おびやまロボット研究所 ~マイコン電子工作と自作ドローン~

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アナログ文字入力表示装置

単一アナログ入力による文字入力・表示装置の製作

1.はじめに

デジタル装置への文字入力にはキーボードやマウスを使うことが一般的ですが,肢体不自由の方や,一時的可動部位が制約された状態にある場合には,複数のキーによる入力が困難となります.
そこで,アナログ入力装置を用いることで文字の切替えの時間間隔や文字切替えの方法をアナログ値により切換えて文字入力することができ,前述の場合でも文字による意思伝達が可能となるシステムを考案しました.
ここでは最低1個のアナログ入力機器によって文字入力が可能となり,加えて簡便な表示機能を備える装置を製作した例を紹介します.

2.装置の構成

アナログ入力装置と,表示装置からなります.
まずはアナログ入力装置の例として,2指の距離を検出してアナログ値を出力する装置を作りました.

簡単にやるにはコイルを巻いてM結合で電圧を検出すればよさそうなので早速試作.

CIMG1450.JPG

50回位巻いて片側に正弦波,もう片側をオシロで観測.周波数が低いと結合は小さいですが,100KHz-1MHz位で数10mVー数100mVオーダの出力が得られました.

動画はこちら→  正弦波でM結合

パルス波で瞬間的に大電流を流してやった方が電力の無駄がなくなり応答も大きく取れそうなので,入力側をちょっと改良.

CIMG1456.JPG

するとこんな波形になりますが,ピークは1V越えるまで大きくなりました.

CIMG1461.JPG

その動画はこちら→  パルス波でM結合

検出側にダイオードとキャパシタで簡単なピークホールド回路を作るとピーク電圧が得られました.

CIMG1452.JPG

CIMG1453.JPG

動画はこちら→  パルス波でM結合してピークホールド

そのほか,可変抵抗で角度を取る装置を作りました.
簡単に出来て結構カチッとしてます↓

CIMG1556.JPG

CIMG1560.JPG

表示装置については,以前に作った8x8LED電光掲示板を利用します.
左端にPC4とPC5のポート,電源,GNDを出していますので,これらを使って,2指の距離検知のパルス信号出力と,アナログ入力を行います.

裏面から接続を見たところ↓

CIMG1809.JPG


3.使用例

こんな感じで使ってみます↓

CIMG1620.JPG

CIMG1606.JPG

4.入力方法

 文字入力はアナログ入力値に段階的に分けた入力機能を対応して持たせることで実現しています.下の写真は2本の棒の角度をアナログ入力装置として用いた場合です.

CIMG1615.JPG

最小値)
1)スクロール行の切替え
2)文字列のスクロール表示
3)文字入力,行切替え表示,アナログ値により切替え速度可変(あ,か,さ,た,な・・・)
4)文字入力,段切替え表示,切替え速度可変(あ,い,う,いえ,お,あ,・・・)
5)文字確定,入力中の文字列最後に追加
最大値)

 アナログ値は入力装置と可動範囲によって異なるので,装置の電源投入時にアナログ値の初期設定を行うモードを作成しました.初期設定の手順は,
1)最大最少値の設定
2)中間値の設定
となります.

 また,装置に備えられたスイッチで直接文字列の入力を行うこともできます.
 電源投入時にどれかのスイッチが押されていると,文字列の直接入力モードとなり,スイッチにより文字列を入力することができるようにしています.
スイッチの機能は以下の通り.

右スイッチ:次の文字へ,約2秒長押しでモード切替え(入力モードと表示モード).
左スイッチ:前の文字へ,約2秒長押しでメモリ消去,更に2秒長押しでデモ表示.
下スイッチ:50音順に文字を送る,最後に空白,濁点など.長押しで自動送り.
上スイッチ:50音の逆順に文字を戻す,長押し可能

入力された文字列はマイコンのEPROM内に格納されるので,電源を再投入することでアナログ入力モード時にも引き継がれます.


5.まとめ

最後に,例えば筋肉の緊張度を電子的に計測した信号など,利用対象者の可動部位に応じた入力装置を準備することで対応も可能かもしれません.
可動部位が複数個所あれば複数個の入力装置を組み合わせることで文字入力の効率を上げることができると考えられます.

動画はこちら↓

2指を用いた文字列入力と表示
レバーを用いた文字列入力と表示




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