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2010.09.26
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カテゴリ: 萌え映画



ずっと見たかったジェーン・オースティンの「センス&センシビリティー」を観る。邦題は「いつか晴れた日に」。

ジェームス・アイヴォリーの撮った19世紀後半の英国富裕層ものが大好きで、フォースターの時代(エドワーディアン)からカズオ・イシグロの「日の名残り」までの英国の文化史は大好物だけど、18世紀末~19世紀前半はあまり知らないのよね。なので、あえてまだるこしいジェーン・オースティンなんである。

それにしても、彼女の代表作「プライド&プレジュディス(自負と偏見)」といい、この映画といい、原題が似てるじゃないか。邦訳も何種類もある。さらに映画だと勝手に「いつか晴れた日に」とか全然違うタイトルを付けちゃうからわけがわからない。
そして、この作品は、内容もプライド~とかなり要素が似ているのだった。

英国文学を集中的に読んでいた頃は、オースティンは全然面白いと思わなかったんだよね。あまりに慣習や常識が違いすぎて理解できなかった。古すぎるのも問題だった。英国文学は19世紀後半~20世紀前半に好き作家が集中していて、それがすべてでもいいくらいだったし。

でも、改めて映像でみると、本当にすべてが眼福。美しい田園風景、広い領地、手入れの行き届いた庭、屋敷、整えられた室内、装飾、服飾、生活習慣、男性が女性と接するときのマナー。それが田舎とタウンハウス(ロンドン)とを対比させて描いている。産業革命直前の、便利になる前の優雅な特権階級の末端層の生活というものに、ずっと憧れている。



「自負と偏見」もこの「いつか晴れた日に」も、この後に見たオースティンの自伝映画も、女性の自立が背後にあるけど、まだまだ現実的には自立なんかできなくて、意に染まない結婚を拒否するとか、好きな人と駆け落ちするとかを夢見る段階にとどまっている。

男もさ、社交の場でのダンスとか女性の誘い方とか、面倒くさいしきたり慣習が山ほどあって大変だったろうけど、女性は本を読んで賢くなっても、それを生かす術がない。小作に出したりするほどの土地がなければ、女子はひたすら財産と階級のバックアップがしっかりある男子との結婚を夢見るしかない。
なにしろ「女は家にいて、女性としての素養を身につけよ、知性があってもそれを表に出してはいけない」、と教会で牧師が大真面目に説教する時代。家にいて裕福な男性の訪いを待つだけの日々かあ。耐えられんだろうなあ。

さて、女優陣は、相変わらずうますぎるエマ・トンプソンと、におうがごとく美しいケイト・ウィンスレットの妙齢の姉妹(さらにティーンエイジャーの末妹もいる)が伴侶探しをするんだけど、いろいろ小さな誤解や勘違いがあって、ファーストネームで呼び合わないから、ミスター○○と言っても、兄弟が多かったらそれが何番目のことかわからない。それでドタバタが生じる。
男性陣もこれまた豪華で、ハリウッドに行ってコメディ俳優になる直前あたりのヒュー・グラントとか、悪役専門になる前のアラン・リックマンとか。男性のカラー周りがとっても窮屈そうなのが気になった(笑)。

「Becoming Jane」も、まさに一番美に張りのある頃のアン・ハサウェイが、アメリカ人にもかかわらず、もともとクラシックな顔立ちなので、18世紀末のカントリー暮らしの子女(オースティン)を好演していて面白かった。印象的だったのは、どっちも貧乏なのに恋に溺れて駆け落ちを企てるも、男性の方にやしなうべき弟妹がたくさんいると知った途端に、「家族を見捨ててまで成就しようとする恋はあとできっと後悔する」とか言って、身を引くんだよね。

これはなかなか20代の女性に言える台詞じゃないわ。家族に祝福されないければ、結婚どころか恋愛すら無意味って考えはむしろ斬新。この映画ではまた、ステロタイプな封建主義の権化のようなマギー・スミスがいい味出していて、彼女が登場すると笑ってしまう。こういう、財産持ちのコンテッサ婆って、「フランス軍少尉の女」にも出てきたし、「自負と偏見」にも登場したし、マンガの「アンダー・ザ・ローズ」にも出てきたわ。いわゆる家刀自なんだろうけど、威厳と権威を兼ね備えた女って、年取るほどに最強だと思うわ。一方、貧乏貴族の父親は、どの作品でもまったく影が薄いのだった。





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Last updated  2010.10.06 12:14:31 コメントを書く


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