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2009.02.20
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カテゴリ: 少女マンガ系

『Real Clothes(6)』槇村さとる

5巻あたりから失速してきて、先が読めてきたので「もういいか」と思ってたのに、今日久々に書店い行ったら新刊の棚に最新刊が並んでいた。そして結局惰性で買ってしまう。
そしたら予想に反して、新キャラ登場で俄然面白くなっていた! 
このあたりはさすがベテランさんのストーリー運びのうまさよのう。

順調に出世街道を驀進していた主人公は、周囲の先輩に恵まれ、目標とする上司もおり、これまでは上を目指していけばよかった。だって自分が一番下っ端だからね。
30手前で女性として仕事か結婚かで悩み、一度は退職を決心するも、高校(?)時代からの彼氏の実家に挨拶に行くあたりで悩み始め、結局仕事を取る。
これが3~4巻あたりだったかな。そしてああそうだ、槇村さんもバリフェミだったと思い出した。やはりフェミの信念を作品に盛り込む姿勢というのも必要か。そうだな(ひとりごと9.

そして6巻では、これまで海外買い付けの高額商品ばかり扱うバイヤーだった彼女が、ヤングカジュアルの新企画を任される。日本に進出してきたH&Mや老舗百貨店の相次ぐ経営統合などもタイムリーにうまく取り入れて、らしい話に仕立てている。

この作品には、美姫様という50オーバーのカリスマバイヤー(部長)がたまに登場するんだけど、ナニを隠そう私は彼女のファンだ(笑)。彼女なりのセンスを生かして全身を高価格帯のブランドで固めて、セレブのパーティーで自社を売り込む行動力! 一回しか着られないような服ばかり着ているのは、全部経費で落ちるのか? 

今回、美姫様が身につけていたブランドもののスカーフと、主人公がカリスマバイヤーからプレゼントしてもらったスカーフ(無論フェイク)がかぶるシーンがある。美姫様は以前、主人公に「安物着ていると安い人生になる」と言い放ったことがある。今回もなんか言われると思い主人公はビビるけど、言い訳したりその場から逃げなかったのは偉かった。胸張って立っていたからね。最近はユニクロ着ているのがばれるのが恥ずかしい「ユニバレ」とか、同じユニクロ製品がかぶる「ユニかぶり」って言葉もあるぐらいだけど、大量生産ってそういう運命だが、ホンモノとフェイクがかぶるってのも微妙だろうなあ。



さて今回登場した新キャラちゃんは、ヤングカジュアルの売り場で頑張っている、キュートで仕事ができて野心もたっぷりの子。主人公は彼女と組んで仕事をしようとするけれど、新キャラちゃんは、「どうせあなたはエリートだから。私は所詮契約社員」と一線を引く。どっちかというとセンス出し惜しみというか。そして心の中では主人公のダサさを笑っている。

しかし、そうか、そういう事情もあるよね、と女性の雇用形態についても考えさせる。
この新キャラがまた、若い子がなぜファッションアイコンを必要とするのか、どんな気持ちで洋服を買うのかをよく知っているという設定で、槇村さん、若年層のマーケティング調べているなあと思った。私はついぞ流行の洋服というものに関心を持たずにきたので、一歩引いて見ることができるんだけど、おしゃれしたい心情ってそんなもんだよねえというプロトタイプがたくさん紹介されていて楽しい。

ファッションに興味をもちはじめるであろう10代の頃に、親が選んで誂えさせていた優等生的な服を着ていた自分は、今でもクオリティにばかり目が行き、遊び感覚の楽しいファッションというものがわからない。しかも親自身は「安い物は身につけるな」というのが心情の人だったが、あいにく自分はその遺伝子を受け継がなかった。なにしろ自分から積極的に服を選びに行くのが面倒くさいという女なので、むしろこれまではダサい主人公の気持ちはよくわかった。自分にセンスがないのはわかっているけど、仕事だから!ってやつだよね。

今回は美姫様のプチ版というか、生まれたときからファッション漬けで育ったような、なるべくしてカリスマ店員になったような新キャラが出てきたことで、もって生まれたセンスの存在を提示してみせて、でもそんな彼女たちの社会的な立場の弱さをも描いてみせる。

彼女は自分のセンスやコーディネートに自信もっているからこそ、契約社員じゃなくて正社員の道を模索して、ライバル会社に自分を売り込んだりするんだけど、雇用側からするとさ、こと売れ筋ファッションの末端の販売員は、いずれ「賞味期限が切れる」んだよね。とりあえず旬のうちに余計なことを考えずにせっせと服を売ってくれればいいと思っている。何年か経ってうまく上級ブランドにスイッチできればいいけど、末端の販売員はそこまで考えられて雇用されていない。かわいそうだけどそれが現実だよね。

百貨店の事情(企画でも何でも動かすのに時間がかかる)も丹念に描きながら、ライバルが青山のセレクトショップ(のバイヤー)ってのもちょっと笑える。あと、新キャラちゃんが自信満々にコーディネートしたマネキンを見た美姫様が、一言「仕事が達者でおもしろくない」とか言い放っちゃうところ。美姫様が毒舌吐くのは期待しているからなんだよ、泣くな! 生きろ!

なんか、未知の業界をリアルっぽく(あくまで「ぽく」なところがミソ)描いてみせてくれるし、今回は主人公だけでなく強力な新キャラが出てきたことで俄然面白くなった。説教くささもなかった(笑)。あのイカす変態上司がフィアンセに逃げられたエピソードが笑えた。





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Last updated  2009.02.20 08:58:12
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