chocoの部屋

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始原への旅立ち


■■■■■ 始原への旅立ち ■■■■■


  先史時代(歴史に残る前の時代)の物語です。
  もちろん、現代に生きる私たちには本当に知ることは出来ない世界ですが、
  今でも残る化石や遺跡や絵を研究して、こうだったに違いない、
  という物語を読むことが出来ます。
  精霊がとても身近で、動物達も同等の存在として生きています。
  便利なものが何もなく、生きるのに精一杯という時代が、
  かえってとてもシンプルで、良く思える時もあります…。


『エイラー地上の旅人』シリーズ(ジーン・アウル作)

三万五千年前、ネアンデルタール人とクロマニヨン人が入れかわる時期の物語です。
…というと、とても原始的な話を思い浮かべてしまうかもしれませんが、
とても愛情のある物語です。
生活も知識も単純ですが、人間らしさにあふれています。
今よりもっと、家族や一族が大事にされていると思います。

作者がこの時代についてとてもよく研究しているので、
この時代の生活が不自然でなく、身近に感じられるのも面白いです。

最近新訳で出たので、読みやすいと思います。
が、「ケーブベア-」だけはいただけません。
やはり、「洞穴熊」でないと、変な気がします。





『アリューシャン黙示録』(スー・ハリソン作)

紀元前七千年、氷河時代のアリューシャン列島を舞台としています。
殺し屋に一族を皆殺しにされた「黒曜石」は、たった一人、ラッコの精霊の導きに従い、大海原に旅立つ…。

第1部はこの「黒曜石」の物語で、第2、3部は、黒曜石の息子、「ナイフ」をめぐる物語です。
この物語も、当時の風習、言葉などを研究した上で描かれているので、
とてもリアルで、世界にのめりこみます。
現代にもありうるであろう愛憎が、厳しい世界の元で、際立っています。







『トナカイ月 ー原始の女ヤーナンの物語 』(エリザベス・マーシャル・トーマス作)

二万年前のシベリア南部。旧石器時代の一族の女、ヤーナンの物語です。
ヤーナン絶対生き延びる、という強い意志をもっています。
妹を守るために厳しい自然と戦い、オオカミと不思議な交流を持ち、
最後は、精霊の世界へと舞台が広がります。

この時代は動物と人間がとても近かったのだろうなと思います。




『血族の物語』(ピーター・ディッキンソン作)
二十万年前のアフリカが舞台となっている。
血族と呼ばれる、動物の精霊を頂く一族の物語である。
精霊の導きにしたがって、大人と離れ、生き延びようとする子供達。
「月のタカ」一族の血を守るため、それぞれ、大人になっていく。

血族の起こりを語る素朴な昔話と交互に「今」の子供達の物語が描かれ、
相互にリンクしつつ展開していくので、とても面白い。
ディッキンソンが研究して書いたという物語で、
当時の生活にこちらも一気にのめりこみます。




『石の環』(ジョアン・ダール ランバート作)
百五十万年前のアフリカ。
幼くして母をなくしたジーナは、「大いなる意志」を信じて、部族を率いるようになる。

精励の声を聞くことのできる、ジーナと呼ばれる何台もの女の物語が描かれている。
最初は、自然の脅威の中で、生き延びることが最重要だったが、
段々と、時代が過ぎていくにつれ、そこに、「愛」が現れてくる。
現代にも通じる、とても壮大な物語だと思います。














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