RE clear concept

友人に頼まれて造った、まな板アタッシュ。
生意気にも、エンブレムとロットナンバー付きのアクリルPCケース?(当然非売品) 原案810

クリアーアタッシュケースは、2タイプ以上がホームセンターに売ってます。
詳しく無いけど、もっと小さなMBと電源が有る筈なので、
気合で全部、中に納まる???んじゃないかな・・・  クリアーコンセプト


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