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毎日小説を書きながら、本も読んでいます。年間100冊のペースですが、なかなか星5つはないですね。その中でも超オススメを。 瀬尾まいこ 必ずじわんと来る。爽やかな出会いと再出発。 「戸村飯店青春100連発」「卵の緒」など。「温室デイズ」以外おすすめ。 奥田英朗 爽快感溢れるキャラクター。 「サウスバウンド」など、全ておすすめ。 森見登美彦 内容無きこと甚だしい、素晴らしき文体。全ておすすめ。 天童荒太 「悼む人」圧巻のひと言。 伊坂幸太郎 「ゴールデン・スランバー」 ミステリーなのに、最後に感動。自分の小説の方はといえば、かなりいいところまで来ています。一歩一歩、着実に。
2009/07/13
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京都に住む狸の家族と天狗の師匠、天狗になった女「弁天」が繰り広げるちょっと軽い家族の話。三男による「私」の視点が中心に描かれるが、三男が見ていない部分も「弟」などのように三男からの語りによるような、しかしかなり客観的な書き方で進行していく。忘年会で狸鍋をする金曜倶楽部によって食べられてしまった父の思い出、伯父と兄との地位争い、狸を愛するが故に食べてしまいたいという教授、父を食べた一人の弁天へいだく恋心の矛盾、プライドを突き通す天狗に同調するふりをしてお互い心の内はわかり合っている三男、など軽いタッチで微妙な心理を描く。じーんと来るほどではないが、軽い読み物として充分に楽しめる。少し厚めの本だが一日で読み切れた。
2009/05/14
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悼む人 天童荒太 圧巻の一冊。読むのに三日かかった。すいすいとは読めなく、息苦しささえあるが、充実している。爽快感はないが、とことん深く、多面的に、詩について追求している。エログロの雑誌記者、「悼む人の」母親や家族、僧侶である夫を殺した女からの視点を通じて、悼む人を描いていく。中盤で悼む人がそうなった理由も語られるが、周りの人の心の変化や、母親の癌の進行から死までへを一歩一歩という感じで描いていく。星5つ。
2009/05/11
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気になっていた福田栄一の長編を買ってみた。三冊のうちのまず一冊目。人へのちょっとした疑惑はよくあることだ。主人公の女はそんな疑惑がすぐにわき起こるが、すぐにいかんと思い直して素直に生きる。周りの人の優しさに助けられ、やや引っ込み思案だが少しの勇気を絵ながら進んでいく。大きな起伏には欠けるが、いい話だった。
2009/05/08
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久しぶりに「じわん」とくる小説。「Re-born・はじまりの一歩」という新書に収録されている短編の一つ。この本には何人かの作家の短編が収録されている。このうちの福田栄一が書いた一作「あの日の二十メートル」がじわんと来た。短編なのでネタバラしになるようなことは書かないが、星5つ。気力のない大学生が毎日プールで泳いでいると、泳げない老人に声を掛けられて指導を乞われるという出だしだ。同じ本の中には私が好きな瀬尾まいこの短編も収録されていたが、こちらはまあまあ。しかしこの福田栄一の話を読んだ後に来る「じわん」感は、瀬尾まいこのいつもの良さに共通している。オススメである。
2009/04/28
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やられました。「そのときは彼によろしく」これって、去年やたらと泣いてしまった「いま、会いにゆきます」市川拓司の原作じゃないですか。ラスト3/4ぐらいで泣けるシーンがあって、その後が長いなあ、と思っていました。ぐいぐい盛り上がったら、あとはすうっと終わるのがいいのにぃ、と見ていたら、最後の最後でまさかの展開。それで泣けるわけがないだろうという展開にびっくりしたら、きっちり泣かせてくれました。うまい。ほんとうにうまいです。ちゃんと「繰り返す」という伏線を中盤で張ってあるので(その時点では分からない)、それがラストに生きてきて、まさかの展開も腑に落ちないなんて事がなく、どどっと泣かせてくれました。感動、そして感心しました。星5つ。
2009/01/15
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新しい小説のネタをまとめている。いくつもネタはあるのだが、どれにしようか。ひとつの小説の中には、ひとつの軸をしっかり立てたい。昨年書いていた処女作は、いろいろ盛り込みすぎたと反省している。自分のいいなと思ったことを入れすぎた。今回は、毒出しは終わっているので、純粋にコンセプトを軸に書いていきたい。主人公の行動も、設定も、周りの人物の性格も、起きる事件も、全ては主人公を通じてコンセプトを読む人に伝えるために作られていく。小説と、単なる物語との違いはここにあると思う。ひとつひとつの物事には全て意味があるのが小説だ。さて、その軸だが、一番重そうで、一番根源的なことにしようかと思う。自分はどうして他の誰でもない自分なのか。自分は何のために生きているのか。こういうことは誰もが考えたことがあると思うのだが、どうだろう。そんなことを本気で考えたりするのは自分だけか。。?子供の頃、また大人になってからも考えたことがある人、いるだろうか?
2009/01/14
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瀬尾まいこの「温室デイズ」をやっと読み終えた。年末から少しずつ読んで、昨日まで半分、やっとストーリーに明るい期待が少し出てきて、やっと読むペースが速くなってきた。結論としては、瀬尾まいこの小説の中では一番オススメできない。読んだ後にいつも来る「じわっ」と感がない、唯一の小説だった。ストーリーは前半ひたすら暗い。つらい。後半になって解決しそうな兆しがあり、着地点は悪くない。けどなあ。なんか違う。瀬尾まいこの他の小説は全て読んだが、共通するのは、人とつながる温かい気持ち、だ。それがない。最悪な中学生活の中でも芯を強く生きていく感じは、他の人が書いた話なら上出来だろう。しかし瀬尾まいこが書くにはつまらなさすぎる。なんだか甘い。悪ぶっている奴でも本当は根は良い奴なんですよ、という話は甘いと思う。もう一歩深めた話が欲しかった。これで瀬尾まいこの小説は全て読んでしまった。この「温室デイズ」以外は全てオススメだ。本当に良い話ばかり。さあ、あとはエッセイを二冊残すばかりとなった。
2009/01/06
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めずらしく、まだ途中で苦戦している本がある。「温室デイズ」昨年からはまっている瀬尾まいこの小説だ。この作家は一番のお気に入りで、一番のオススメだ。一気に読んでしまうタイプの話ではなく、いつも少しずつ読んでは休みしながら、読み進めている。つまらないわけではないが、何となくそういうテンポなのだ。ぐいぐい引っ張る感じのストーリーではないが、ストーリーは少しずつ進んでいき、最後には必ずじわっとくる。しかしこの「温室デイズ」だけは違う。どうも話が痛々しい。荒れている中学校を舞台にしているせいだ。僕自身、小、中、高校と学校生活には良い思い出がないせいかもしれない。不良、いじめ、まとめられない先生、ぴったり当てはまるわけでもないが、嫌なことを思い起こさせるには充分な話だ。最後に救いがあると信じて少しずつ読み進めている。まだ半分も読んでいないで、年末から年をまたいでしまっている。瀬尾まいこの小説では異色な感じだが、なんとか読んでしまいたい。この本が実は最後になってしまう。瀬尾まいこの出している本は全て買ってしまった。Amazonの古本で購入した物も多いが、もう読む本がない。他二冊ほどはあるが、小説ではなくエッセイだ。それもすぐ読み終わるだろう。コンプリートしてしまったら、どうしようか。しばらくは読み返して、ストーリーの筋の研究などすることにしよう。まだ生きている作家なのだし、安定した勢いもある。これからまた良い本を出してくれるはずだ。
2009/01/05
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久しぶりに読んだ。 近所の図書館は規模が小さいので、探してもないなぁ、と思っていたんですが、 検索してもらったら、ありました。 文学全集の中に。 「寄贈」 とはんこが押されていました。 うーむ。 自宅にそろえたけどいらなくなったのか、この見た目ばかりで中身が充実していない図書館を憂えて寄贈したのか。 大正時代の著作なので内容の割に性的描写はごくごく抑えられていますが、 狂わしい主人公の気持ちの描写は今なお新鮮というか、 今の小説なんてこれの焼き直しよりも上を行っていない気もします。 文体も思ったほど古くなく、普通に読めました。
2008/06/07
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