日記

日記

2003.8.から



その日はたいてい金曜日の夜中、11:45ごろの電車で最寄り駅に降り立つ。私はその時間を見計らって車で駅に迎えに行く。

ひとりで子供たちを育ててる間、気を抜けない毎日。反抗期も重なり、どっとつかれきった頃に主人に会えるという生活をしていた。ふっと力を抜ける数日だった。

そして子供たちの試合を見て、土日を過ごし、日曜の夕方また寮に帰っていく主人を見送った。

子供たちと顔をあわせるのは土曜の朝。遅めの朝食をとり、私のいれたコーヒーをおいしそうに飲み、その後、子供のピッチングの相手をする。それは日曜の主人が寮に戻る電車ぎりぎりの時間までも時間を惜しむように続けられた。それだけ長男にかける思いは大きかったのだと思う。また、主人が帰宅するたびに成長を見せるのがうれしかったのだと信じたい。

この8月、長女のソフトボールの全国大会にもいっしょに行った。長女は男女混合のチームに普段は所属し、この6年生になってから、県に1チームしかない女子のチームにもはいっていたのだ。

長男と私は留守番をし、主人と長女が大会に行ったのだ。それはもう長女にとって、今は最高の思い出になっているようだ。本当にいい時間をもてたと思っている。

こういう生活が亡くなるまで続いた。この生活がこんなに死期を主人に招いたのだと、ものすごく後悔し、そのことで毎日泣いた。「疲れすぎたんじゃない?」「無理したんじゃない?」という周りの声に反論できなかった。私たち3人が重荷なっていたんじゃないかとそれが一番つらかった。

でも私の大事な友達が言ってくれた。「それは違う。主人は喜びや楽しみで帰宅して、それがまた単身赴任先で頑張る原動力になっていたのだと。喜びや楽しみでの頑張りはストレスにはならないんだから」と。私はその言葉の一つ一つに励まされ、「後悔の涙」はあまり流さなくなった。その友達は私の陰になり日向になりしてずっと今も支えてくれている。

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