日々是徒然

日々是徒然

PR

×

Profile

思緒里

思緒里

Calendar

Comments

aki@ Re:生きてます(11/23) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
ヌテラ親父@ Re:ロシェチョコ≒ヌテラの謎(02/28) 10年以上前の記事にコメントするのもナニ…
ぱるるもん@ Re:『プライド(12)』一条ゆかり(02/20) 漫画はお嬢様と貧民育ちの対決構図だと思…
グリーン@ Re:『プライド(12)』一条ゆかり(02/20)  本当に最悪な結末。萌の留学が面白かっ…
とうりすがり@ Re:ダウナ(11/23) >楽天なんかで見ると、かさ高180以上のポ…
ダウナ@ Re:長い長い羽毛布団の話(11/23) ダウナはやはり特別ですね。 布団側も特殊…
ダウン@ Re:長い長い羽毛布団の話(11/23) ダウナはやはり特別良いと思いますよ。 側…
思緒里 @ Re[1]:総決算(12/27) gooddesignさん わああご無沙汰です! も…
gooddesign@ Re:総決算(12/27) あけましておめでとうございます&お久し…
マイコ3703 @ コメント失礼します(* >ω<) 最近読んだブログで1番気にかかってしま…

Archives

2026.10
2026.09
2026.08
2026.07
2026.06
2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01

Keyword Search

▼キーワード検索

2007.09.23
XML
カテゴリ: 萌え映画

『バリー・リンドン』

ちょっと前にぶこふで950円で見つけた。こんなマニアックな名作が世に出回るようになるなんて、生きていてよかったよ(滅多に思わない)。
いかにもハリウッドな緩急のある大袈裟なコスチュームプレイでなく、ヨーロッパ的な正統派コスチュームプレイ。ゆえに長大で退屈だけど映像と風俗観るだけでも面白い(わ、私だけ?)。

大根役者ライアン・オニールを使っているのが妙なんだけど、演技というほどのものはしていないので、顔がよければいいとしよう。それより、もうマリサ・ベレンスンが出てくると、それまで主役だったライアン・オニールなんて、小姓に思えるほどかすむ。なんだあの硬質な美しさ。人形? 血が通っているように見えない。あの息子も陶器めいている。白人って時々こういう異常に研ぎ澄まされたというか、西欧的な美の基準をすべて兼ね備えたような人間が出てくる。

豪華な刺繍を施した椅子の下側が風呂になっているという不思議な一人用半身浴槽のなかに使っているべレンスンの裸もまた、えーとなんだっけ、フォンテーヌブロー派? あの裸の女性二人がお互いの乳首を摘まみあっている有名な絵があるけど、あの裸にそっくりだ。ヨーロッパの女性のおっぱいは外側むいている!

そしてあの髪型! 服飾史のテキスト見ていたとき、頭に帆船模型のっけて1メートルぐらいの高さになって(つまり身長+1M)る髪型があって大笑いしたけど、爛熟ってすごいよな。このべレンスンの髪型も相当だ。カツラだろうけど、あんなのどんなに髪の毛量があっても足りなさそうだ。ある意味、日本髪よりすごい。
で、べレンスンがこの髪を解くと、意外なほど普通のただの美女になる。18世紀限定の美しさなんだな。そういえば羽田美智子も、スクリーンの中で着物着ている時以外、普通の人に見える。

べレンスンって、他に映画に出ている時の印象は皆無なんだけど、あそこまできれいだと、たとえ演技が下手でも声が悪くてもセックスがヘタでも女の仕事がなにもできなくても許されるような気がする。アスリートの現役期間がみじかいのと同様、外見の美しさって期間限定だから、早めにお金持ち見つけないとその後苦労しそうだ。

でも、この映画では、男にとってはやっぱり美しいだけと言うのは、高価な調度品や宝石と同じで、飽きてくるらしい。そのうち、家に縛り付けておくようになり、ほうっておかれる。人間の欲望はきわめてポジティブにできているから、金でも愛情でも現状で満足するということを知らない。もうこれ以上不要となったら、他に目が行くんだよな。この伯爵夫人べレンスンは、名誉も金もあるけど愛情は得られなかった。ライアン・オニールは叡智も勇気もあるけど名誉と金が得られなかった。古今東西人間の性ってここから始まるんだな。いっそ何も知らないほうが幸せなのかもしれない。

これ、キューブリックなので意図はちゃんとあるんだろうけど、淡々と一人の男の人生を描くだけというのが、なんとも……まるで伝記映画のようだ。サッカレーの原作は読んでいないけど、ヴァニティー・フェアーを書いた人だから、支配階級批判だよね。そもそも19世紀当時に、すでに階級批判があったのに、20世紀になってからフォスターみたいなアッパー出身者が、「当時はよかった」みたいな、「支配階級万歳」(というか、そもそもそれ以外の階級が出てこない話)がもてはやされるのが不思議。やっぱり羨ましがるだけではだめで、みんななりたがりなんだよな。あらゆる文化は支配階級が育ててきたってことを認識し、自分たちも小金を持つと上を目指す。いいことなんだか、悪いことなんだか。アッパーだけじゃ生活必需品の果てまで誰が作るんだってことだよな。



この映画、室内シーンがすべて蝋燭の炎だけをライティングに使用したというのが当時話題になっていて、私は「そんなことできる撮影監督はアルメンドロスぐらいだろう」とずっと思っていたのに、違ってた。あれか、映っている燭台だけでなく、周囲のライティングもロウソクだったってことかな? 昔観た時は「すごく暗い」イメージだったのに、今観ると、まったく色褪せてなくてきれいな映像に驚く。デジタルリマスタリングってやつかな。フィルムは経年劣化して退色してくるから、名作の類は監督や撮影監督がまだ生きているうちにこういうことをちゃんとやってもらいたいものだ。
室内シーンも暗くないし、むしろオレンジ色の炎がぼおっと人の顔を照らしして暖かい印象。
そうか、この時代の貴族どもが、男も顔を真っ白に塗っているのは、夜遊びするときに映えるようにかな。芸者や舞妓もそうだよね。夜の職業=顔真っ白。
あ、でもパトリック・マギーが演じてた詐欺師は朝から真っ白にしてたな。

笑える戦争シーンとべレンスンの奇跡的な美しさと当時の風俗見るだけでも面白い。
でも長すぎるので途中で実話モノの『A little thing called murder』を観ていたら、アメリカには奴隷所有罪という罪が今もあることを知る。大笑い。日本も維新のころから大して変わってない法律があるらしいけど、南北戦争直後の法律だよね。おかしすぎる。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.09.23 20:52:24
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: