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2010.03.29
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カテゴリ: 少女マンガ系

『モーレツ!イタリア家族』『それではさっそくBuonapetito!』ヤマザキマリ

「テルマエ・ロマエ」を読んで、あ、この人タダもんじゃないとビビッときたので、早速既刊を買って読む。きっと私のようなのが全国に数万人はいる(笑)。「テルマエ~」がデビュー作であるはずはなく、21世紀以降、少女~おねえさんマンガ雑誌(「Feel」とか「Kiss」とか)で描いてきた人だった。3巻完結のオリジナルストーリーは欠巻があったが、エッセイマンガが2冊手に入った。
なにしろローマ風呂人気で、今後過去作品が発掘されるのは間違いないな。その証拠に2006年初版の「モーレツ!」は今回急遽重版したらしく、講談社にもかかわらず「テルマエ以外のヤマザキマリ」と惹句の入った帯がくっついていた。憎き角川系(エンターブレイン)に塩を送るとはあっぱれな。

イタリア家族ものと食べ物ネタ。おおお~どちらも大好物!
もともと異文化遭遇ものとか、比較文化論が大好きなので、亭主が外国人だったり外国暮らしだと、それだけで仕事のネタがあっていいよねえとか思っちゃう。エッセイはそれこそ中学くらいから、伊丹十三さんやら木村治美さんあたりをむさぼり読み、その後、国際結婚した人たちが続々とエッセイを書くようになった。
マンガでも流水凛子さんのインドものとか、高橋由佳利さんのトルコものとか、欧米以外のものがあったりして、面白かった。旅するだけではわからない、現地の人の死生観とか日常習慣には興味がある。

それでわかったことは、ヨーロッパの場合、アングロサクソン系は笑えない話が多いから文章で読んだほうが面白くて、ラテン系は笑えるネタが多いのでマンガで読んだほうが面白いってことだ。あと中東とかロシアとか東南アジアとか、日本と文化風習が違いすぎる国もマンガで読んだほうがいろいろと解る。

イギリスで暮らしている人のエッセイは、それこそ貴族階級の男性と結婚した人から、象牙の塔で勉強した人のくそまじめに分析・批判したものまで山のようにあるし(元祖は夏目漱石だしな)、イタリアだってF1の記者をやっていた日本人女性がイタリア人と結婚してユニークなエッセイを書いていた。もう20年くらい前だけど。

ヤマザキマリさんの『テルマエ・ロマエ』を読んだとき、ああこのこだわりは米原万里さんを彷彿とさせると思っていて、きっと10代で海外生活の経験ありだなと踏んだのだが、ビンゴだった。「モーレツ!~」のほうは、そんな彼女が嫁いだイタリアの大家族の日常を描いたもので、「それでは~」は、イタリア料理のレシピ付き食べ物本。「テルマエ・ロマエ」とは絵に格差がありすぎるんだが、基本的にエッセイマンガはデフォルメ+ギャグ路線なんだろう。そしてなぜか、このギャグ絵が羽海野チカさんのギャグ絵とよおく似ている。二人は知り合いなのかな?



子どもの自分に西洋音楽を叩き込まれると、とりあえずイタリア語はすごく親しみやすい言葉なので、上達も早いと思う。そして私もホンの少しはその恩恵にあずかっているが、音感がいい人は当たり前に耳がいい。だから言葉の違う国にいっても、割と日常会話はすぐに話せるようになるんだよね。私も中学くらいからリートやオペラに親しんでいたので、ドイツ語もイタリア語も抵抗なく受け入れられるし、習ってなくてもなんとなく単語の端々で言ってることが解ったりする。鬼門はフランス語だ。

しかしラテンの国で生きる生真面目恥ずかしがりやなご主人のベッピーノ氏(イタリアではイギリス人に間違われるという)は私の理想の男性だなあ。発明家みたいなこれまた真性理系研究者肌のお舅さんとか、90歳を過ぎて「このロベルト・カバッリの新作は私に似合いそう」とか言っているセレブなおばあちゃま(大姑その1)とか、出てくる家族がみんなわんだほー!

特に姑ご一行が日本旅行にやってくる回は、一こまごとに大爆笑してしまって、なかなか先にすすまなかった。すごいよイタリアン! でも旅先でのハイテンションは、割となるよね? 私も最初の頃は1週間寝なくても平気なくらい元気で遊びまわっていた。帰国後1週間ぐらい社会復帰できないんだけどね。
そしてがんばれベッピーノ氏! 彼は日本で暮らしたほうが幸せになれる気がする。

100ヘクタールくらいある敷地でニワトリやアヒルや犬猫たちと暮らし、常にお客がごはんを食べにきて十人以上の食事はザラ、50万はかかっていそうな日本全国を回る観光旅行に大挙しておしかけるとか、基本、かなり恵まれた階層らしい。舅方は貴族の血縁らしいし。でも、ロッセリーニのネオリアリズモ映画みたいな姑方のおかあさんの話とか、映画みたいで、そして女性も男性も♪アモ~レ(愛)、カンターレ(歌)、マンジャーレ(食べる)♪が人生の根幹というのは、よくわかる。それじゃあ基本、労働なんてしたかないだろう。だからこそギリシャと並んでユーロ諸国のお荷物になっちゃうんだよ。なにそろああいう顰蹙ものの首相だしな(ユーロ諸国首脳会議では、ほとんどイロモノ扱いらしいじゃないか)。

あーひとつ、まじめに印象に残ったのは、学校は勉強を教えるところで、すべてのしつけは家でやるというのも当たり前の話だが、今の日本はもう「家族」を信じられなくなっているから、それが不可能なのが悲しい。





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Last updated  2010.03.29 07:55:32 コメントを書く
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