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病院ボランティア国際フォーラム・イン札幌
【第一回病院ボランティア国際フォーラム・インサッポロ2002】
九月十二日から十四日の三日間ホテルライフォート札幌において開催され、私達コスモスからは二十二名が参加しました。
第一日目は登録受付とオープニングパーティー、二日目は開会式、基調講演、ビデオ・セッション、トーク・セッション四分科会があり、終了後、カルチャルナイト(異文化交流)、三日目は、トーク・セッション四分科会報告、閉会式、フェアウェル・パーテー、昼食後ボランティア企画ツアーで終了となりました。全体で七百名の参加者だったとのことです。
参加者各人に感想や報告、意見など書いてもらい、掲載しました。
城
外国のボランティア活動の盛んなのは、キリスト協会の奉仕活動、ひいては、ボーイスカウト・ガールスカウトの活動等、教会に基づいて自然発生的に広がったのだと思う。それも大げさでなく何十年、もしかしたら何百年も前から、ボランティアの精神の一つの無償の奉仕と、キリスト教の無償の愛と相通じるものがあると思う。
それだけ、がっしりした立派な活動をしている外国に対して日本は十歩も百歩も遅れを取っているみたいである。それを何歩でも前進し、ボランティア活動を広めるのも私たちの仕事だと思う。
佐藤
ボランティア活動は〔すればするほど〕学ぶことが増し、相手の喜びは自分の喜びになることを経験でき、さらに社会に参加していることを認識することも生涯学習としては最適だと教えられました。
自分を延ばし、自分を豊かにし、充実した人生を生きるためにも、私自身のリズムに合わせた自然なボランティア活動をこれから先も、心がけて参りたいと思います。
廣瀬
第2分科会「ボランティアの組織づくり~会の運営とコーデイネーターの役割」に出席して
〔提言者〕山崎美貴子(東京ボランティア・市民活動センター所長)
ボランティア組織では、その運営の成否にコーデイネーターの存在が重要であること。その資質とは
☆目的を持つ(患者さんとのふれあいを通じて地域に愛される病院作りに協力する等)
☆全体像をみる(ボランティアの担い手・ボランティアの受け手・組織・地域等との潤滑油)
☆ボランティア会員の意識を的確に把握できる(自主性・主体性を尊重)
☆環境を整備する(専用の部屋の確保・ボランティアとひとめでわかる制服、バッチ等~受け手のプライバシーを守る事につながる)
☆創意・工夫する(やりがい・充実感を持つ事により活動が長続きし、未経験の人を仲間に引き込み波紋が広がる)
☆〔事例発表1〕赤石智恵子(PMFボランティア「ハーモニー」コーディネーター)
ボランティア活動の一番のポイントは誠意を持って接する=相手の立場になること。指揮者バーンスタインの提唱により創設された国際教育音楽祭は、神様からのステキな贈り物であると、活動を楽しそうに、そして誇りを持っての発表でした。
〔事例発表2〕大石昇司(札幌市南区澄川地区社会福祉協議会・会長)
地域ぐるみの防災対策について
住民の中からさまざまなプロを見つけ出し「資格登録書」を作成、適材適所に活用、救援活動が速やかに行われるようにした。又、他にも居住者が安心して暮らせるよう多方面で活動しているが、これらの事を次世代につなぐ為に大人が見本にならなければならないと結ばれていました。
この分科会に《コスモス》からの出席者は気がつけば私のみで、場違いな所に来てしまったのかと心細かったのですが〔事例発表〕は、クラッシック音楽をより身近なものとしてくれた。
〈PMF〉を支えているボランティア活動には、分野はちがうけれど拍手を送りました。(私も今夏は、シャルル・デュトワさんの指揮でマルタ・アルゲリッチさんのピアノに感動したファンの一人です。)又、最近、地域でボランティアの小さな【種】を蒔いたばかりの一人として活動を進めるうえで不安を抱えていたのですが、まず焦らずに動いてみる事、戸惑ったらその時考えるという余裕を持つことが大切とのお話に肩の力をぬいたパワーをいただきました。
国際フォーラムという事で、外国の方とも交流が?(ドサンコ弁しか話せないのに!)とチョッピリ期待していましたら、同時通訳のレシーバーの初体験で英語と接することができました。
たまたま席が隣になった方は、静岡から来られたとかで、札幌は朝・夕は涼しさを通り越して寒いくらいだけれど爽やかな良い天気に恵まれ、緑の多い町並み・時計台を観てラーメン、チョット300円は高いナと思いつつ、ベンチでかじったトウキビがとても美味しかったと笑顔がステキでした。
《コスモス》に登録した事で今回のフォーラムに参加できた事は大きな刺激になりました。今後の活動に自分なりに生かしていきたいと思っております。
佐藤
第一回病院ボランティア国際フォーラムが九月十二日から十四日の三日間、ホテル・ライフォート札幌にて開催されました。私は、十二日のオープニング・パーティーと、十三日の基調講演とビデオ・セッション及びトーク・セッションに出席させていただきました。十二日のパーティーでは、札幌市立病院のボランティアの方々、音楽療法士の安藤さんと話がはずみ、とても楽しい時を過ごさせていただきました。
十三日は、四分科会にわかれ、それぞれ「関わり方」、「あり方」などの話し合いがもたれました。
パネル展示も、各病院ごとに工夫がこらされていてよかったと思いました。
カルチャラル・ナイト(異文化交流会)では、お花を活けたり、お月見の飾り物を作って帰ってきました。
とても意義のある二日間でした。
内山
この度もボランティアとして、「花をいける」に協力できまして、私は嬉しく思っています。大きな空間に楽しくいけて、皆様に喜ばれ、これ以上のことはありません。講演の中で、「時間は誰にでも平等にある。それを他人のために少しだけ使う。」印象に残る言葉でした。これからもこの精神でいこうと思いました
佐々木
十三、十四日と出席しました。分科会は、第三の「ボランティア活動とプログラムの現状と今後の展望」でした。二人の事例発表は、「園芸療法」「音楽療法」に関してでした。又、提言者のお話は、コーディネーターに関する事が中心でした。
ボランティアしている方が満足で、受け手が我慢しているのは~?自己満足その反対は、自己犠牲?深く考えると難しいものですね。お手伝いができたら~なんていうのも、自己満足、犠牲にならないようにと思いつつ帰途につきました。ところで、今大会はどこから、どのくらいの人が参加していたかわからず残念でした。
三上
まだまだ先の事と思っていたのに、あっという間に開催の日がきてしまいました。
あまり外国の方と接する事はありませんでしたが、私達の病院のパネル展示前には、沢山の方が足をとめて見て下さいました。そこに置いてあった折り紙の作品もとても喜んでいただきました。
めったに経験できない同時通訳は、英語と日本語が入り交じって、あまり理解できませんでした。
異文化交流の場では、お手玉とあやとりをして、ちょっと昔を思い出し、楽しんできました。
佐竹
この度は、思いがけず国際フォーラムに参加させて頂き、貴重な体験をする事が出来ました。
特に心に残った事の第一は、ボランティアの三原則1自発性、2無償、3公益性、という事。
第二は、トークセッション、第四分科会「生涯学習としてのボランティア」での事例発表者、野地有子先生のアメリカでのボランティアに参加するためのハードルの高さでした。(三から四人の推薦人が必要で、更にコーディネーターとの面接が必要とのこと)
第三は、高谷尚子先生の、カナダにおける街作りには、学校と地域の関係が明確に組み込まれているそうで、日本との根本的な違いを感じました。(公立と私立の学校が隣合わせに作られ、校庭は共用。学校開放が進んでいて地域住民の触れ合いの場となっている。)
第四は、八十才の方が現役ボランティアとして参加されていたことです。
その他講演やビデオ・セッションの中にも得る事は沢山あったのですが、今後の活動にどれだけ生かす事が出来るか全く自信ありません。せめて皆さんの足手まといにならない様に留意しつつ、少しでも長く続けられたらと強く思われました。参加させて頂き本当にありがとうございました。
阿部
今回の国際フォーラムに私みたいな者が国際的な行事へ、参加させてもらえる機会が与えられたというのは、二十一世紀だからかなと思い、昨年より楽しみにしておりました。
外国のボランティア事情、病院スタッフとの関係、患者さんとの触れ合いの仕方、プログラム等々、どんな刺激が得られるか期待でいっぱいでした。
さて当日会場で思った事はアレッこれ本当に国際フォーラムなのかしら?と思った事でした。基調講演はとても良かったと思いました。ケン・アレン氏のバングラディシュの若者の考え、病院ボランティアのお話、複雑な社会での人間関係の大切な事や、ボランティアと行政との関わり方等、今まで考えた事もなかった事を知る事が出来ました。
同時通訳という事も初めての体験でした。
岡本千秋氏はボランティアの原点は、1自発性、2無償制、3公益性であるとし、種々の問題が起きたらその原点にたって考えるべきだと述べ、患者が人間らしい希望と喜びを持てる様にお手伝いする事が大切だと、一人の牧師さんの詩を読んでくれました。それは、「不満の手にどんなに大きな恵みが載せられても小さく小さく見えるでしょう。喜びの手にどんなに小さな恵みを載せても大きく大きく見えるでしょう。それは眼ではなく心で見るからです。」という詩でしたが、私の宝箱にしまっておこうと思いました。
スコット・ガプティル氏は、アメリカではボランティア精神が子供の頃から家庭の中で培われ、ボランティアを続ける事で、社会的な信用もある程度得られると話し、奉仕は最高の空間であると言いました。
分科会は第三でしたが、「園芸療法」と「音楽療法」の事例発表の後、提言者のお話でボランティアの活動プログラムという事でしたが、ボランティアはする側と受ける側の両方の満足感とか、今まで受ける側の者がする側になるのが理想とか、プログラムは関係スタッフが意見をたくさん出し合い、ピックアップし企画、計画、会合をし、思いをトコトン話し合い、目標に適したものにねらいを絞りこんで、主体的に参加する事とする。障害者とは、能力と時間があるのに人の為にそれを使おうとしない人ではないだろうかとも、言っておられました。
夜の異文化交流はガッカリしました。異文化ではなく日本の懐かしの文化でした。全体として国際フォーラムというより札幌市立病院ボランティア活動のアピールという印象を受けました。
最後に基調講演者や各提言者がどんなお話をされるのか短くてもいいので、プリントがあればよかったなと思いました。我がボランティア・コスモスの素晴らしさを再認識させて頂いたフォーラムでした。
中村
ボランティア活動は『初心を忘れず』
病院ボランティア活動は、
一、愛・いたわり
二、主体は患者でありボランティアはサポートする
三、頑張り過ぎない
四、患者と対等に接する
これらの言葉はボランティア活動に必要と思いつつも忘れがちでいますが、私は、これからも頭において続けたいと思います。
同時通訳は初めての経験でしたので、聞き取るのが精一杯でした。
クッキー作りをして頂き有り難うございました。とても美味しかったです。
会場の生花も素敵でした。ご苦労様でした。
異文化交流での昔遊び(あやとり、お手玉)は童心に帰って遊んで来ました。最後になりましたがこの会に際し、色々御骨折りいただいた関係者の皆様にお礼と感謝を・・・・
北野
江別市立病院以外の病院ボランティア活動を見る事ができたり、ボランティア活動をされている方々の意見ももちろん、それ以外の立場から見た意見を聞く事ができました。又、現在の状況だけでなく将来の可能性や、海外で活動されている様々な意見を聞く事ができ、大変勉強になりました。どうもありがとうございました。
西川
フォーラムの内容については他の参加者が載せると思いますので感想のみ書きたいと思います。
会場の座席の隣は宮崎からの参加の方々でした。お互いに情報交換をしたのですが、彼女達は洋裁グループとして病院からの依頼に対応して、どんな物でも作っているという事でした。外来ボランティアだけでなく、縁の下の力持ち的なボランティア活動だと思いました。
全国各地で小さなボランティアの輪が広がっている様子がわかり嬉しく思いました。良い経験をさせて頂きました。
高田
私はパネル搬入のお手伝いをした際に少し交流出来ました。オープニングパーティーに出席の人達が集まって来て各病院のパネル展を見ていました。私達コスモスのパネルは写真で活動を紹介しましたが、とても見やすく、又折り紙で作った小物のプレゼントも大変喜ばれました。
西アメリカからいらした「フミコ・キャンベルさん」は五十年振りの日本とか!折り紙をそれはそれは愛おしんで見ていました。彼女の病院は九十五年前からボランティアに取り組んでいるそうです。
又、ケニアからのキュートな女性はチルドレンエイズのボランティアをしていると聞きました。
私は四分科会の生涯学習としてのボランティア~人間科学の見地からに参加しました。世の中いろんな人間の集まりで、〔ひ弱〕とはマイナスイメージが強いのですが、ひ弱な事が生きる個性と言った事例発表者の言葉が心に残りました。
これから益々高齢化社会に入って行きますが、ボケない秘訣はボランティアと新しい事、不可能と思われる事に挑戦、たとえば外国語を習う事等がベストと・・・・
外国で長年暮らし、ボランティアで活躍している日本人女性達のお話を聞く事が出来た事、姉妹都市提携を結んでいる市同志が影響し合っている事等を聞き、フォーラムに出席出来て良かったです。自己満足に浸る事なくゆっくりであっても確実に進んで行きたいものです。お昼休みには内山さんが生徒さん達と活けて下さった竹を使ったダイナミックな素晴らしいお花の前で、皆様次々と記念撮影していました。
直井
今回、初めてのフォーラムという事で少し気後れを感じつつ、楽しみにもしておりました。先ず準備段階でのお手伝いとして、病院紹介のパネル作りや、おみやげ用の折り紙作り、これはコスモス広場の係が手分けして二百個程用意しました。
又、会場でのティー・ブレイクの時に提供するクッキーも作りました。これらの事で自分も少しはフォーラムに係わっているのだと思えるようになりました。
当日は、これからボランティア活動を続けていく上で参考になるような様々な意見や有意義な発表がありました。
心を打つ美しい言葉、心が痛い厳しい言葉、背中を押してくれる力強い言葉、忘れていた気持ちを思い出させてくれた言葉、等々沢山の刺激を与えて頂きました。
又、他の国のボランティアの現状や活動の様子、地域との係わり方等、目を見張るものもありました。
今は、この二日間の出来事を反芻して思い返し、何が見つかるかと捜しているところです。
加納
昨年、村山さんより国際フォーラムの事を聞きみんなで参加したいと思い、登録料一人四千円分をコスモスで何とかしたいと思いました。佐藤里枝さんと東急の毛糸バーゲンに行き、高級毛糸を安く買って十一月、十二月はひたすらみんなでマフラー、帽子、手袋を編みました。十二月のクリスマスコンサートでミニバザーをして国際フォーラムの登録料や交通費の足しになったかと思います。
フォーラムの時、他の病院ボランティアさんと登録料の話になり、彼女たちは病院より登録料を負担して頂いたとの事。コスモス二十二名は自分たちの活動費からと言うと驚かれました。活動費はどうして?と聞かれバザーと言うと興味を持たれました。アメリカのキャンベルさんと話した時バザーで、いかに工夫して収益をあげるかという事が印象に残りました。コスモスもいろんな工夫をしているからです。 ケニアの人と英語で会話していた里枝さんがまぶしく見え、言葉の重要性を感じました。ケン・アレンさんが台湾の病院ボランティアについてお話していたので身近なアジアのボランティアにもお会いしたかったです。
分科会で提言者の「ボランティアは、自己満足でも自己犠牲でもいけない」と言われた事が、とても印象に残りました。自分に置き換えるとつい、両方ともやっていたような気がします。これから行動する時、その言葉を思い出しながらよく考えて行動したいと思いました。
長
国際フォーラムに参加させていただき、良い勉強になりました。外国の人達の身に付いた笑顔が素敵でした。
これからの活動の中で、やさしい笑顔と、豊かな心で患者さんの気持ちに少しでもなってあげる事が、病院ボランティアの基本ではないでしょうか。
管野
第一回病院ボランティア国際フォーラムが、地元札幌で開かれるという幸運に恵まれ、参加出来るチャンスを得て本当に良かった、という気持ちは正直なものでしたが、一方自分自身は、仕事が七月より月曜から金曜のフルタイムとなり、ボランティアシフトに全く入れず、着実に時間数を重ね、活動を続けておられる他のボランティアの皆さんに、少々「ひけめ」を感じつつの参加でもありました。しかし、出席した第一分科会の内容は素晴らしいものでした。特に印象に残っているのは、関西で十八年間活動を続けてこられた宮本先生の発表の中にあった「十八年間、何かをしてきたと言うよりは、十八年間患者さん達のそばに〈いた〉という感じです。」という言葉でした。それはまさに、江別でボランティア・コスモスがしている事、そのものだと思いました。雨の日も、風の日も必ず誰かが、ピンクのエプロンをして病院にいる。当たり前のように、院内の風景の一つのように、笑顔でいる。それこそが、一番大事なんだと、宮本先生の発表を聞いて確信しました。勤務中に外来でボランティアさんを遠くから眺める事があります。皆さんの笑顔が、周りの空気を暖かく和ませ、明るくしているのがシフトを離れた今は、一層良く解るようになりました。患者さんの立場になったらもっと強く感じるのではないでしょうか。 ボランティア・コスモスは今の活動を自信をもって続けていけばいいんだと思います。
さて、私自身は、今後、どのような形で活動に参加していけばいいのか、というのが、当面の大きな課題です。仕事は、一生続ける事は出来ないけれど、ボランティア活動は、年を重ねても何かしら出来るはず、そう思って、今活動を中止せずに、続けていく道を探しているところです。
山田
九月十二日、集う・学ぶ・活かすをスローガンに札幌市内ホテルで国際フォーラムが開催されました。これからのボランティア活動は「世界を見つめながら地域に根差した活動を」と言われているそうで、病院ボランティアやその関連分野でグローバルな活躍をする方々から「ボランティア世界事情」の基調講演がありました。S氏は自国で経営する企業が地域に根差した実践的な活動を具体的に説明してくれました。特に感銘したのは、J・ケネデイが言った〈一国家が自分に何をしてくれるかではなくて、自分が国家に何ができるか〉から国民の意識が変わりボランティア活動が社会生活の中で優先され、その方法と仕組みが学習され発展している事、そして何よりも感心するのは「奉仕は最高の仕事である」と言う意識を共有する企業を育て、社会を創ろうとしている強い意志と使命感でした。K氏はボランティア活動のグローバル化が国情の違いや習慣の違いで「奉仕」に対する意識の違いもあり、活動に対する認識のズレは顕在化してきていると言う。ボランティアの根源的な意思~人間的な触れ合いをベースにした対応~を必要とした問題の増加であると言います。K氏の講演にも関連しますが、岡本千秋氏の話に考えさせられました。氏によると、日本のボランティアの導入された歴史と現在のニーズの多様化によって起きている問題として、たとえばボランティアの有償化や労働力に転化する行為などがあり、ボランティアの原点である自発性・無償制・公益性を基本にした活動で無ければならないと言われていました。 ビデオ・セッションでは実際の活動を学びました。特にベスタ・スミス氏はボランティア志願者には面接、トレーニングをして採用し、一箇所で六ヶ月以上継続する事を条件としているとの事であり、又活動年数は大半が三十年以上で九十歳を超えた方も居るとの事です。ビジネスとボランティアをきっちりと区別し、行動できる事が大切でその厳しさを改めて知りました。カナダで活躍している高谷氏は医師と看護士の事例として次のように話されました。テントを張り子供達のぬいぐるみを診察したり、包帯を巻いたりして、幼い子供達に身をもって人間的な触れ合いを教えているといいます。 分科会ではボランティア活動のプログラム作成の現状と今後の展望について具体例を挙げて説明がありましたが、専門的で医療的な分野の話でした。 今回参加した事で学んだ一片でも活動に活かす事が出来たらとの思いを強くしました。しかしながらボランティアは、甘い考えでは出来ないし、してはいけないものであると自戒いたしました。
前東
各国の病院ボランティアの実態について研修するというよりも〔国際・同時通訳〕などの言葉に惹かれ出席したのが本音でした。
三氏の基調講演を聞いて約一ヶ月経過した現在、私にとってはレベルの高いものであったためか、残念ながらあまり記憶に残っておりません。しかし、岡本千秋氏(日本ボランティア協会前理事長)がボランティアとは「自主的行動」でありその行動は「無償、公益性」であり、その行為ができる「感謝の心」を持つ事であると話され同感致しました。
午後からのビデオ・セッションでは、VTRを用いて各国のボランティア達の活躍ぶりが、具体的に紹介され大変興味深く視聴しました。
また、トーク・セッションは第四分科会の「生涯学習としてのボランティアー人間科学の見地から」に参加、ここでは〈組織としての活動ではなく九州の大学病院でたった一人で、一人の患者さんに対して活動している〉方の発言が印象に残りました。事例発表者や各地の病院から参加された方々の活動内容や体験談など、もっと聞きたかったと感じました。
ホール前でのパネル展は各病院での活動の様子が大変良く解りました。ポートランド市の病院での活動の〈ぬいぐるみの修理〉があり、医師によってX線撮影から手術まで行われる様子が展示されていて、びっくり!パネルの間に飾られていた日本の四季を表現した〈折り紙〉もとても良くできていて感心しました。
フォーラム会場正面を飾った盛花は、日本に以前からある花材をたくさん使って生けられ、秋や自然を感じさせ、日本の文化が外国の方にも充分伝わったのではないでしょうか。
このような研修への参加は初めてでしたが、貴重な体験をさせて頂き感謝致します。
秋山
私にとって初めてこんな大きなフォーラムへの参加でした。各地でご活躍の様子を知る事も、とても意義深い事でした。この大会で、素晴らしい人と知り合えました。彼女は帯広の「ホスピス」でデイ・サービスのボランティアをしているとか、2度ほど手紙のやり取りができ、いろんな刺激を受けています。こんな機会を与えて下さって有り難うございました。
村山
国内外の参加者七百名あまりのフォーラムに参加する事が出来、感謝しています。
アメリカから五十年振りに日本に来た日系二世の方、東京、大阪、宮崎などから参加されたボランティア、医療スタッフの方達と交流し、多くの事を学んだ三日間でした。
基調講演で岡本千秋氏の「病院ボランティアは、安上がりの労働力ではない。自発性、無償制、公益性の原点を忘れないで下さい。」と話されました。
十八年、三十年のボランティア歴の方は、「振り返ると患者さんと一緒に過ごしていた。ボランティアは頑張らないで、無理なく主体は患者さんにあります。特に守秘義務は大切です。」とのお話に、私達の活動も四年目になりますが、初心に戻り、研修を重ね、患者さんが来院された時に、やさしい笑顔で対応し、息の長い活動を続けていけたらと思っています。
中川
アメリカやカナダ、日本では遠く宮崎、大阪、東京などからやってきた病院ボランティアのいろんな活動を知り、とても勉強になり、又、自分の未熟さを感じ、今後の活動に役立てたいと思います。
★★★★あとがき★★★★
フォーラムが終わって早一ヶ月です。参加者全員の感想を集めるのはやはり大変!バザーと重なり、お忙しいところ原稿の提出、本当にありがとうございました。フォーラム参加の記念になればと思います。
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