日本では独自に制定した犬の栄養基準はなく、 NRC や AAFCO などのアメリカの栄養基準を準用しているのが現状です。
下にNRCとAAFFCOの説明をします。
NRCは、アメリカの農務省所属の機関で、飼料についての安全性や品質保証システムの1つで家畜などの動物の栄養に関する研究をしています。
日本では犬や猫などのペットのご飯は飼料として分類されていませんが、アメリカでは飼料の一部門として認識されていることから、NRCが栄養要求量を算出しています。
80年代まではこのNRCの栄養基準が主に採用されていましたが、タンパク質の要求量算出に問題があることがわかりました。算出結果ではタンパク質の要求量が低すぎて犬が食べないどころか製造することすら難しいことが分かりました。
このことから90年代からはAAFCOの栄養基準を採用されるようになりました。
この動きは日本でも変わりはないようです。
AAFCOは、食品・医薬品の安全性や効果に関する検査や承認を行っている政府機関であるFDA(食品医薬局)に対する助言機関で、NRCが定めた栄養基準を基に実用的な栄養基準を設定している機関です。
市販されている飼料の安全性や品質保証についての取締りに関してもある程度の権限を持っている機関です。
NRCの説明では基準に問題があったのになんでまたNRCの基準をもとにしてるの!?
と思われる方もいるでしょうね。
実はNRCの基準というのは何度か改訂が行われていて、問題があったのは85年版でした。
一口にタンパク質といっても、たくさんのアミノ酸が集まったものでして、85年版以前のものは各種アミノ酸を一まとめにしてタンパク質としていました。
細かく基準を出したのは良かったのですが、余りに現実的でない数値だったために問題とされたようです。
そこで、現実的な基準としてタンパク質の要求量に関しては以前の数値を採用したAAFCOの基準を世界中で採用するようになったのです。
ペットフード先進国のアメリカではキチンとドッグフードは政府の監視下におかれて、その品質や安全性について保証されていますが、では日本ではどうなのかご存知ですか?
牛や豚などのいわゆる家畜についての食べ物(飼料)は農林水産省が、人の食べる食べ物(食品)は厚生労働省が管轄として管理していますが、実はペットに関してはそのどちらにも属していません。
ドッグフードの歴史でも書いてありますが、150年近い歴史がある欧米のペットフードに対する認識とまだ50年に満たない日本では残念ですがこれが現実のようですね。
じゃ~何作ってもいいのかというとさすがにそうではなくて、1974年に前身である 『ドッグフードの表示に関する公正競争規約』 が、91年にはキャットフードも含めた 『ペットフードの表示に関する公正競争規約』 が制定されています。
この 『ペットフードの表示に関する公正競争規約』 と 『ペットフード業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約』 が円滑に運営されるよう設立されたのが ペットフード公正取引協議会 なのです。
この団体で運営されている 『ペットフードの表示に関する公正競争規約』 によると、一般的に食べられているドッグフードに「総合栄養食」と製品に表示が出来るための栄養基準は1997年版のAAFCOの栄養基準に合致していることが条件となっています。
ここではドッグフードでも『総合栄養食』と呼ばれるものについての栄養バランスについての表示ついて書いていきます。
他のフードと違って総合栄養食はそれをあげていれば他にはお水をあげさえすれば健康に生きていくことが出来ることから、そのフードに含まれている栄養に過不足があってはならないからです。
『ペットフードの表示に関する公正競争規約』 では下のように規定されています。
規約第5条第2項に規定する「施行規則に定める栄養成分等の基準」は,次のいずれかとする。
(1) 最終製品について, 別項アに規定する方法 によって行った分析試験の結果が, 別項アに規定する栄養基準 に合致すること。
(2) 別項イに規定する成長段階の給与試験 の結果が,それぞれの評価基準に合致すること。
2 前項にいう栄養基準又は評価基準は, 国際的に認められた動物栄養に関する機関 のもので,最終製品中での栄養成分の有用性及び消化吸収の双方を考慮してい るものとする。なお,これらの基準に代わるものとして公正取引協議会が適切と判断 した場合には,速やかに新たな基準を採用するものとする。
3 「総合栄養食」を表す旨の表示をする場合には,次に定める表示又はこれと同等と 認められる表示を行うものとする。
(1) 「この商品は,ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果,総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。」
(2) 「この商品は,ペットフード公正取引協議会の定める給与試験の結果,総合栄養食であることが証明されています。」
ここでいう『 別項アに規定する方法 』とは、栄養成分などの数値の分析方法のことです。
そして『 別項アに規定する栄養基準 』がAAFCO(1997年版)の栄養基準を指しています。
また、『 別項イに規定する成長段階の給与試験 』とは、含まれる(1)のように含まれる栄養成分が基準を満たしているかではなく、各ライフステージの犬に実際にそのフードを決められた方法・期間で与えて、実際に総合栄養食と認められる結果を得られるかどうか給与試験を行います。期間中・後での各測定項目が基準をクリアしていれば(1)の基準をクリアしていないフードでも総合栄養食と表示することができます。
もちろんこの給与試験もAAFCO(1998年版)の基準を採用しています。
2にある『 国際的に認められた動物栄養に関する機関 』とは、もちろんAAFCOを指しますが、平成12年に初めて採用されたようです。ですので、ここからは私の推測ですが、それ以前はNRCの基準を採用していたのではないでしょうか。
さて、ここからが本題です。
私なんかは商品にAAFCOと書いてあれば安心してしまいがちですが、実はその表示の仕方にはルールがあるようなのです。
『AAFCO認定』 『AAFCO承認』 『AAFCO合格』
等のように認定・承認・合格などAAFCOからお墨付きをもらったかのような表示
は 不当表示 です!!
なぜなら、上記のAAFCOの説明でも書いてありますが、AAFCOは栄養基準を示しているだけで、アメリカにおいては不良品の取り締まりにある程度の権限を有しているものの、売られている製品に認定や承認をする機関ではないので元々こういう表現はあり得ないのです。
それではどういった表示ならOKかというと下に挙げてみました♪
この商品は,ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果,総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。 この商品は,ペットフード公正取引協議会の定める給与試験の結果,総合栄養食であることが証明されています。
むむ。
AAFCOの文字が一つもないですね~。
よく見るのは「ペットフード公正取引協議会」を「AAFCO」に入れ替えてる表示は良く見るのですが、規約によるとどうもダメみたいなのです。
ただ、上記の文章に加えてAAFCOうんぬんは書いてもいいみたいなのですが、実際のところはもうちょっと調べてみないことにはなんとも分かりません。
なのでここのところは宿題とさせてください・・・(^-^;)


