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April 25, 2008
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テーマ: 本日の1冊(3749)
夢枕獏

☆☆☆☆☆◎
 何となく、職場近くの図書館で借りた。この人の文章の特徴でもある、割と下の方に空間の多いページを見て、すぐ読み終わるだろうし、文庫なので荷物にならない、という非常に不純な理由だった。無論、裏表紙の解説が面白そうだと思ったせいもある。が、読んでみて、かなり好みの話が多く、今では「本に呼ばれた」んじゃないかという気分になっている。
 「ころぽっくりの鬼」「微笑」「優しい針」「蛇淫」「髑髏盃(クバーラ)」「檜垣~闇法師~」「歓喜月の孔雀舞」の7編。どれも、非常に淫靡というか隠微な世界。「キマイラ」や「魔獣狩り」にアクションがつきものであるとすれば、この作品には男女の秘め事に血、そして死の世界が分かちがたく絡み合っている。私は特に「蛇淫」「檜垣」が好き。「檜垣」は冒頭だけちょっと変えて、人形とアニメーションで映像化されたら面白いんじゃないだろうか。それに琵琶法師の描写がいい。琵琶の描写もいい。そうそう、くだぎつねも好きだ。琵琶の音と般若心経で成仏していく元白拍子(だっけ?)という展開も好み。「蛇淫」は刺青の話。かなり不気味だが、そのインモラルさにかなり惹かれる。その次が表題作の「歓喜月の孔雀舞」と「髑髏盃」だ。この二つにはネパールが出てくる。その描写にもその場にいるような疑似体験ができる。更にヒマラヤだけでなく、日本の山中も出てくるのだが、その描写でもやはり、その場にいるような気分に浸れて、どこかしらない土地に行くのが好きな私には楽しい。こういった小説で疑似体験する方が現実の不都合を経験しないですむため、それはそれでいいものだ。
 ミステリも好きだが、こういう小説もいいもんだ。





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Last updated  April 29, 2008 12:57:18 AM
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