わんこでちゅ

11 ヤマダくんは○音痴









ぴんぽ~ん

玄関のドアチャイムがなる。カーク君かな?ドアスコープをのぞくと、女性が立っている。???俺は普段あまり人の顔はみていない。見てもどうも相手の目に視線がくぎづけになって、顔の造作なんかは、あとで思いだそうとしても、さっぱりだ。病院にくる患者さんなら、つれてくるペットの顔や種類で殆ど完璧におぼえているし、あまりそれ以外の人と接することもないから、それで不便ではないしなぁ。その上普段から人に無関心というか、気にとめていない俺、こういうときがこまるんだよ、、、。友達に一度お前は顔音痴だと笑われたことがあるが、本当に困るんだよ。もし保険の勧誘のおばちゃんだったら、しつこくてどつぼだぜ!

「せんせいしらっしゃいませんかぁ?」

ぴ~んぽ~ん。ききなれたカーク君の飼い主の声とともに、再びドアチャイムの音。おおっ、カーク君の飼い主だったか。おれはドアをあけると、まずまっさきに足元をみた。

「おおっ、カーク君いらっしゃい!」

いってから、まず人間に挨拶すべきだったかとおもったが、まぁ犬を飼っている人っていうのは、おうおうにして、こういう犬優先なことがあるから、大丈夫!!カーク君ははじめての場所に臆することなく、俺に会えて嬉しいといいたげに、しっぽをぶんぶんふりまわしている。部屋におとおしすると、カーク君はいっしんに臭いをかぎまわっている。カーク君の飼い主は椅子に座ると、さっそく俺がたのんでおいた物を紙袋から出して、テーブルの上にひろげた。

「せんせい、これなんですけど、、。」

「いや~、すごいなぁ。もうみかちゃんにこんなとこみられたら、変態あつかいですからね。助かります。」

「前にもお話きいたことがありますけど、私もそれに近いことやってます。ということは、私も変態かしら、、。」

「いや、こんなものもってたら、充分変態かもしれませんよ。」

「まぁ、いやだ!おかしいっ、ふふふふっ。」

「おかしいですね。わっはははははっ。」









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