基本の卵生地

基本の卵生地

 卵の入った風味のいいパン生地。小さく丸めてテーブルロールにするほか、ナッツや金時豆、ドライフルーツを混ぜ込んで焼いたり、あんやクリーム、ジャムを包んでおなじみの菓子パンにも。




 <材料> 12個分

強力粉 280g


砂糖 大さじ2


塩 4g


スキムミルク 大さじ1


バター 15g


卵 1個


水 卵と合わせて170cc


生イースト 5g



 <作り方>

①パンケースに材料を全部入れ、生地作りコースをスタートさせます。


ケースに入れる順番は、塩とバター、次いで砂糖、スキムミルク、卵、そして粉、最後に生イーストを溶解した水、というのがいいでしょう。これはイーストと、イーストの発酵を妨げる塩とバターとを遠ざけたものです。他のHBで、水を粉の前にケースに入れるように指定してあるものは、溶解水と共に砂糖や卵などを先に入れて粉を加え、その上に塩とバターを乗せるといいと思います。
卵と水の扱いですが、まず計量カップに卵を割り入れ、水を足して計量します。そこからスプーンで卵だけ取り出してケースに入れ、残りの水にイーストを溶かします。この時の水分量についても《基本の食パン生地》を参照して、環境の変化に合わせるようにします。

②1次発酵終了のブザーが鳴ったら、ケースから生地を取り出します。


こねが終わったら、蓋を開けて生地の量をチェックしておきます。発酵が終了する頃には2倍ほどになっています。ただし、夏場の気温の高い時期や、冬場での強い暖房のせいなどでも発酵が進みすぎることがあります。ブザーだけに頼ると過発酵のパンになってしまう事もありますのでご注意を。
ケースをのぞいて生地が倍になっているようだったら、フィンガーチェックをします。ひとつまみの強力粉を生地の上に振りかけ、粉をつけた人差し指をそっと生地に差し込みます。大1関節くらいまで入れて3~5秒ほどで抜き、穴が縮んで戻るようなら発酵不足。そのまま発酵を続けます。穴がそのまま残っていたら発酵終了ですので、スイッチを切ってケースを取り出します。

③ケースから生地を取り出し、分割します。


軽く打ち粉を振ったパンマットの上に、ケースを逆さまにして生地を取り出します。《基本の食パン生地》よりもやや硬めで扱いやすいので打ち粉は少しですみますが、もしくっつくようなら指でパンマットに付いた生地をこすり落としてから打ち粉をします。
生地を優しく転がしながら細長くし、ナイフやスケッパーで12個に切り分けます。まず2等分にし、それぞれを更に2等分、更にそれぞれを3等分にすると比較的大きさがそろいやすくなります。

④丸めてベンチタイムをとります。


切り分けた生地は、それぞれ切り口を包み隠すようにして丸めます。切り口はベタついて扱いにくいので、パンマットの上で手早く転がしてから作業をします。丸め方は、切り口を隠すように生地を寄せ集め、集めたところを指先でしっかりとつまんで閉じます。
閉じ目を下にしてパンマットの上に並べ、マットを折り返してかぶせます。上に硬く絞った濡れ布巾をかぶせ、5分ほどそのまま置きます(ベンチタイム)。ベンチタイムが終わると生地は少しゆるんで膨らんでいるので、生地の間隔は少しあけておきます。

⑤丸く成形して2次発酵させます。


ベンチタイムを終えた生地を、手のひらで優しく押しつぶすようにしてガスを抜きます。中に空気を包み込むような気持ちで生地の端を中央に集め、しっかりと指でつまんで閉じます。閉じ目を下にして左の手のひらに乗せ、右の手のひらで包み込むようにして丸く形を整えます。
薄く油を塗るかオーブン用ペーパーを敷いた天板に生地を並べ、オーブン内で2次発酵させます。オーブンの中に熱湯を入れた容器を入れるなどして湿度と温度を保ちます。
私は、ターンテーブルに水を入れてレンジで熱湯を沸かし、生地を乗せた天板を上段に入れて発酵させています。オーブンにも発酵機能はついているのですが、ファンが回ってしまうので使えません。生地が乾燥すると伸びが悪くなるので、風を当てないようにしたいものです。

⑥オーブンを200度に予熱します。


2時発酵で生地が倍になったら即焼けるといいのですが、オーブンが2台あるのでもなければ、1度生地を取り出してオーブンを予熱しなければなりません。温かくて湿ったオーブン内から乾いた涼しい室温に出すと、生地の発酵が止まったり、焼いてもうまく膨らまなかったりします。小さな台所で湿度や温度がそれなりに保たれる環境ならばそのまま予熱を待っても大丈夫ですね。
ここ札幌では、特に冬場の暖房のおかげで乾燥がひどいので、上記のターンテーブルの上に天板を置いて足の長い金網を乗せ、上から大きなビニール袋で覆って予熱を待つのが私の習慣になっています。夏場なら、部屋を閉め切っていればパンにはもってこいの環境になります(人間は倒れそうですが)。

⑦180度で13~15分焼きます。


予熱が完了して生地が2倍になったら焼きに入ります。予熱の時間も考えて、オーブン内での発酵は8割程度で抑えておきます。生地を室温に出した時に、条件によってはその後の発酵は遅くなる事もありますので、いろいろと調節してみてください。
天板全体に軽く霧を吹いてオーブンの上段に入れ、蓋を閉めたらすぐに180度に下げて13~15分焼きます。表面にいい色がついたらひとつ取り出し、パンの底を指先でたたいてみます。ポンポンと軽い音がしたら焼き上がり。ケーキクーラーなどの金網に乗せて冷まします。

 ドライイーストをお使いの場合は、ナショナルでは2.8g、それ以外では取説に従って量を加減してください。また、ふわふわとやわらかい生地がお好きな方はイーストを多めに、粉をかみしめて食べたい方は少なめにするといいと思います。


 生イーストのレシピをドライイーストで作る場合は、水の量も少し増やします。ただ、あまり多すぎると成形が難しくなるので、はじめは少なめで試してみる事をお勧めします。成形の時は、粉の種類にもよるかもしれませんが、ドライイーストで作るほうが扱いやすいかもしれません。生イースト生地はややベタつき気味かも。


 生地が扱いにくいからと言って打ち粉を多くしすぎると、硬いパンになることがあります。どうしてもベタついてしまう時は、まずきれいに手を洗ってくっついた生地を落とし、乾いた手のひらにバターなり油脂を薄く塗ってから成形します。



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