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2011.04.21
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カテゴリ: BL小説

『おとなり』月村 奎

お隣同士、子供の頃から一緒に遊んでいた兄弟がどっちもホモだったというお話。おわり。
と言ってしまうと実もフタもないので、もうちょっとメモっておこう。

な~んか月村さんらしくない極端なキャラが二人ほどいるなーと思ったら、13年も前に
発行されたものの再刊だった。どうりでなー。作者さんも若かっただろうし、いろいろ書いてみたいお年頃だったのか。名作『もうひとつのドア』は、もっと後に書かれているのかな。

さて、話は親の代まで遡る。今は喫茶店を営むおとなり(父親は会計士)の兄弟と、和菓子屋の兄弟。ある事情で親(主として父親)同士が非常に仲が悪く、家同士の交流はもとより、子どもたちにも交流禁止命令が出ている。この辺が、コメディとしてはおもしろいけど、現実みに欠けるわ。月村さんて、マンガちっくなデフォルメの似合わない作家さんだしなー。

で、インのお話「千里同風」は、和菓子屋の弟(秀才・特進コース)と喫茶店の弟(同級生だが天然のおばかさん)で、手の焼けるバカなおとなりをなにくれとなく面倒みているうちに、「おまえそれかまいすぎじゃね?」とクラスメートに言われて、初めて自分の特性(ほも)を意識するというお話。親同士のいざこざをまるめたり、ついでに新作和菓子ができちゃったりと、いろいろ凝っているんだけど、きゃんきゃんうるさいバカな受(喫茶店)が受け入れがたいわ。

そして2つめのお話は、脇キャラで登場していた兄同士のお話。これはちょっと月村さんとは思えない、や~なキャラで読んでいてムカムカしてきた。喫茶店兄は今は教師、和菓子屋兄は大学生だが、和菓子屋が高校の時、喫茶店がれ×ぷしている。横暴で野蛮で酷いやつなんである。それなのに教師。和菓子屋はそれをずっとうらみに思っているのに、それが恋だと無理やり喫茶店兄に思い込まされる。なんか私には犯罪にしか思えなくて、こういう強引手法が成功する確率は限りなく少ないのではないかな。

書き下ろしのショートは書名とのことば遊びが楽しい。「おとなり」→「おとまり」→「おねだり」。ちゃんと恋の成就の過程をあらわしているような(笑)。私だったら、喫茶店兄弟は、どっちも「おだまり!」だな。

ところで、おとなしくてまじめ(兄)、秀才で完璧(弟)な和菓子屋兄弟が、どっちもろくでもない喫茶店兄弟に彫れちゃうのは、クラシックのアーティストにプロレスやボクシングのファンが多いのと似ている気がする。自分は到底成り得ない正反対のものに憧れる気持ち。でも遠くから憧れるのと、実際につきあうのとでは違うと思うぞ。





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Last updated  2011.04.21 07:33:05
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