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鉛筆の芯に使われている黒鉛と、宝石のダイアモンドは、同じ元素からできている。

一方は安くやわらかく黒く、もう片方は高価で最高硬度でキラキラと輝いている。

材料が同じなのに産物が違う。
人間で言うなら、素質は同じなのに発揮できる力が違う。
その違いが生じる原因は、置かれた環境の違いである。

地表近くに存在している炭素原子は、
さほど周りからの圧力がないところで他の炭素原子と結びつくので、
非常にゆるい結合の仕方をする。


逆に、地底奥深くに存在している炭素原子は、
周りからものすごい圧力を受けて他の炭素原子を結びつくので、
非常に強い結合の仕方をする。
そうしてできたダイアモンドは、最高硬度を誇ると言われ、工業で重宝されている。

同じ素質を持って生まれてきても、置かれた環境によって黒鉛にもダイアモンドにもなる。
きっとこれは、人間にも言える。

そして、ダイアモンドになれる人は、それ相応の「周りからの圧力」を受けて、それに乗り越えてきてるんだ。

社会的・人種的差別、精神的疾患、身体的障害、戦時中の生活、貧困、様々な人的トラブル・・・。
そういう状況に耐え抜いてきた人たちが残した小説や手記に託されたメッセージは、
それこそダイアモンドのように強い輝きを放っている。

ただ・・・。



それが輝き、人々に愛され、その価値を評価されるのは、あくまでダイアモンドが日の目を見たとき。

日の目を見れずに、地中の奥深くで、周りからの圧力にもまれながら消えていったダイアモンドもきっとたくさんある。





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最終更新日  2005年08月14日 16時55分40秒
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