元普通のサラリーマン11年。青年起業家の挑戦と心がけ

元普通のサラリーマン11年。青年起業家の挑戦と心がけ

2003.10.10
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□今回は、『7つの習慣』の著者のスティーブン・R・コヴィーのインタビュー記事をお送りいたします。

 □良好は最良の敵
                  ― スティーブン・R・コヴィー

   昔、サバイバル・キャンプのアシスタントをしていた頃、生徒たちを率
  いてオーバーナイトのハイキングにでかけたことがありました。途中、私
  たちは各に突き当たり、ロープを手繰って川を渡らなければならなくなり
  ました。みな疲れて消耗し、脱水状態になっていました。私たちは丸一日、
  飲まず食わずでしたが、幅40フィートの恐ろしい川を渡れば、朝食にあ

   リーダーのひとりだった私が、先頭に立つことになりました。私は覚悟
  を決め、少し傲慢とさえ思える態度で渡り始めました。ロープをゆすり、
  派手なところを見せたのです。けれど、半分ほど行ったところで、私はカ
  尽きてしまいました。
   私は、意志の力をかき集めたり、無事に渡りきって朝食を食べている自       
分を思い描いたりと、知っている限りのテクニックをつくしたのですが、
  結局、川の真ん中で落ちてしまいました。
   私は命綱にぶら下がって、渦巻く川に翻弄されたのです。生徒たちはこ
  れを見て大喜びしました。「おごれる者久しからず」というわけです。し
  かし結局のところ、彼らのほとんどが、同じ経験をしたのです。無事渡り
  きったのは、ごくわずかでした。

   人間的な成長を遂げるには、身体的な強さに加え、謙遜、そして信念が
  必要になることが多いものです。このような美徳なしには、新しい教訓や
  経験に対して開かれていることはありえません。それはひとつには、私た
  ちが弱みを見せたがらないからなのです。
   私は、サバイバル・プログラムで初めて反発を感じたときのことを覚え

  していました。けれど私も、生徒たちと同じ体験をしなければなりません
  でした。崖の上に立ち、絶壁を背面から飛び降りる順番が来たときのこと
  を、私は決して忘れないでしょう。私は、他のインストラクターたちが飛
  び降りるのを、目の前で見ていました。安全策は万全だし、万一気を失っ
  ても、安全ロープが受け止めてくれるから大丈夫、と信じ込まされてもい
  ました。しかし、何と言われようと、どうしても安心できなかったのです。
  私はそれでも不安で、恐ろしく、自分を弱々しく感じていました。
   一言でもしゃべれば、叫び出してしまいそうで、一言も発しはしません
  でした。しかし私は、後ろ向きに落ちていきながら心と頭をよぎつた感覚
  を決して忘れることはないでしょう。
   こういった感覚は、他人との相互依存を通じて相乗作用を得ようとする
  ときに感じる感覚に似ていると言えるかもしれません。全く傷つきやすく、
  叫び出したい気分です。あなたは、プロセス、原則、そして人に信頼を預
  けようとしています。結果がどうなるかは分かりません。
  本当に、危うい状況なのです。

   私は経験上、社会的、経済的な安定を数年間にわたって得た後に自分自
  身を危険にさらすのがどんなに難しいことかを知っています。数年前、私
  は主要大学で得ていた地位を捨て、もっと幅広い貢献をしようと決意しま
  した。大学には20年以上勤め、非常に快適な環境でした。
   私は、最上級管理者の地位を含め、いくつかの役割を果たしていました。
  柔軟性と自由のたっぷりある、非常に快適なライフスタイルを楽しんでい
  たのです。しかも私は、自分の仕事むこの上なく愛していました。私は少
  人数の大学院クラスを受け持ち、大人数の大学生クラスも持っていました。
  多くの学生たちの人生に、多大な好影響を与えていると自負していたので
  す。
   しかし私は、エグゼクティブのトレーニングに新しい方法を編み出す必
  要性を痛感し、そのためにはフルタイムでかからなければならないと考え
  ました。私は、「良好は最良の敵」であるという問題と格闘しました。そ
  してついに、「7つの習慣」と「原則を中心としたリーダーシップ」を、
  できる限り多くの人々に広めるべく、前進する決意を固めたのです。経済
  的にもやっていける、家族を食べさせていけるという自信はあったのです
  が、それでもまだ多くの未知数があったし、後ろ髪を引かれるような心の
  痛みもありました。

   1年も経たないうちに、貢献の度合い、満足感、そしてチャレンジする
  際に特有の興奮は手応え十分なものとなり、私は、もっと早く決断すれば
  よかったと後悔しました。そこで再び思い浮かんだのが、良好に惑わされ
  ず、最良に向かって進め、という言葉だったのです。あなたにしかできな
  い貢献を表現できるものを目指すのです。まるで矛盾するように聞こえる
  かもしれませんが、快適領域から離れることを快適に、そこにとどまるこ
  とが不快になるようにするのです。
   成長の過程の一段一段に、これと同じ試練が待っています。既知の良好
  にとどまるのか、それとも未知の最良を求めるのか。そして、一段ごとに、
  多くの痛みが襲ってきます。ある時私は、ある街でタクシーに乗ってホテ
  ルに向かっていました。事の中で私は、冷や汗をたっぶりかいていました。
  なぜならその少し前、私は多額の金を失い、長年かけて貯めた全財産を危
  険にさらして新しいローンを組んでいたからです。私はまた、私に頼って
  いた人々をも危険にさらし、ビジネスを含め、すべてを失う可能性もあり
  ました。私は全くもろく、危うい状況でした。家族、そして将来までもが
  危険にさらされていました。私は自分の弱さを感じ、丸裸になったような
  気分でした。

   大きな変化と成長のたびに、私たちは、これまでやってきた快適な方法
  から離れる不安と恐れを経験します。危険にさらされるものが多すぎるよ
  うに感じるのです。私たちは、信条、そして人間をもっと信頼したほうが
  いいのです。
   いずれの場合にも、私は快適領域を去らなければなりませんでした。あ
  る意味で、私は崖から臭っ逆さまに落ちなければならなかったわけで、安
  全ロープやネットがあるということはわかっていても、感情的なもろさは
  消しきれなかったのです。しかし、どんな時でも、恐れは根拠のないもの
  であり、危険は冒してみる価値のあるものなのです。
   今までのところ、少なくとも私にとっての最大のチャレンジは、専門の
  分野、仕事、会社、友人、あるいは財産以上に家族を大切にするというこ
  とです。私は、人生における他のすべての義務や責任を果たしても、家族
  をないがしろにしては、沈みゆくタイタニックの上でデッキチェアを揃え
  るようなものだと心から信じています。家族こそは、個人、そして社会に
  とって、感情的、知的、精神的、倫理的、社会的、そして経済的な未来を
  形成する際のカギを握る単位なのです。

  これらすべてのことにおいて、私は、妻を含め、多くの人々から助言を受
  け、それに対してオープンであることの必要性を感じています。たとえそ
  れが、私自身の願望や計画と対立するものであっても、です。私は、謙遜
  はあらゆる美徳の母であり、法ではなく代理人として自らに摸するならば、
  他の良きものもすべて手に入るということを学んできました。
   私は、地位、権力、権限、あるいは所有権から力を借りないことの重要
  性を学びました。私は、原則に従い、これを道づれにしなければならない
  ということを知っています。そうすれば、物事はたいていうまくいきます。
  そして、たとえうまくいかなくても、私は心安らかでいられるのです。






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Last updated  2005.07.25 23:01:47
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