キミの街の
キミを今日まで見守ってきた風が
わたしの長い髪を揺らす。


ココに来ると何故だか嬉しくなって
キミの家まで迷わず走っていった。


慣れないサンダルに
朝早く作った不器用なお弁当を持って
キミに会いに行った。


"わがままは言っちゃ駄目なんだ"って
自分に言い聞かせて
キミの部屋のドアを開ける。


そこには、わたしの事を忘れて眠ってるキミがいた。


『おはよう』って言っても
『お弁当作ってきたよ』って言っても
起きてくれなかったけど


それでも幸せに思えた。


一緒にいれる事だけで充分だった。


眠ってるキミが起きない様に
そっとドアを閉めた。
・・・そんな、わたしを追いかけて
起きてくれるのを待ってたんだ。


・・・あの日が最後になるなんて思ってなかった。
最後だなんて思いたくもなかった。。。


きっと、わたしの方が悪かったんだと思う。
でもキミには分かってほしかったんだ。
キミなら・・・分かってくれるんだと思ってた。

今度こそはと思ってたくさん買った少し大きめのお弁当箱と
キミに見せたかった全て


あの日の暖かい風がみんな連れていくのだろう。


だから静かにキミを忘れてしまいたかった。


キミの全てが消えてほしかった。。。



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