ごはんぢから ~武蔵野婦人の厨房から

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2009年01月19日
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カテゴリ: 旅の食卓から
モロッコのごはんのことを何も書かないまま年を越してしまいました。

混沌として刺激と喧騒と祈りと静謐さと、その他、もう何がなんだかわからない雑多な思いが入り乱れる場所モロッコという場所の記憶は
少々時間を置かないと文字にできなかった。。。。という面もあるように思います。

ぼちぼち、モロッコのごはんの思い出を書いていきたいと思います。




とはいえ、モロッコのごはんってさ。
さほど多様でもないのですよ。
なんたって、周りは砂漠です。
水もなけりゃ、物資がそうそう豊かというわけでもありません。



つまり、お酒が飲めず、豚肉が食べられない文化圏なのです。
魚介類も食べる習慣はありません(一部港町を除く)。
そんな中で培ってきた、素朴で滋味に富んだ料理たち。
意外とシンプルです。
すごくおいしいのですが、でもいかんせん、飽きます>笑

出てくるのはたいてい、
マトン、鶏肉、牛肉。この繰り返し。
あとは蒸したり煮た野菜。
オレンジ。ミントティー。
モロッコパンとクスクス。
このリピートです。


アルコールなしで食べることを前提にしている料理は
お肉の塊が出てきても、あっさりしています。


そんなモロッコ料理に飽きちゃったから、じゃあ今日はイタリアンとか
カレーとか中華とか。
そんなものにするかねえ。。。。。。。。


そんなレストランは町にはほとんどありません。
仕方なく観光客のいるホテルの中にあるレストランで、インド料理にありついてみたり
ビールを飲んでみたりするわけです。



世界を旅していると思うんです。
日本の食文化の多様さは、おそらく世界一だろう、と。
毎日の献立に悩んでいる主婦は日本にたくさんいると思いますが
そんなことにこれほど悩んでいる主婦は世界には少ない。
同じものをつくり、同じものを食べ
淡々と生きて、でもその中に食べるシアワセを感じている人はいっぱいいる。
そういう繰り返しの食卓の中には、その土地に根付いた食の知恵が
たくさん詰まっていて、その一皿は例外なくおいしいです。

そんな体験を繰り返していると
なんだ
ごはんはシンプルでいいのじゃ。
日本人にはやっぱり、白いごはんとみそ汁じゃねえ。。。。。。
なんて思うのでした。
(で、ふだんの食事はどんどんシンプルになっていくのでありました>あはは)




なんていう前置きでしたが
今回の旅で、一番シンプルだけど、一番モロッコらしくておいしかったデザートをひとつ。
こちらはマラケシュにて。

R0011959.jpg

古いモロッコ風の建物をそのままレストランにした場所なので
窓からの光を頼りに撮影してて、ちょっと見えにくくなっちゃいましたが
定番のオレンジのデザート。
どこにでもあります。

ただ、オレンジを輪切りにして、お砂糖とシナモンをかけただけ。
たった、それだけ。


でも、これはこの場所でモロッコの料理と一緒に食べると、すっごくおいしいです。
日本で同じことして食べても、こんなにおいしくはない。
なんでか、っていうと
そりゃやっぱり、オレンジがすぐそこで採れているからなんだと思います。


0810280134.JPG

砂漠の砂のように見える乾いた土地は、実はとても肥沃で
果実やオリーブなどの実を豊かにみのらせます。
マラケシュの中心になる、ジャマル・エル・フナ広場には、このオレンジを
山積みにして、その場で絞ってオレンジジュースにしてくれる屋台が
何軒も何軒も軒を連ねている。
1杯20円ぐらいのオレンジジュースは、早朝、出勤前の現地の人たちの
朝ごはんになったりもします。

0810280111.JPG

夜明け直後の、ジャマル・エル・フナ広場に浮き上がるオレンジの色が
本当に絵画のようにきれいでした。



その土地に自然とはぐくまれ、その土地の人を生かしているものは
間違いなくおいしいです。
だから、おさとうとシナモンをかけただけのデザートが
普通においしい。

輸入のフロリダオレンジをスーパーで買ってきて輪切りにしても
同じ味にならないのは、もう仕方ないことで
だからこそ、旅の食卓の味覚は意味を持つのだと思います。



とはいえ、スーパーのフロリダオレンジで作っても
十分においしいこのオレンジのデザート。
たまには家で作るのも、目先が変わっていいかもしれません。
(モロッコではご法度ですが>笑
 日本で作るなら最後にコアントローなんかをたらりとかけると、ばかうまです)









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Last updated  2009年01月19日 09時12分51秒
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