クイニー・アマン

クイニー・アマン

 初めてクイニー・アマンを食べた時、そのあまりの甘さに驚かされました。本来は有塩バターをたっぷり使って作られるものなので、くどいのが当たり前なのでしょう。本場の味をぜひにと言われるのなら別ですが、砂糖もバターも塩もグッと減らした、手作りならではのクイニー・アマンはいかがですか?焼き立てをバリバリッとかじると、豊かなバターの風味が口中にジュワッ。甘すぎないので、つい2個目に手が出てしまいます。バレンタインを意識して、ハート型で作ってみました。




 <材料> ハートのマフィン型9個分
強力粉 150g
薄力粉 110g
砂糖 小さじ2分の1
塩小さじ2分の1
スキムミルク 大さじ1
水 190cc
生イースト 大さじ1弱
  折り込み用
バター 100g
グラニュー糖 50g
  仕上げ用
グラニュー糖 適宜

 <作り方>

①ボールに材料を入れて混ぜます。


まずぬるま湯を入れてイーストを溶かし、砂糖も加えます。次にスキムミルクを加え、粉の半量を加えてざっと混ぜます。残りの粉も合わせ、塩を振り入れて混ぜ合わせます。

②なめらかになるまでこねます。


ボールの中で粉と水分が平均になじむように混ぜ合わせます。だんだんまとまってきますので、生地を折りたたむようにしてこね合わせます。表面がなめらかになって伸びがよくなれば十分。よくこねる必要はありません。

③涼しい所で1次発酵させます。


丸くまとめてボールにラップをかけ、涼しい所に30分ほど置きます。夏場なら冷蔵庫に。

④バターの準備をします。


バターはなるべく塊のまま使います。室温が高ければ生地が発酵に入ってからバターを計量し、そのまま30分ほど室温に置いておきます。生地に折り込む時、指で押してすぐにつぶれるくらいになっているのが理想。

⑤生地をのばしてバターを包みます。


生イーストは発酵力がとても強いので、冷蔵庫でもちゃんと膨らみます。今回は暖房のない部屋で発酵させましたが、約1.5倍になっていました。打ち粉をしたパンマットにその生地を取り出し、《お茶の時間のコーヒーロール》を参照しながら正方形にのばします。やわらかくなったバターを手のひらでつぶしてほぼ正方形に押しのばし、パン生地の中央に乗せます。この時バターはパン生地の半分の大きさにし、パン生地に対して45度回転させて置きます。この状態でパン生地の四つ角を中心に向かって折りたたみ、バターを包むようにして生地同士をしっかりとつまんでくっつけます。

⑥三つ折りを2回繰り返して冷蔵庫で休ませます。


バターを包んだら麺棒でのばしていきますが、ゴロゴロと転がすより上から押し付けながらのばしていくほうがうまくいくようです。バターと生地がなじむ前に乱暴に扱うと、生地が破れる原因にもなります。1度破れてしまうとそこからバターが出てくるので、後々面倒です。慌てずていねいに少しずつのばし、適当な大きさになったら三つ折りにします。これをもう1度繰り返したら三つ折りにしたままラップをかぶせ、冷蔵庫で扱いやすくなるまで冷やします。

⑦グラニュー糖を3回に分けて折り込みます。


この生地は冷えても膨らみ続けるので、長く置いておくと過発酵になってしまいます。生地がひんやりしたら、すぐに取り出して次の作業に入りましょう。三つ折りを2回終えた生地を適当な大きさにのばし、グラニュー糖の3分の1量を全体に振ります。これを三つ折りにしてのばし、更に3分の1量を振って三つ折りにします。このままラップをかけ、冷蔵庫で冷やします。

⑧薄くのばしてグラニュー糖を振り、ハート形にします。


冷えた生地を取り出し、出来るだけ薄く四角に伸ばします。残りのグラニュー糖を全体に振り、左右の両端から中心に向かってくるくると巻きます。これを9等分に輪切りにすると、ハートの断面になります。普通の丸型にする場合は、片方の端からくるくる巻くだけでOK。

⑨型に入れて2次発酵させます。


生地がだれているようなら、切り分ける前に冷蔵庫に入れておきます。型には薄くバターを塗り、仕上げ用のグラニュー糖をまぶしつけておきます。切り分けた生地を型に入れ、上からもグラニュー糖を振りかけます。

⑩180度で15分、200度に上げて10分ほど焼きます。


作業が手早く終わっていれば少し発酵させてから焼成に入りますが、慣れないうちは過発酵になりやすいのですぐにオーブン予熱に入っていいと思います。型に入れてからふっくらしているようなら、すぐにオーブンを200度に予熱します。その間、表面が乾燥しないようにビニールなどをふんわりかけておきます。予熱が完了したら軽く霧を吹いてオーブンに入れ、すぐに180度に下げて15分、200度に上げて更に10分ほど焼きます。

 9個取りのマフィン天板では、実は少し小さすぎました。9等分した生地を入れるとちょうどぴったりなので、これでは2次発酵と焼成時の膨らみで形がくずれるのは必至。ところが、焼きあがってみるとうまい具合にハート形を保っています。裏を返すと、ダブルでハート模様が…。


 最後に生地を薄くのばす時、切り分けたい個数や大きさによって縦横の長さを調節します。大きなものを4個…などという場合には、横長の長方形にのばして短い辺から巻いて4等分します。長い辺から巻くと小さなものがたくさん出来るわけですが、縦横の差があまり大きい場合には層が少なくなってしまいます。


 生イーストの生地は冷やしてもどんどん発酵を続けるので、バターを折り込むタイプのパンに向いています。成形で時間をかけたと思ったら、2次発酵なしで焼いてみるのが無難かも。


 焼き立てが少し冷めて、まだ少しぬくもりの残っている時が食べ頃。完全に冷めてしまっても、オーブントースターで焼くとまたバリバリの歯応えが楽しめます。



クイニーアマン

 ◎2003年1月26日製作

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