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2) 繰り返し

 先ほど「恋人に教えてもらう」という例を出したが、それは極めて心地よい体験だと思う。

 心地よい体験は何度でも思い出すのが人間というものだ。

 しかしながら、心地よい体験でありながら、思い出さない場合もある。

 例えば、

「あの時(10年前)○○遊園地で初めてソフトクリームを買ってあげてねぇ……お前はもっと食べたくて駄々をこねたっけ」

と、お父さんが娘に言っても、娘はさっぱり覚えていなかったりする(笑)

 こんな悲喜劇は、大半の親が体験している。



 実はお父さんはその状況を心地よい体験として何度も想起したから覚えている(想起しやすくなっている)が、一方、小学校に上がったばかりだった娘は、その後に多くの情報が入りすぎて当時の記憶を想起するヒマがなく、結果として雑多な情報の中に(お父さんにとっては)肝心な情報が埋もれてしまった、ということだ。

 お父さんは想起というヴァーチャルな世界で記憶を新たにしたが、娘はそれをしなかった。

 ここに記憶の第2の原則がある。

繰り返し

 ここで重要なのは想起=「思い出す」という行為だ。

 「思い出す」を繰り返すことで、記憶は新たにされ、より一層忘れがたいものになっていく。

 思い出すという行為は、上記のお父さんのように自発的に思い出すこともあれば、強制的に思い出させられることもある。

 例えば、前記の恋人に教えてもらった英単語。

 面白くもないテキストを読まされていた時、たまたま文章中にその単語があり…つまり強制的に見せられて…、教えてもらった時の感情と共に意味を思い出す。

 同じ単語に別の場所で出会えば、そこで更に「思い出す」を繰り返す。

 そうやって繰り返すことで、その英単語の記憶はより確固たるものになっていく。



 記憶は繰り返すことで定着していく。

 いや、

繰り返すことで想起しやすくなる のだ。





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最終更新日  2008年12月10日 17時02分08秒 コメントを書く


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