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2011/01/08
ストレッチとウォーミングアップの小話
カテゴリ:
雑記
この記事は数年前に作成したものをサルベージして編集したものです。
参考にした記事の内容は記憶を基にしたものです。
文中の会話は要点を抽出したものです。
Aさん
「先生。先生はトレーニングの前にストレッチするの?」
私
「まあ、する時とせん時がありますね。」
Aさん
「先生知らんのやな。トレーニング前にはストレッチしたらあかんのやに?」
私
「ストレッチがダメっていうのは初耳ですね。どうしてですか?」
Aさん
「ストレッチをするとな、力が出やんようになって怪我するんやて。先生と同じ加圧の先生が言うとった。」
私
Aさん
「え?」
私
「肩も硬いですよね。」
「まあ・・・はい。」
私
「じゃあ、最初にストレッチしましょうよ。」
この後もろもろ説明し、おそらく納得していただいたのですが、果たして何が問題でこのような会話になってしまったのかなあと考えてみると・・・。
どうしてストレッチがダメなのかというより、どんなストレッチがダメなのか。
この点の理解がなされていなかったことなんですね。
Aさんの言う『加圧の先生』がきちんと説明していただかなかったのか、あるいはAさんが説明を受けていたことを消化しきれていなかったのか。
失礼ながら最初は後者だと思いながらお話していたのですが、そのうちにどうも前者・後者双方に原因があることが分かってきました。
それはAさんの情報源がインターネットであったことが大きな要因にもなっています。
『言っていた』とのことですから、てっきり直接聞いたのだと思っていましたが、実際はホームページだかブログだかに、
『フィットネスクラブで怪我の予防の為にとトレーニング前にストレッチをさせるのは、そこのトレーナーが勉強をしていない証拠だ』
という旨の記事が掲載されていたのをご覧になって、その部分だけが頭に残ってしまったみたいなのです。
Aさんがおっしゃるには、その『加圧の先生』は実際にフィットネスクラブに出向いて指導の実態を目の当たりにして、その場では言わずにアンケート用紙に『勉強しろ』と苦情を書いたそうです。
その場で言うと角が立つので後からアンケートで苦情をというのは、フィットネスクラブのこれからのことを考えると非常にすばらしい手段だったと思います。
さすがに『勉強しろ』だけでは、何が言いたいのか分からない頭のおかしな人になってしまいますが、きっとそんなことは無かったと信じています。
話が逸れてしまいましたが、TVの健康番組や営業目的のHPというのは(一事が万事そうだとは言いませんが)、ある物事の一角だけを捉えて、さもそれが唯一無二の事であるかのように述べがちで、逆に発信者にそのような意図が無かった場合にしても、受け取る側が『これが唯一正しい事なんだ!!』と捉えてしまいがちだと私は感じています。
今回の事例で言えば、
『トレーニング前にストレッチをしてはならない!!』
ということです。
しかしここで抜け落ちてしまっていたのは、ストレッチにはいくつかの方法があるということと、Aさんは肩に故障を抱えているということ。
そしてストレッチを行わずに、トレッドミルの上を走ったり、実際のトレーニング動作でウォーミングアップしたりと書かれていたのかも知れません。
ひょっとしたら動きながら伸ばす種類のストレッチをせよと書かれていたかも。
さすがにAさんもそこまでは覚えておられないので私の推測でしかないのですが、当たらずしも遠からずではないでしょうか。
確かにじんわり伸ばす種類のストレッチをトレーニング前に入念に行ってしまうと、怪我をする原因になることがあります。
もう10年ほど前になりますが、業界紙に載った記事に、
『じんわり伸ばす方のストレッチを行うと、その後に行う瞬発的な筋力発揮が損なわれる。』
というのがありました。
瞬発的な筋力の発揮が損なわれるとスポーツのパフォーマンスが低下したり、ウェイトトレーニングの場面ならば、重たい錘を扱っていてバランスを崩しそうになったときに咄嗟のリカバリーが出来なくなってしまったり、勢いがついた時に必要以上に関節が動いてしまったりして、怪我をしてしまう可能性が出てきます。
そして筋力発揮を損なわないウォーミングアップの方法が、動きを伴ったストレッチなど、ということになります。
しかし、だからといって『じんわり伸ばすストレッチをトレーニング前に行ってはならない』ということにはなりません。
前述の記事にも
『じんわり伸ばすストレッチの後に動きを伴ったストレッチを行ってウォーミングアップをする』
旨の事が書かれてあったと記憶しています。
もちろん怪我の予防にも有効だと考えられます。
とくにAさんの場合は肩に問題があり、左右の腕(肩関節)の動く範囲に差がありまして、単純に肩回しなどの動きを伴ったウォーミングアップだけでは十分に動かないのです。
ましてや勢いをつけたストレッチなどを行ってしまうなんて、怪我をしろと言っている様なものです。
ですから上半身のトレーニングを行うときには、じんわりストレッチを行って悪いほうの肩の可動域をある程度確保してから、肩凝り体操の様なゆっくり肩を動かす運動を行い、それから各種目のウォーミングアップに入るようにしてはどうかと提案しました。
ついでだからとエクササイズ時の動かし方についても少し付け加えました。
とはいえフィットネスクラブでは私はあくまでも会員ですから、付き添って指導などということは職業倫理上出来ませんし、うちに来てもらって指導したらお金が発生しますから、「まあ、雑談くらいにしときましょうよ。」程度のものです。
じゃあ自分はどうやっているのか、ということですが。
下半身のトレーニング日の場合は、加圧マスターミニのプログラムモードで徐々に圧を上げながらトレッドミル上を7分程度歩き、その後動きを伴うストレッチを行ってから本題に入り(?)ます。
トレーニング終了後はじんわり伸ばすストレッチを入念に行います。
週1回指導をしている空手の集団トレーニングでは、私が到着するまでは各自でじんわり伸ばしたりシャドーしたり雑談したりしていただいて、それからランニング→動的ストレッチ→ステップ系のエクササイズ→ダッシュ→ウェイトトレーニングなど…と展開しています。
結局何が言いたかったのかというと、ひとつは発信者に対して。
ホームページやブログなどで情報を公開する場合に、その内容について十分吟味して誤解の生じないように配慮して頂きたいということ。
発信者が治療家の場合は尚更です。
見る方は身体に故障を抱えている場合が多いわけですから。
そしてもうひとつは受け取る側。
何か美味しそうな情報、センセーショナルな情報を目にしたときに、本当にこの内容が自分に当てはまるのかということを一度考えてみて頂きたいのです。
そして考えてもよく分からない場合は、知っていそうな『現実世界の住人』に聞いてみて下さい。
目に付きやすい情報の全てが真実とは限りませんし、ひょっとしたら自身が上手く捉えられていないかも知れないのですから。
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Last updated 2011/02/28 02:07:53 PM
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