マスクオブじねん堂の日記

マスクオブじねん堂の日記

2012/11/10
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カテゴリ: 雑記
前回のエントリー

今回はその民話を紹介するとともに、イベントのあり方について思うことをお示ししたいと思います。


さて、先ずはその民話を引用しますと・・・。




昔、竹原と八知の村ざかいに一軒の茶屋があった。
ある日の夕暮れ、通りがかった百姓が、「おやじ、一杯くれ」と、茶屋に入ってきた。

店には先客があって、見たこともない美しい娘が、さもうまそうにお茶をすすっておった。
百姓は茶わん酒をちびりちびりやりながら、ちらちら娘に流し目をくれていた。
娘はそれを知ってか知らいでか、すました顔でお茶を飲んでおったが、やがて、「おじさん、お代はここに置きますに」といって立ち上がると、百姓ににこっと会釈して出て行った。
後に、娘の残り香がほのかにただよった。
百姓はあわてて残り酒を飲み干して、「おおきによ」と、店を出た。

娘は夕闇迫る道を、ぽっちゃりした丸い尻を左右に振りふり歩いて行く。
それがなんともいえん可愛い。
男心をくすぐられ、カッと頭に血をのぼらせた百姓は、娘の後を追った。
目の前に竹やぶがあった。
百姓は上ずった声で、「なあ、娘さんよ」といって、 娘の肩に手をかけて、竹やぶに引きずり込もうとしたら 、そのとたん、娘はふっと消え、百姓はごそんどうの中に落ちていた。

このあたりに、娘に化ける狸がおったげな。



こんなお話です。

イベントの場では、狸に化かされた不思議な話って紹介されて、皆が素朴な心を持っていた時代にはこういう事も起こったんだろうねって流れでした。

なんせ、本イベント(森林セラピーのウォーキングメニューを体験すること)の目的が土地の純朴さやあたたかな地元民との触れ合いによって癒されるというものですから。

『文明が発達し、効率優先の社会で複雑な人間関係やらなんやらかんやらのストレスに晒されて生活している現代人よ、この不思議な話に触れて、忘れてしまった純朴さをもう一度思い出してみないか!?』・・・みたいな。


でも私が受けた印象は全く違います。

だってこの話、


百 姓 が レ イ プ 未 遂 し た 話 で す ぜ ?




素朴な土地には住みたくないです。

まあ、冗談はさておき、昔話ってのは説教めいた性格もありますから、結局百姓のレイプが未遂に終わり、ごそんどう(藪がごそごそ生い茂った所)に落ちるという罰を与えられたということで、『知らない娘をレイプしちゃ駄目だよ』とか、『若い娘は一人で出歩いちゃ駄目だよ』って伝えたいんじゃないかって思いながら聞いていました。


そしたら素朴繋がりで現地ガイドの男性まで、「私が子供の頃に・・・。」って、話を始めてしまいまして。

その話は、『小さな男の子が行方不明になって、その日山中探したけど見つからず、翌日も捜索したら山奥の切り株の上に傷ひとつしないでちょこんと座っている所を発見された』 というもの。

これを狐か狸に化かされた・・・と。

いやいやいや。

ただ迷い込んだだけじゃないの?

もしくは村の有力者の子供(結構ええ年)がちょっと知能が低い上に小児性愛者で、小さい男の子を土蔵に連れ込んで悪戯している間に村では大騒ぎになって、これは不味いということで有力者が先頭に立って山を捜索しつつ、使用人あたりに捜索の及んでいない方面へ子供を置いてこさせておいて、すこし後でその使用人が発見したように偽装したとか?

さすがに後者はサイコサスペンスや基地外ホラーの愛好者である私の妄想かもしれませんが、狐狸の類も含め所謂神隠しなんてのは、口減らしに対する罪の意識からの狂言だったり、単純に誘拐だったりってのが相場でしょう。

後から見つかるってのは何か理由があってのことでしょうから、やっぱりただ迷い込んだり小児性愛のアホボンだったり、何か障害があって売り物にならなかったり、親が殺すのは忍びないからと山奥へ放置してきたもののやっぱり悔やまれて村人に狂言して探させたんだったりなんじゃないかな?


そういえば 以前のイベント

あれも素朴な時代の不思議なお話というよりは、農民たちによる土地の奪い合いという生々しい話なんですよ。

そこまでしなくちゃいけない位、年貢やら何やらに圧迫されていたのかもしれませんし、もっと血生臭いこともあったかもしれません。


結局何が言いたいかというと、 イベントにおける一連のステレオタイプな田舎賛美 には違和感を覚えるってことです。




お地蔵さんが枕元に立つんだよ。

不思議だね。



こういう観点では民話を聞きたくは無いなあ。



緑豊で水もきれいなこの田舎で、ただ癒しや運動のためにこの場にいる我々に、民話を通して先人の生々しい営みを感じさせ、そのことから内省のきっかけを与えてくれるような。

そういう力が民話にはあると私は考えています。


あくまで森林セラピーのイベントなんだから、『田舎の素朴さ推し』だけじゃあ浅いと思いますよ?


内省がって述べると大仰だってんなら、もう少し知的好奇心を満たしてくれるような内容にした方がいいんじゃないかって言い直しても良いです。

現在の手法では、(私が田舎育ちだからかもしれませんけど)地元の人を能無し扱いしているように受け取れます。

「俺たちは素朴で単純で、おまえら町の人間は複雑で上等なのかよ!?」って、言いたくなるんです。

都会の隣人関係が希薄だの会社の人間関係が複雑だの言ってますが、田舎は田舎で部落同士の意地の張り合いやらプライバシーの無さやら、慣習に囚われ過ぎる柔軟性の無さやら、精神をすり減らすようないやらしくてドロドロしたことは山ほどあって、たまにこっちにきて、「きれいねぇ、長閑ねぇ、田舎はいいわねぇ。」なんて能天気な奴らには虫唾が走るわけです。

「こっちの苦労も知らないで…。」ってね。

うーん、私だけかな?

確かにイベントのスタッフやサポーターは過疎地・限界集落である自分たちの町に人を呼び込もうと必死で試行錯誤している人ばかりですものね。

で、その結果が『田舎の素朴さ推し』ならまあ、仕方ないか・・・。


でも、でもですよ、やっぱり。

ロケーションが素朴なのはいいけど、そこに住む人間まで素朴だ素朴だって言うのはやめて欲しいなぁ。

田舎者からのお願いです。


津市森林セラピー協議会に入会が叶ったようですので、少し偉そうに述べてみました。






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Last updated  2012/11/10 11:45:21 PM
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