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「 螺鈿迷宮
」を読んだ時ははっきりとスピンオフだと分かりましたが、それ以降発表される作品全て同じ世界というか、同じ地域と言うか全てが関連づいているんですよね。
医療とは全く関係ない「 夢見る黄金地球儀
」ですらしっかりとリンクしていますからね。
というか、黄金地球儀を読んでいると意味が分かるネタも仕込まれています。
時間軸は、2020年とさらに進んではいますけども。
今回のお話は、ひょんな事から平凡な成績でありながら、潜在能力試験で日本で1位をとってしまった中学生の曾根崎薫が、医大の研究に関わる事になってしまい、そこで起きた研究やらトラブルやら諸々を通して、医療現場のもろもろの問題点やら何やらを見せると言うものですね。
医療に対する啓蒙活動が海堂尊の執筆姿勢になっているので、いつもの事ですが。
で、今回面白いのは、父親がゲーム理論の第一人者で現在はアメリカにいるために、メールでやりとりをしているという事でしょうか。ゲーム理論そのものにもっと突っ込んで入ってきてくれる方が個人的には医療よりは分かりやすいんですが、それはそれとして。
トラブルに巻き込まれてから、それについての対処をする父親というのが、なかなか面白くできているんですね。息子のトラブルをメールのやりとりだけで何とかしようとしたり、全てを引き受けるのではなく、中学生である息子にきちんと対処させたりと。
元々中高生をメインターゲットとして書かれた作品ですので、それほど込み入った形ではなく、それでいて別にメインターゲットがどうとか関係なく普遍的なエンターテインメントとしてまとまっているのは、他の作品と全く変わらない姿勢ですね。
で、他の作品とのリンクが海堂作品の特徴でありますが、これも「ナイチンゲールの沈黙」が非常に強くかかわりを持っています。実は今まで書かれた作品の中で重要なキーを握っているのは「 ナイチンゲールの沈黙
」なんだろうかと、思えてきます。
とりあえず、海堂尊は今まで読んできて外れはありませんから、そろそろ海堂尊は読んで損なしくらいは常套句にしてもいいかなぁと。実際に医療関係の事を知ったつもりになれますし(まぁ医療現場でも患者としては結構なかかわりをもっているので、全くの無知ではないとは思っていますけどもね)
ただ、本作については、小説を横書きの本で読むのは今ひとつ読み慣れないなぁという事が引っかかりますかね。
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