チョキのページ 保護されるの巻

チョキ、保護される!

散歩行くのだ!

チョキは今から5~6年前に、家出して保護された事がある。

それは、ある春の日。
その日は狂犬病(?)予防接種の日だった。
予防接種ちゅ~のは、犬によっては打った後に、ちょっと具合が悪くなる
のもいるらしい。
だから、お知らせの葉書に、
「その日は激しい運動はさせないで、エサをあげて、おとなしくさせておいて下さい」
との注意書きがある。
とりあえずチョキも注射に行き、頭を姉キに押さえつけられ、
(シッポはブンブン振り回しているが)チュッと注射をされる。
そして終わると、ブルブルっと身震いをして、ハイ終わり。
「今日は散歩は無しね」という事で、帰ってきてクサリに繋いでおいた。

そして夕方、ウチの姉キがエサをあげようと外に出ると、
あれっ、チョキの姿が見えない。
なんで、なんで? さっき繋いだじゃん・・・
クサリはあるぞ、あれれっ???

そう、チョキは脱走したのだ。
だぶんクサリに繋いだ時に、ちゃんと器具(?)がひっかかっていなかったのだろう。
だからチョキは動き回っているうちに、
(あれ、何だか自由だよ・・・ラッキー、散歩行っちゃお~)
てなモンだと思う。

これはマズイと思った姉は、心あたりを探し回る。
近所で女の子(メス犬)がいる所を重点的に、見て回る。
(チョキもやっぱり男、女の子が大好きなんですな)
でも、ドコを探しても、いないのだ・・・
まあ、エサをあげてないから、お腹が空いたら戻ってくると、
姉キはタカをくくっていた。
しかし、夜になっても帰ってこない。
ウチのとーちゃんとかーちゃんにも、
「チョキがいなくなったから、見つけたら連れて帰ってきてね」
と言っておく。

それから2~3日経ってもチョキは帰ってこない。
でも、どこかで犬が事故にあったという話も聞かない。

そして、5~6日経っても、まだ戻ってこない。
首輪をしてるから、誰かが見つけても、どこかの飼い犬だって分かるハズなのに・・・
ドコに行っちゃたのよ~~チョキ、チョキってば~~~~。

そして一週間くらい経ったある日、ウチのかーちゃんが会社の人の言われたそうな。
「昨日、有線放送で隣町で迷い犬を保護してるって言ってたけど、
 ○○さんトコの犬じゃないの?」

ちなみに有線放送とは、ウチの方では各町内で、町のお知らせとかを流してくれる。
有線電話から決まった時間に流れてくるんだよ。
「ピンポンポンポ~ン、7時のお知らせです」 とかってね。

それを聞いたかーちゃんは、スグ姉キに報告。
早速、姉キが隣町の役場に出向く。
役場の人に話しを聞くと、確かにチョキっぽい。
しかし、その場にはいなかった。
役場は町中にあり、犬を置いておいて吠えられたりすると、近所迷惑になるので、
ちょっと町中から離れた‘民族資料館’にいるという。

そして姉キは民族資料館に向かう。
車を止めて、係員の人に話しを聞く。
ちゅ~か、姉キの車の音を聞いた途端に、犬が吠え始めた。
姿を見なくても、間違い無くチョキだわ・・・
(チョキには、ウチの姉キの車の音が分かるのよ)
係りのおっちゃんが言う。
「ごめんね、私は犬が怖くてしょうがないから、自分でカギ開けてくれる」
と、カギを貰い、ケージに向かう。
やっぱり、チョキだ!
チョキの方はといえば、姉キの姿を見ると、「ウォンウォンウォン」と歓喜の声をあげる。
「早くおウチに帰りたいよ~」

ちなみにチョキは保護されて以来、ず~~~っと吠えっぱなしだという。
あ~あ、やっぱりメイワクな犬だ・・・
本当に申し訳ございません・・・
そしてチョキは無事、我が家に帰ってきたのである。

何でチョキが、こんな事になったかと言うと、
ウチから3km位離れた所で保護されたらしいのだが、
その前にどこかの子供が見つけて首輪にビニール紐を付けて、ドコかに繋いでいたらしい。
ところが知らない所に拘束されたチョキは、大パニック!
暴れまくり、そのビニール紐をぶっちぎって、また放浪の旅に出たらしい。
そして誰かに通報された。
だから発見された時は、ビニール紐を引きずっていたという。

で、普通、犬には識別(?)のプレートが付いている。
だから保護されても、すぐにドコん家の犬か分かるのだ。
しかしチョキがいなくなった日は運悪く、予防注射なので前年のプレートを外していた。
そして、今年のプレートを付ける前に家出しちゃったので、分からなかったのよ。

そして有線放送も、隣町で何日か流したのだが反応が無かったので、
もしかしたら、と思ってウチの町にも流してくれたらしい。
ありがとう。
そのおかげでウチにチョキが戻ってきました。感謝。

ここで皆さんは不思議に思うと思うのだが、
普通ノラ犬が保護されるのは、保健所だよね。
しかし、ココは田舎の小さな町、保健所なんかある訳もなくて、
だからこそ‘民族資料館’で手厚い保護を受けていたというワケ。
だって普通の保健所に一週間もいたら、完全にアウト。
もう処分されちゃうでしょ。
あ~あ、田舎で良かったと改めて思ったのでした。

そしてウチの姉キは、お世話になった民族資料館に、
お礼のドックフードを持って行った。
「次に来る犬の為に、ありがたく貰っておきますね」との事。
ホント、この田舎の人のやさしさには、涙が出ますな・・・

ちなみにこの後、迷い犬が出るたびに、獣医さんから電話がかかってくる。
「おたくの犬、いますか?」って。
(なんで獣医さんから電話なのかは、???)
これが3年くらい続いたらしい。
う~ん、チョキって前科者の札付きなのね・・・
まっ、しょうがないか・・・


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