わくわく着物~着物の愉しみ~ 臥竜亭へようこそ!

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着物-キ



◆「きものクリニック 手入れと保存・管理」監修・木村孝(きむら・こう)◆
◇婦人画報社刊/平成7年5月発行(当時1457円+税)◇


  脱いだ洋服、特にスーツ類、どうやってお手入れをなさっていますか? 近頃はお洒落着洗い用洗剤もいろいろ出ているので、「おうちで手(とか洗濯機)洗い!」という方も多いかな。でも、クリーニング屋さんに出す、というのが一般的ではないでしょうか。「お願いします」といって渡してお終いですね。
 着物は、洗える着物は別にして、おうちで洗うのは、よほどの知識と経験がある方じゃないと無理(昔はうちでやるのが普通だったんですよ)。一般的には、呉服屋さんや悉皆屋さんにお願いすることになります。まぁ、ここまでは洋服と同じですよね。
 違うのは、一口に「着物を洗う」といっても、洗い方に種類があることです。「丸洗い」と「洗い張り」があり、「丸洗い」というのは、着物の形のまま洗ってもらうことで、初期の汚れはこれでOK。「洗い張り」は、着物をほどいて反物の形に戻し、洗ってもらうことです。数回丸洗いを繰り返し、それでもちょっとくたびれた感じがしたらこちらです。丸洗いに比べると手間がかかる分、ほどき料や着物の仕立て代がかかりますが、新品のようにきれいになるそうです(私もした事がないの)。
 この他、着物は(普通は)自分ではできない、色々な手入れや加工が必要になる場合があります。シミやカビ、縮み、たばこの焼けこげ…。汚したりした時だけでなく、どなたかにいただいた着物が、サイズが合わなかったり、色柄がちょっと好みでなかったり…。よっぽどの事がない限り、着物は手入れで再生可能です。でも一体どんなことができるのか、見当がつかなかったり、知識としては知っていても、具体的には分からなかったりします。だって今の時代、私たちに着物はそこまで身近じゃないですもん。仕方のないことです。
 で、この本。写真を多用し、「なぜこういう事になるのか」「それを防ぐにはどうしたらいいのか」「なってしまったらどうすればいいのか」を一問一答式で書いてあります。そこここにヒント満載で、「言われればそうだけど、痛い目に遭うまで気がつかない」事を教えてくれる親切さです。けっこうな文字量ですが、勉強だと思って読んでみてね(^^)。
 巻頭から約20ページに及ぶ、カラー写真での加工の具体例は、『おお、こういう事かー!』と理解しやすいです。ついやってみたくなります。もちろんお金もかかることだし、手間がかかるので呉服屋さんはいやがる所もありますが、何もかも呉服屋さんまかせより、自分も考えることで、オーダーメイドの楽しみが味わえますよ。


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