ジュエリーデザイナーのインドア三昧。

ジュエリーデザイナーのインドア三昧。

Jul 4, 2015
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ 村

「バゴンボの嗅ぎタバコ入れ」



カート・ヴォネガット、ハヤカワSF文庫。
そう、ヴォネガットってSFのイメージがあるんですが、この短編集はちょっと違いますね。
表題作は、世界をまたにかけて活躍する男が、元妻のつつましい家庭を訪問する。
幸せだが生活につかれている元妻とその夫に対し、
男は血沸き肉躍る自分の冒険譚を語るのだった. . .
という話。もちろん落ちあります。戦争体験がベースになってる話がいくつかと、
あと音楽(ブラスバンド)に
血道をあげすぎておかしくなっている音楽教師の話がいくつか。
皮肉な話が多いんですが、読後感がなぜか落ち込まない、

軽い読み物としてもいいタイプではないかと。
そしてSFチックな話も2作ほどあったと思うんですが
、SFというだけで「いやだ」と思う場合でも、
この作品を読んでみたら、アレルギーが出ずに読めるんじゃないかと思われますね。
たとえば、星新一の小説は基本SFもとても多いですが、SFという題材ではあっても、万人が
楽しみやすい物になってるのと一緒で、とても読みやすいものです。
(もちろんそれも好きじゃない人はいるでしょうが)
なんというか、一言で表すとユーモアそしてシニカルとペーソス、って感じでしょうか。
ヴォネガットの若かりし頃の作品を集めたものです。一読必至。
「モンキー・ハウスへようこそ」や、「プレイヤー・ピアノ」
「スローターハウス5」「タイタンの妖女」など、








アントニー・マン、創元推理文庫。
いわゆる「奇妙な味」ジャンルの小説なんですが、ミステリです。
奇妙な味というジャンルは、探偵推理物のうち、
ちょっと不思議なテイストのものを指すんですが、
ミステリとか推理とか言ってもそこが軸ではないんですよ。

SFやファンタジーのテイストを持つものもあったり、唐突な展開の文学であったり、
後味がなんとも不可思議なもの. . . という定義だと思います。

調べてみると、奇妙な味ジャンルの有名どころとしては、
サキ、ジョン・コリア、ロアルド・ダール、
ロバート・ブロック、この大御所は
もともと実は好きでしたので、要するに私は好きなのをたまたま嗅ぎ当てただけ、
ってことなんでしょうか。

あと、えっこの人も?というのが、ロバート・シェクリー、シオドア・スタージョン、
このあたりって普通のSF作家かと思ってたけど、短編集だとそういえば. . .
そして、リチャード・マシスン、ホラーの大御所ですが、
ああそういえば、設定がかなり. . .
今までに読んでない奇妙な味の名前だけ知ってる人だとジェラルド・カーシュ、
チャールズ・ボーモントなど。
と、思ったらカーシュのほうは「冷凍の美少女」持ってました。
大昔に読んだっきりで。再読しなければ。
そしてボーモントのほうも、アンソロジーぬいうはいったもの
(ホラー、幻想文学系ですね(は
読んでるはずです。持ってるものがいくつかありました。
とすると、私はどうも奇妙な味と呼ばれる小説を好んで、
気が付かぬ間にチェックを繰り返していたようです。

シェクリーの名前を見て、読んでないほかの小説もすべてチェックしたくなりました。
かなり不遇の方だったようで、2007年に亡くなられるまで、
SFから遠ざかったり、離婚を何度もしたり、小説が
評判にならなかったり、編集者になったり、小説は書き続けたけれど人気は戻らず、
映画のスピンオフ小説を書いたりして糊口をしのぎ. . .
あんなにも素晴らしい小説を書く人がこんなふうな人生を。
わからないものですねえ. . . 。しみじみ。
スタージョンも不思議な小説を書く作家でしたが、翻訳されてないものも多くて、残念。
彼の「夢見る宝石」などの、視覚的に小説を読んでいて見える世界観はすばらしかった。
彼の作品も手に入るものはチェックしていかねば。
そして、読んだものはいつかご紹介したいものです。

さて、「フランクを始末. . . 」の話に戻ります。
なんとなく、この作品の場合ロアルド・ダールが好きな人は好きかな、と思ったのですがどうでしょうか。

なかなかの掘出し物というか、拾い物でした。こじゃれている(いい意味で)短編集で、
ブラックユーモアと、アイデア勝負でこれは. . . と思う作品が多かったですね。
あまり面白くなかったという意見もあるようなんですが、刑事の相棒に赤ん坊が採用されて、
その「純粋な視点」を事件解決に役立てようとする試みの話、
スターを暗殺しなければならなくなった
事件が二転三転していく表題作とか、買い物リストだけで
何が起こったかを推測していく作品(これ、ありそうであまりないと思われる
すごい作品でした。リストだけでほかには一行も説明なし。)など、
一つ一つがきらきらと輝く宝石のような、そんなものがぎゅっと詰まったもので
小説として家に一冊あればと感じますね。忘れたころにまた読んで楽しめる、
そんな一冊ではないかと。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Jul 4, 2015 11:54:24 PM


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

may1995

may1995

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

コメントに書き込みはありません。

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: