昔は簡単な練り込みパイしか作れないものと思っていたので、本格的なパイを少しでも手作りでと欲を出すと冷凍に頼る意外にはありませんでした。その冷凍パイシートなるお手軽素材ですが、とにかく脂臭くて食べないほうがましと言うほどの代物。何種類か買って試してみましたが、どれも最後まで使い切れずに捨てた覚えがあります。
それが、最近の冷凍パイシートはなかなか。メーカーによって形や風味が微妙に違ってはいるものの、どれもそこそこのおいしさで手軽に使えるのでとても重宝しています。折り込みパイにもそろそろ挑戦しようかとは思っていますが、思い立った時にすぐに使えると言うのは大きな魅力です。
室温にもよりますが、冷凍庫から出して30分ほどで麺棒をかけられるようになると思います。シートの厚さや季節などによっても変わってくると思いますので、それをいちおうの目安として他の準備をします。
あまり室温が高いと、解凍している間に水滴が表面につく事があります。私はパンマットの上に乗せて解凍していますが、布地が適当に水分を吸ってくれるのでこね台などよりは比較的扱いが楽だと思います。
解凍してそのまま使うより、麺棒をかけたほうが状態が安定するようです。触ってみて、ひんやりしていても凍った感じが取れているようなら麺棒をかけても大丈夫。表面にごく少量の強力粉を振りかけてから優しく麺棒を当てます。何度か裏返しながら作業すると均一の状態になるようです。
解答して麺棒をかけたら、パイ皿やタルトレット型に敷き込んで焼き、好みのクリームやフルーツなどを詰めていただきます。から焼きする時は、生地が持ち上がらないように空気穴をあけるか重石を使います。
型がなくても大丈夫。大きいまま天板に乗せ、りんごなどの煮たフルーツを乗せて上から別の1枚をかぶせて抑えます。フォークで空気穴をあけてオーブンで焼きます。パイ生地をくっつける時は、水か卵白をのり代わりに塗ります。
小さなココット皿やスフレカップにスイートポテトやシチューなどを入れ、伸ばしたパイ生地をかぶせて焼きます。バター風味のパイ生地と相性のいいものを選んでくださいね。
下の写真は、桜あんを包んで焼いたもの。小さいほうは、伸ばしたパイ生地をクロワッサンのように三角に切り取って桜あんを乗せてくるくる巻いて焼きました。大きいほうは、解凍してから少し薄く伸ばし、中心3分の1の部分にあんを乗せて三つ折りにしたもの。閉じ目を下にしたのに、空気穴をあけなかったせいか変に膨れてしまいました。恐ろしく不細工ですが、味は最高。冷めても熱々でもおいしい!
