chocoolique の世界あちこち日記

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【さようなら】

７時過ぎ。早々と朝食を食べ終えた私たち。Ｂ＆Ｂを引き払う。ここの人たちにはもうすっかり相棒のケチさ加減が知れ渡っているので、皆から、別れる段になっても同情の眼差しが送られる。オーナーの、ボン・シャンス、という言葉。今の私にこそぴったりだろう。

このオーナー、意外にも（？）繊細な気配りのできる人。私が外のテーブルで読書していると、よぅく冷えたパイナップルを切って出してくれたり、蚊取り線香をさりげな～く近くに置いてくれたり。初日に私の部屋でドデーンと寝そべっていた猫も、「お客さんには猫が嫌いな人もいるから」と、どっかに追いやってくれた（注：私が猫嫌いオーラを出していたわけではありません）。バジェット・トラベラーだけどそんな心遣い受けてみたいワ、という人にはこの “ ファーレ・オアオア ” はおすすめ（注：マージンもらってません）。

皆に別れを告げると、私たちはバックパックを担いで自転車で島の西へと向かった。右手に海を見ながら、思ったよりも坂の少ない道を２時間ほど行く。なんだ、楽勝♪ 余裕の表情で目的地 “キャンプ・ネルソン” に到着。

【ＨＬＭふうの…】

意気揚々と敷地に入るが、突如、プレハブ小屋風の長屋が視界に。嫌な予感…。受付で鍵を受け取る。部屋の前へ。ウッ。南京錠のドア。嫌な予感…。そしてドアを開けてみて予感的中。ウナギの寝床のような横幅のない部屋、いや、独房に、ベッドがひとつ。申し訳程度に小さな窓がひとつ。それだけ。本当にそれだけ。薄暗い。心なしかホコリ臭い気も。

外に出てみる。はるか彼方にシャワーとトイレが並んでいるらしき建物が見える。行ってみる。え…？トイレットペーパーのロールって床に置いていいの…？一泊３０００フラン（≒３０００円）とはいえこれってどういうこと…？

もっとましな部屋はないのか聞いて来い、と相棒を受付にやる。本当はこの部屋にご満悦の相棒ではあるが、これ以上私の機嫌を損ねてはいけない。しばらくして別の部屋の鍵を手に戻ってきた。同じ敷地内ではあるもののビーチの目の前に建っているバンガローで、ここイチオシの最高級物件という。二人で一泊４５００フラン（≒４５００円）。ふぅん。期待はせずに行ってみる。

………。ベッドカバーとカーテン（３箇所）は全く調和を見ず。天上の梁には隙間だらけ。虫が入りたい放題と見えて、早くも二匹の羽虫の死骸がベッドの上に。

さぁ、ここと独房とどっちがいい？と相棒。ある意味、究極の選択である。私は迷いに迷った末、一戸建て独房（＝バンガロー）を選ぶことにした。

【ぶらぶら】

頭を使ったので疲れた。相棒とは別行動にしてもらう。ひとり自転車で近場を散策。血糖値を上げておこうとスーパーでオランジーナを買って飲む。それから、アクセサリー屋やパレオ屋を覗いてみる。黒真珠や貝殻でできたアクセサリーを扱うお店が数軒。店員の女性と、鮫の歯を巡って熱く語り合う。高くて手が出ないのが無念だ。パレオも思ったより高い。たいてい１０００フラン（≒１０００円）。自分のクレジットカードの一枚も持って来れば良かったのだが、相棒の、盗まれたら困るからカードはよしとけ、という言葉を鵜呑みにした私が馬鹿だった。奴からせびったなけなしのお小遣いが私の予算。パレオなんて買っちゃったらアイスが食べられなくなるよ…。素敵な柄のを見つけてもぐっと我慢。そして、ご褒美にアイスでも食べるか、とまたスーパーへ行くと相棒と鉢合わせ。これだから小さな村はやだよ。アイスを相棒にたかって、また別行動。

今度はビーチに下りてみる。綺麗な水が！美味しそうな魚が！この刑務所のシャワーは断固として浴びん！と宣言した私ではあったが、こうしちゃおれんとバンガローに戻り、水着を着ると、張り切って水の中へと駆けていった。案外意志が弱いんだね。

浅瀬を２時間くらい歩いてみた。パールを買うお金がないのなら拾えば良い、とばかりに探すが見つからず。そりゃそーだ。その代わり、ひょろ長い、クレヨンっぽい紫の物体を発見。自然物であるようだ。そこらへんにいる現地人に、これ何でしょう、と見せると、貝殻とのこと。うへー。面白い収穫だ。

満足してバンガローに戻る。さあて、シャワーでも浴びますか、とタオルをもらいに受け付けに行くが、「ここではタオルは用意してません」とあっさり告げられ愕然。オオ！もう水に入っちゃったんですけど！仕方なく水着を着たままシャワーを浴び、外につっ立って乾かした。お湯などもちろん出ず水シャワーだったので体の冷えること冷えること！

【ポワソン・クリュ】

くしゃみなどしながらバンガローに戻ると相棒が帰ってきていた。夜ごはん、何食べる？と私。何も要りません、と相棒。ケッ。私はひとりで近くのレストランに行き、ポワソン・クリュ（タヒチ風お刺身）のライス付きをテイクアウェイ。キッチンが丸見えのレストランだったので、私は身を乗り出して調理の様子を観察することが出来た。レシピ獲得。今度お料理のページに載せちゃおうっと♪。

chef

手ブレ…じゃなくてシェフの動きが速すぎたためソフト

相棒に見せびらかしながら、海の見えるテーブルで、夕陽の沈むのを眺めながら食べる。味は、まぁ、こんなもん？マグロの鮮度は良いが部位がイマイチ。ココナッツミルクの味のほうが勝ってしまっている。生玉ねぎの味も強すぎる。つか、それ以前に許せないのは、お米に塩入れて炊くことだ！

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