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ドメスティックバイオレンスって?
薬物やアルコールで、普段はいい人が暴力的になるとも言われます。それも、その人の一部なのだと私は思います。人間は、表裏のあるものだから、元々持っている抑圧された裏の部分が出てしまったのでしょう。暴力は手を上げることに限らず、言葉の暴力も入ります。
ひどい暴力を受けながら、妻が離婚しない(恋人同士でも同様、別れない)というのをよく聞きますが、なぜなのでしょう。
これは、共依存の関係だといえます。共依存とは人が人に対して依存することで、支配と支配される関係から生まれるといいます。女の人は暴力を受けるのですが、その後、また相手の男の人から優しくされ、でもそれが長く続くわけでもなく、また張り詰めた空気が流れ、また暴力といったサイクルパターン(繰り返し)にはまり込んでしまいます。そのため、暴力を受けようが、また相手の男性が優しくなるのを待ってしまうのです。そして口癖は、「あの人、でも、いいところ(優しいところ)もあるのよ」「あの人には私しかいないのよ」といった具合です。愛想をつかして出て行くなんて出来なく、一緒にいる意味を見つけようとするのです。このサイクルパターンに気が付かねばなりません。このサイクルパターンによって生かされてしまっているのです。彼女は、自分が自分であるために、自分の存在を、彼女を必要としてくれる存在によって、またその相手に献身的であることによって保とうとしているのです。
しかし、満たされた思いにはなれません。そして、家庭しか(いまの場でしか)自分を必要としないと思い込み、社会からの孤立を恐れ、悪い環境から抜け出せないのです。自分を大切にして欲しい、自分をしっかり持って欲しいと私は思います。あなたは彼の母親ではないのですから。自分というのは、自分自身の自己認識と、他者からの認識のされかたから形成されていますが、それは自分がいる場によっても変わってくるのですから。
お互いがADである場合も多いと思います。パターンサイクルにはまって、相手主導になっているわけですが、片方が癒しに気づいて、このサークルから抜けることで共依存から脱出可能なわけです。
一般的に、DVを行う男性はAC(アダルトチルドレン)の傾向を強く持っているのだそうです。コミュニケーションがうまく取れない未成熟な男性が多いようです。暴力(言葉の暴力も)の連鎖は親から続いている場合が多いので、生育上の連鎖に気づかせ、個人の内面に焦点を当てることも大切だといいます。カウンセリングでは、遊戯療法、箱庭療法(発散と気づき)、ゲシュタルト療法(豊かな感性と間)が使われるとあります。それにより、自分が認められること、受け容れられること、存在価値を確認させていくわけです。DVの男性は、不安の防御が攻撃性となって現れているのですが、本当は彼らはデリケートなのです。
私も、勉強をしながら、このパターンにはまっていたことに気づきました。というか、気づいていたのに、知らない振りをしていたのかもしれません。私の場合は結婚してたわけではないのですが、一緒に何年か暮らしていました。私も彼も、ただ、普通の幸せな家庭(ってどんなのかよくわからないけど)が欲しかっただけなのです。でも暮らしていくうちに、なんとなくあっちが上で私が下の関係になっていきました。けんかが頻繁になりました。実際に殴られたりはなかったけど、ものが飛んできたり、言葉でいろいろ言われたり、逆に何も答えてくれなくなったりと、もう立ち直れないと何度思ったかしれません。その度にもうだめだと思うのに、優しくなる彼を待ち、本当はこんな人じゃないと思い、あんな楽しいこともあったと自分を慰め、しまいには全部何もしてあげられない私のせいだ、と思う始末でした。
私は、普段、控えめで優しく、献身的な女性と見られ、周りから大切にされる方です。周りは心配して別れた方がと言ってくれるのですが、実際、狭い空間の中に2人でずっと居ると、自分の感覚も麻痺してしまって、何が正しいか分からなくなってしまうものです。結婚が前提の彼だったから、余計離れられなかったのかもしれません。結婚ということに私は縛られていたのです。子供が出来てしまえば治るかなと考えたこともありました。でも、それは逃げですね。最後(別れる頃)のほうは、最悪な状態になると、私は泣きながら謝り、それでもなかなか優しい彼に戻らないと、荷物を詰め、日本に帰る振りをしたり、もっといくと、窓から飛び降りるまねをしたりしました。
今思うと、本当に共依存だったし、2人ともACだったんだなと思います。私はもう戻りません。というか、今戻ったとしたら、またあのパターンにはまると思います。私にとって家族でしたから、心が残ってないわけではありません、でも、もう愛でもないと思います。戻ることが優しさだと思っていた時もあるのですが、それは違うのだと思います。2人でいたら、2人とも駄目になってしまうでしょうし、離れてお互いがやっと別の自分自身の道を歩けるようになったのですから。
上記の文を書いて、何ヶ月か経ちます。読み直してみると、まだまだ抜けきれていなかった「私」の姿があると思います。あの当時、私は彼は私がいないと駄目になってしまうと本気で思っていました。これは愛情という名の支配なのだそうです。ACに関する本を読んでいると、自分がモデルに書かれているのではないかと言うほど当てはまっていてたまに怖くなります。私と彼のような場合、「他人の人生を自分が丸々支配できると言う、この上もない快感に満ちている状態なのです。自分の幸福を求めるのではなく、自分がいないと生きていけないような、もしくは生きていけなくなりそうな異性を探し、その異性の人生を支配する快感で生きるのです。(愛情と言う名の支配 信田さよ子著)」こう言われてしまうと、私は親切(?)、情(?)で一緒にいたと思っていたわけですから、ショックを受けますが、確かにこの通りだと今となっては思うのです。これは母と子の関係にも『愛情』という名のもと起こりうることだと思います。私は私と母との関係を見直していく中で、彼との関係のことも見直せたのです。
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