チッチの日記

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ガッサンダイヤモンド社



[視察 ② ガッサンダイヤモンド社]    

ここでは、主にオランダのワークシェアリングいついてのレクチャーを受ける。

<オランダモデル>
1982年の「ワッセナー合意」(賃金の抑制・労働時間の短縮・減税という政労使三者合意)により労働時間の短縮やパートタイム雇用の推進が、新たな雇用を生み出し経済が活性化する中で、失業率が低下した。
このことを「オランダモデル」と呼ぶ。また、さらにオランダのワークシェアリングが当面の失業対策だけでなく、仕事と家庭の両立という長期的な政策として位置付けられているという事に私たちの関心がありました。

ただ最近はオランダでも、近年の不況のあおりを受け、事情は違ってきており、2003年の12月より新法律が施行されることになったという。
内容としては、財政縮小による、出費を削減する意味合いから、福祉的な予算をカットされる方向にあるということ。それに対し社員の間からは不満の声が上がっているが、ガッサン社としては、向こう10年間での移行措置を考えているとの説明があり、企業の「良心」を見た気がした。

 質問 ① 「企業内保育所はありますか?」 女性が外で働くためには、子どもの養育施設の準備が不可欠です。ワークシェアリング先進国のオランダでは当然、企業の対応が十分にできているだろうという予測のもとにこの質問を準備したのですが、以外に応えは「NO」でした。理由は(1)郊外に居住しているため学校などとのネットワークが取りにくい(2)社内に保育施設があると仕事に集中できない (3)民間の託児施設へ1/3の保育料を補助する方が安価である。(4)アンペイドワークに対応するために、就業時間がアレンジしやすくなっている。というような回答が返ってきました。

 質問② 「パートタイム労働で働くパターンは週何日が多いか?」
殆どの労働者は週40~37.5時間・週5日働くパターンが最も多い。
休憩時間1時間の内30分は雇用者自身の負担になっている。
<休暇(フルタイムベース)>
・有給休暇 25日/年
・通院(医者・歯医者・専門外来) 5回まで
・特別休暇(子の養育・親の介護) 10日/年
・妊娠中の女性 産前6週間 ・ 産後10週間
・父母の育児休暇 8時間/週を下回らない範囲で50%の労働時間を選択可能
・Extra制度(45~60才)1年ごとに1日の特別休暇が与えられる。

 質問③ パートのフルタイムへの転換は可能か?
「その仕事があれば」可能です。という微妙な返答でしたが昨年度の実績は6~7人
とのこと。

 質問④ パートでも専門職・管理職になれるか?
管理職は一週間あたり37.5~40時間の実働が必要なため一部を除く管理職についてはパートを許可していない。(ストアマネージャーなどの店長レベルでは可能)

 質問⑤ 「労働評議会」の構成割合は?
・男性 55% 女性 45%
・オランダ国内に350名
・2人の兄弟オーナー
・コミッショナー 4人
・スタッフ 13人

 質問⑥ 「雇用とケア法」とはどんな法律ですか?
「ARBO」・・安全労働姿勢・健康状況を抜き打ちで検査するシステム
雇用と結びつく安全面、健康面、安全確保についてのアイテムが記載されている。

社員の中に「精神的ストレス」を抱えているような問題はないか?という質問に対し、30~35才位の女性の中に「バーンアウト」という現象を起こす事があるという回答があった。これは、家庭・仕事・社会生活のすべてを完璧を指向するために、何も手につかない状況に陥る現象だということで、企業として対策を取るという答えでした。
<対策>
・本人の姿勢への企業訓練ー人事担当者
・医師との連携
・労働時間の短縮
・休憩を確実に取らせる
・スポーツ・トレーニングなどの社内研修を実施する。
など企業が主体となって労働者の安全確保の姿勢を保持しているという実態に触れる事ができました。










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