アブ・デカ☆うっちー&べっちー2



今日は昔ここで 「鬼軍曹」 と呼ばれていたひとがやって来た。
オレと相方の ウッチー はそのひとが退職した翌年にこの署にきたので直接的には知らない。
1年先輩の ヒガシデさん はかなりシゴカレたらしい。
今日も軍曹はヒガシデさんを「心配でしょうがない」と言いながら追いかけ回していた。
なにやらアブナイ気がするのはオレだけだろうか。
ヒガシデさんはなるべく軍曹と目を合わせないようにしていた。
よっぽど昔なにかあったらしい。最近チョンボが多いそもそもの原因はこの男のせいか?

するとヒガシデさんにツレなくされた軍曹は角のほうでモジモジしている ケンさん をみつけるといきなり
説教を始めた。
「オマエの去年の検挙率9勝14敗の負け数がもっと少なかったらこの署が「最優秀」に
輝いてたのかもしれんのだぞ!」
「ひどいよねぇ、 ベッチー 。ケンさん一人の責任じゃないのに」
まったくだ。
その後も軍曹は「そろそろ独り立ちしてもらわないと困る」とかなんとかしつこく言っていた。
ケンさんはだんだんオメメがうるうるしてきたので ペイ係長 が割って入り、
「期待してるからこその言葉だぞ」と慰めていた。
ケンさんは今日は最悪の環境(雨は降る風は強い、ときどき雪は降る!)の中でよくがんばった。
ノムケンさん メグさん 男マエダさん などベテラン勢が揃い踏みでこの署も最強軍団になりつつある。

だけどなぁ・・とオレはついため息をつき、相方はそれを見逃さなかった。
「どうしたの?ベッチーらしくないなぁ」
「オマエは第一線を任せられるのがほぼ決まりだが、オレはどうやら中継地点に置かれるようなんだ」
グチに聞こえるのはイヤだがと思いながらもオレは悔しさもあり言ってしまった。
そうなのだ、今年こそは先発隊でいい働きをするんだとこの冬中鍛えていたのに。。。
「大丈夫だよベッチー。中継でいい仕事をしていたら、先発隊がへばってくる夏場頃には、
絶対出番が回ってくるよ」
そうか、それはあるな。特に S岡さん あたりは狙い目だ(おい!)


それにしてもこのところ長い潜伏活動を経て出てきた先輩たちが多い。
特に「伝説の刑事(デカ)」と呼ばれ続け世間の目にはなかなか触れなかった、
円月殺法・・・じゃなかった「半月板殺法」で犯人を一刀両断の トーヨーさん だ。
そして巨悪を倒しニッポンにこの所轄ありと大きくイメージ付けた当時のお家芸を復活させた
「韋駄天フクちゃん」 だ。

そう言えば プチ・ボブ・サップ はあれから我々と合流ししばらく精彩がなかったが、やっと手柄をひとつたてた。
オレもなんだかんだ言ってられんからがんばらなきゃな。
「おい、行くぞ!ウッチー、ぐずぐずすんな」
「え?ちょっと待ってよ~。さっきまでしょんぼりしてたのに、まったく AB型 なんだからな~!!」



          つづく(らしい)


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