【 D-ROCK & R 】      D-ISM

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07.06.06

BINECKS,インタビュー【1/4】 07.06.06

ラジオ収録裏話【BINECKS編】

アクセスしてくださってる皆様、先程の”333music.wave”はいかがでしたでしょうか?
DAITAさんには昨年12月にご登場いただいてますし、かれこれ付き合いも長くなるのですが、KEITAさんはご挨拶程度で、どんなトークをしてくれるのか? 全く分からないままに収録は始まりました。
先日、某ラジオの公開放送にBINECKSのお2人は出演したんですよね?
でも実は”333music.wave”は、それより前に収録してたのです。
あまりラジオ出演やインタビューの経験がないKEITAさんは、ちょっと緊張気味?
O.A.中も”(DAITAさんと)言葉が被っちゃいけないと思って”と気を遣って頷いてるだけだったり(ラジオなので頷いても分かりませ~ん・笑)、DAITAさんに”……ってことを、お前がしゃべるんだよ!!(笑)”と収録中にアドバイスされちゃったり(笑)。
そんなところが初々しくて面白かったのでカットせず編集(笑)。
かえって貴重な放送になったかな?と思ってます。
ラジオもインタビューも慣れですからね、慣れ。
次回、登場していただくようなことがあれば(是非ぜひ!)、饒舌になってることでしょう!
…あっ、この一言がプレッシャーになったら困りますが(笑)。
あと、レコーディング話でのこと。
マイクの前にあるフィルターみたいなものを”あのストッキングのあるマイクで歌うのは初めてだったので…”という発言から、やたら”ストッキング”って単語を連発していたKEITAさん。
放送で”ストッキング? 好きですけど(笑)”と言ってはいましたが、何かこだわりでもあるんでしょうかねぇ?(笑)
その辺は次回、突っついてみることにいたしましょう(笑)。

で、こっからはラジオ収録後の雑談の中からの抜粋。
このブログでも掲載してるBINECKSの写真、カッコいいですよね?
まるで海外の倉庫街で撮影したみたいで。
そこで、どこで撮ったのか? 訊いてみると”あれ、実は日本ですよ。海の方ですね”とDAITAさん。
えーっ、日本!? 空の蒼色のグラデーションの感じとか、日本じゃないみたい、と続けたところ”この撮影の日、雨が振っていて。撮ってる時間帯だけ運良く晴れたんです”と話してくださいました。
こりゃーきっと、BAINECKSが晴れ男ってことに間違いない!
梅雨真っ只中であろう6月の東名阪ツアー”Double Necks”もライヴの日だけ晴れちゃったりして?
おっと、その前に本日(6月6日)発売の1stアルバム『Sacred Vision』をしっかり聴き込まないと!!
音を聴いた上で、明日から4日間、連続アップしていく『Sacred Vision』全曲解説も、じっくり読んでみてください。
ラジオではお伝えしきれなかった作品への想い、制作エピソードをBINECKSのお2人がガッツリ話してくれてます。


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BINECKS,インタビュー【2/4】 07.06.07

【『Sacred Vision』全曲解説~vol.1~】

<♪M1 「Distorted Minds」>
タイトルが示すとおりホントに歪んだ感じ(笑)がしますね、変拍子だし。
DAITA :一番最初にBINECKSをやるにあたって、どんな曲をやればいいのか? 分からなくて、とりあえずデモを作ろうと思って。BINECKSはこんな感じかな?って想像して、自分勝手な妄想と欲求のままにバババババッて作っちゃった曲です。そしたら…変拍子だったっていう(笑)。
 ~~ってことはDAITAさん自身も歪んでる!?(笑)。
DAITA :いやいや~(笑)。変拍子だけど力強くてロックの熱がスゴい感じられて、デジタリックなサウンドも入っていて、というような、いろんな要素が複合された曲がいいな、と思って。他の人には真似出来ない感じじゃないですか。
 ~~ですね。
DAITA :実はこの曲、デモ音源を作って、KEITAに歌わせてみて、声や歌い方に合う曲をなんとなく掴んでから、一度、お蔵入りさせたっていうか。一回、デモの曲達は自分から切り離して、改めてアルバム用の他の曲を書いていったんです。だけど、この曲は、どうしても必要な曲だったんですよね、BINECKSとしてやっていく上でイメージを限定されることなく、幅広い要素を持っているんだなって印象付けるには。それでお蔵入りした中から引っ張り出してきたんですね。っていうのもあって、本作の中では、ちょっと異質な曲だと思うんです。歌詞が全編、英語だっていうのもそうだし。
 ~~だし、アルバムの1曲目が変拍子の英語の曲ってことは、インパクト大でしたね。
KEITA :ですよね。変拍子ではあるけど、メロディーがわりと抑揚がある感じじゃないというか。Aメロとか、同じようなキーのところで歌う感じなんですね。その中で強弱を付けつつ、ニュアンスつけつつ歌うのが、結構、思ったより難しくて(苦笑)。試行錯誤の末、このスタイルに辿り着いた感じです。歌詞の内容は、正に”歪んだ精神状態”という一言に尽きるんですけど、歌に関しては、わりと抵抗なく入れたんですよね。
 ~~歌詞は和訳も同時にあった感じですか?
KEITA :いや、井手さんから送られてきた時点で英語だったんです。それを自分で翻訳しつつ、確認しつつ。
 ~~発音、難しいかと思うんですが。
KEITA :特に誰にチェックしてもらったわけでもないので、自分の中の英語発音力(笑)で貫いた感じですね。
DAITA :この曲に関しては、イききった感、やりきった感があればよしとするというか、聴いて違和感がなければいいって感じでしたね。欧米人じゃないので(笑)。ただ、俺もKEITAも洋楽を聴いてきてるから、そういう感覚って分かるし身に付いてると思うんですよね。
KEITA :僕も洋楽が好きで聴いて歌ったりはしていたので、英語の歌詞に抵抗感はなくて。特に抵抗なく意識せず歌えました。

<♪M2 「Flash Love」>
 ~~1曲目がこんなだったから、どうなるか?と思ったら、2曲目「Flash Love」がわりとストレートでホッとしたっていうか(笑)。
DAITA :まぁ、ギャップを楽しんでくれって感じで(笑)。これはアルバム収録曲中、中盤くらいで作った曲。この曲を歌わせた時、一番KEITAに合ってるな、等身大のKEITAが見えやすいなと思ったんですよね、声質的にも。で、スゴい大事に作ろう、と思って作り上げて。出来上がりは個人的にスゴく気に入ってます。
KEITA:確かに歌詞の世界もそうですし、雰囲気的にもムリに背伸びした感じでなく歌えるなっていうのはありましたね。
 ~~"Flash Love"って”瞬間的な愛”みたいなニュアンスなんでしょうか?
DAITA :目に焼き付けた光景が記憶にたまっていくっていう感じですか。
 ~~あぁ…歌詞の最後に"again"って何度も使われてるから、愛は瞬時に終わってしまったのか…。
KEITA :いや、終わってないんですね。
DAITA :”もっともっと! もう1回、もう1回!!”みたいな進行形ですから。”焼酎、アゲイン!”みたいな(笑)。
 ~~プハッ!(笑)
DAITA :俺、よく居酒屋で言いますけど。”タコわさ、アゲイン!”みたいな(笑)。”もう一丁!”みたいな感じですね。
 ~~非常に分かりやすい例を挙げていただき、ありがとうございます(笑)。こういう恋愛の歌は理解しやすいですか? 
KEITA :そうですね、歌も、あれこれ考えずに歌えましたし。
DAITA :本番の歌入れで、一番最初に録った曲なんです。KEITAがやっていた昔のバンドのデモを聴いた時、わりとポップでロックでアップ・テンポなをやっていたんで、きっと彼はそういうのが好きなんだろうなっていうのがありつつ、KEITAの中にあるピュアさを引き出せたらいいなっていうのもありつつ。自分の中から、こういう曲は自然と出てくる曲なんで、お互いに一番すんなり出来たんじゃないですかね? どう?
KEITA :ですね。今まで自分がやっていたバンドの音楽に一番どの曲が近いか?っていったら、「Flash Love」かなって思うので。入りやすかったですよね、自分でも…うん。

<♪M3 「Belief」>
 ~~実は、この曲が一番”らしい曲”なんじゃないかって勝手に思ってたりするんです。まだBINECKSが何者か? 分かってないのに、こんなこと言うのも変ですけど。
DAITA :ああ、なるほどね。これは、「Distorted Minds」を作った後に、何やろう何やろうと思ってモンモンとしながら作る中で、”コレこそがBINECKSだ!”って思った曲だったんですよ。でKEITAに聴かせたら、スゴい気に入ってくれたから、こういうのが好きなんだな、と確信して。この曲でBINECKSとして1つの方向が見えてから、他のヴァリエーションの曲もバババッと書けたという。俺ら2人の核になるんじゃないかなって思った曲ですね。
 ~~歌詞の内容的にも、自分の生き方、人生観が出ているというか。正にタイトル通り、お2人の信念、”男気”が現れてますし。
DAITA :やっぱ男なんで、男らしく生きたいわけですよ(笑)。
KEITA :ですよね(大きく頷く)。
DAITA :こういう爽やかな雰囲気で始まりますけど、歌ってる内容はスゴいヘヴィーっていうか、骨っぽいことを歌ってるというか。
KEITA :このアルバムの中で一番シリアスで、メッセージ性があって、意志が強く出ていて。言ってしまえば原点ですよね、僕達2人=BINECKSの。
DAITA :だね。そういう歌をKEITAが歌ってるのが絵に浮かんだんですよね、曲を作っている時に。だから今後、俺達にとって大事な曲になってくると思います、いろんな場面で。
 ~~個人的にはサウンドから広さを感じたんですよ。KEITAさんは歌ってる時、どんな光景をイメージしました?
KEITA :正に広さは感じましたね。確か、デモはリズムと簡単なアコギとメロディーだけだったと思うんですけど、その段階でデカいな、広いなって思ったんですよね。東京ドームで歌っている光景が似合う曲だなって。それで、DAITAさんと”スゴい曲になりますよ!”って盛り上がって。
 ~~その通りになった、と。最後の♪Shining on…♪の繰り返しで、歌とギターが掛け合いながら一緒に盛り上がっていくっていう場面で、BINECKSの2人の姿が浮き彫りになる感じがしたんですよね。
DAITA :昇天してイキ挙げるみたいな(笑)。
 ~~(笑)ま、そんな感じの場面で。
DAITA :その辺はアレンジする上で考えてはいましたね、この曲だけでなくすべての曲で。こういうスケールのデカい曲はやりたかったことだし、それをBINECKSでどうやるか? この曲で1つの方向が見えましたね。

<♪M4 「Here I Stand」>
 ~~出だしが怪しい感じで、打ち込みが入ってて、こんなノリのもあるんだな、と驚いた1曲です。
DAITA :ソロ・ワークで、ファンクなグルーヴのリズム隊と一緒にやっていたのもあって、こういうテイストの曲もアルバムの中ならではってことで1曲入れたかったんですね。で、敢えてリズムとベースからノリを作っていって。個人的にはプレヤーとして聴いててスゴく楽しめるし、自分でも新鮮さを感じられる曲になったな、と。レコーディングでは、一番最後にギターを入れた曲だったんで、その時点で、もう何をやっていいかわからなくなってて(笑)。悩みに悩んだ結果がコレです、みいな(笑)。作った時は一番簡単そうだなって思ったんですけど、実は一番、難しかったっていう。
KEITA :ファンキーな感じのバックの演奏がホントにスゴくて、僕の中では大人なロックだな、と。歌う時に一番意識したのは、このリズムですよね、やっぱり。
 ~~それでいて、サビにはちゃんととっつきやすさがあるという。その辺のバランス感は絶妙だな、と。
DAITA :ですね。結構、歌は簡単そうで難しいというか。ブルース系の半音で動くようなメロディーで怪しい感じもありつつ、でも、ストレートなロック・サウンドな部分もありつつ。個人的には自分らしい曲になったかな、と。
 ~~曲の持つ雰囲気と社会的な歌詞がまたマッチしてますよね。歌詞の内容に関しては?
DAITA :井手さんと、そういったテーマの雑談してる時に、井手さんの中に出てきたみたいで。自分が求めていた歌の世界になったなって思います。今回のアルバム全体に言えることではあるんですけど、この曲では、いろいろ実験的なことをやってますね。俺ら2人も、他の関わってくれたメンバーも。逆に、いろいろ試さない作れなかった曲だったかもしれない…そういう意味では、ちょっと異色かもしれないですね、本作の中で。



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BINECKS,インタビュー【3/4】 07.06.08

【『Sacred Vision』全曲解説~vol.2~】

<♪M5 「Influence of love」>
 ~~直訳すると”愛の威力”って感じでしょうか? 内容的には失恋を歌ってますよね?
KEITA :ですね。僕も若造なりに(笑)恋愛が思い通りにならなかったこともあるので、それを踏まえつつイメージしながら歌ってます。
DAITA :ホント、井手さんには良い歌詞を書いていただいたな、と。「Belief」の後に作ったんですけど、これを作ってる時は何かミディアムなテンションだったんですよね。
 ~~ミディアムなテンションって…(笑)。
DAITA :っていうか、アダルティーな気分だったっていうか(笑)。今回は全部、アコギを弾きながら作り始めている形をとっていたんで、それはかなり影響してるかもしれないですけど。自分の持っているオリエンタルな要素を、サウンドや曲の世界観に反映できたかな、と。一緒にやってくれたアレンジャーの鈴木さんも、デモを聴いただけで俺が説明するまでもなく、”世界が見えた”と言ってくれて。アルバムの中で一番、コラボレイションした印象が強い曲ですね。新しいエッセンスと、自分が本来もってるエッセンス、今後のBINECKSの可能性…いろんな要素が入ってるな、と思います。
KEITA :ここまで、バラードっていうのも歌ったことなかったんで初挑戦って感じでした。あ、でもカラオケに行けば演歌も歌いますけど(笑)。歌一本で勝負!っていう曲なんですよ。Aメロはアコギしか鳴ってないですし。
DAITA :確かに。サビは演奏が派手になるけど、基本的には歌の世界だね。
KEITA :ですね。

<♪M6 「Shout of our soul」>
 ~~ちょっと懐かしさを感じる部分もあるというか…。
DAITA :確かに、過去に自分がやっていたことに一番近い曲かな?と思いますね、自分でも。エッジの効いた感じやスピード感、メロディアスなツイン・ボーカル的アプローチとか。
今まで経験してきたことをKEITAとやるとどうなるんだろう?っていうような実験的な部分もありつつ、アップテンポで激しくて、ちょっとマイナー調なのがほしいと思って何も考えずに作りましたね、サクサクサクッと。
KEITA :DAITAさんが言うように、ツイン・ギターがあれだけ入ってるってところにDAITAさんが前やってたバンドのイメージがあって、正直、自分の本番テイクが入るまでどうなるのかな?って想像つかないところもあったんですよ。で、歌を入れて出来上がったのを聴いてみたら、かなり良い出来で。かなり気に入ってます。
 ~~歌詞は?
DAITA :コレ、1つテーマがありまして。ちょうど、この曲の歌詞を考えてる時、自殺やいじめの報道が激しかったんですよ。それが、あまりにも酷かったから、これはいかんな、とKEITAと2人で話をしていて。そういう可哀想な子のために勇気づける力強い歌にならないかな?っていう想いで歌詞を書いたんです。
KEITA :そういう意味で、僕も思い入れは強いですよね。
DAITA :だね。”1人じゃないよ、俺らがいるよ”っていうようなメッセージがKEITAの歌から伝わってくれればいいな、と。いじめられてる子、自殺をする子が一人でも減ってくれればいいな、と思ってます。

<♪M7 「Dead or Alive」>
 ~~言葉が詰まってますよね、この曲も。
DAITA :昔から持ってるアイディアを形にしたもので、昨年の春先に作った一番最初のデモの中の1曲なんですけど、デモを録った時にKEITAが、わりとノリも良く歌っていたし、こういうのが得意なのかな?っていうのもありつつで、お蔵入りした中から引っ張り出してきたんですね。そしたら、本番の歌入れでは意外と手こずったっていう(笑)。
KEITA :(苦笑)
DAITA :これも「Distorted Minds」に近い特殊な曲というか、変拍子があったり、いろんな要素が入ってる曲ですよね。メッセージ性が強い歌詞だし。
 ~~歌詞の内容からしても、絶対、ノリ遅れちゃいけないし、攻め攻め攻め!で歌わないといけないっていうか。
KEITA :もう、サウンドも歌も攻めて攻めてって感じですし。
DAITA :そういうギリギリ感が出ればいいなって感じでしたね。正に”生きるか? 死ぬか?”ですから。
KEITA :♪俺たちがこの世界を変えるのさ♪っていう力強いメッセージが入ってますから。
DAITA :KEITAも体張って歌ってたし、そのニュアンスはたっぷり入ってるんじゃないですか?…って俺が言うのも何ですけど(笑)。

<♪M8 「amber」>
 ~~ミディアム・テンポで、大人な魅力が溢れ出てますよねぇ。
DAITA :強いて言えば、この曲が一番バラード的じゃないですかね。男の哀愁というか、人生の哀愁というか、人の行く末的なものを歌った歌詞を含めて。
 ~~うんうん、男の背中を感じます。
DAITA :歌に男の哀愁が漂っているし切ないですよね。この曲、個人的にスッゴい好きで感情移入できるというか。本来、リード・ギターを弾く予定じゃなかったのに、あまりにもグルーヴとか雰囲気がよくて、エンディングでソロを弾いてしまった、みたいな(笑)。
KEITA :僕も思わず、井出さんの歌詞を見た時、感動してしまいました。曲の雰囲気にピッタリだし、情景がイメージ出来て。哀愁漂う歌は好きです、演歌好きの僕にはたまらない(笑)。
DAITA :あぁ、この曲、一番、演歌っぽいかもね(笑)。



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BINECKS,インタビュー【4/4】 07.06.09

【『Sacred Vision』全曲解説~vol.3~】

<♪M9 「Sweet & Heavy」>
DAITA :これは遡ること5年前、映画『火山高』のサントラをやった時に、オーディションでSEOMOON TAKさんっていう韓国の女性ロック・ボーカリストに1、2コーラス歌ってもらった曲なんですよ。キーは違いますけど。で、今回バーッと10曲くらい作った時に、もう1曲、他のテイストもKEITAに試させたいと思って引っ張り出してきて、急遽、入れることになった、と。結果、入れてよかったなと思います。他の曲とは違うKEITAの一面が出たし。ライヴでも盛り上がりそうじゃないですか?
 ~~ですね、イケイケですもん…ってイケイケは死語ですけど(笑)。
DAITA :確かにイケイケって言葉が似合うような、俺が聴いて育った80'sサウンドも入ってますよ。短い曲ながらヴァラエティーに富んだ要素が盛り込まれてるっていう、意外と。
 ~~この曲を聴いた時、KEITAさんの高い声に特徴あるなって思ったんですよね。
KEITA :そうですかね? 自分では逆に分からなかったりするんですよ、その辺は。井手さんの歌詞がエッチな感じなんですけどーー。
 ~そういうのは得意?
KEITA :というわけではないんですけど(笑)、そういった世界観はロックと繋がりが大きいんですね、僕の中では。
 ~~確かに、80'sの洋楽ロックにはセクシーな女性をモチーフにしたジャケットや、PVが多かったですね。
DAITA :女性をはべらせたりね(笑)。モトリー・クルーとかスゴかったですよね。
 ~~そうそう。
KEITA :っていうのも普通に好きですし(笑)、以前、自分がやっていたバンドでもエッチな曲はあったので、こんな感じに歌えばいいかな?って想像しやすかったし、案外、苦労することなく歌えました。

<♪M10 「Original Beat」>
 ~~この曲はキャッチーなサビで始まりますよね? たぶん、アルバム中、この曲だけじゃないか、と…。
DAITA :そうですね。シンプルなんだけど、他でやってないノリというかグルーヴというか、そういうテイストを出したいなって思っていて。アップ・テンポじゃなく大きなノリで、オリジナルなビートな感じ…ってタイトルのまんまですけど(笑)。なんか、歌詞のテーマになってる、ビビらないで恐れないで突き進め!って感じはKEITAにハマるかなって思って。
KEITA :もう正に、レコーディングに入る段階で、一番、その時の僕の心境が反映されてるような曲でしたね。その当時、DAITAさんに話したようなことが含まれてるっていうのもあって、僕の中では歌詞=自分っていうくらい等身大度が高いっていうか。だからこそ今、自分で聴いていても歌に励まされるところはあるし、あの時の心境はこうだったな、と思い出すきっかけにもなるし。
DAITA :そうだ、1回、KEITAに歌詞を書かせてみたんだよね。だから2人のテイストが言葉にも曲にもスゴく反映されてるっていう。シンプルな曲なんだけど、所々に深みのある曲になったなって思います。

<♪M11 「Deep Pressure」>
 ~~最後の曲も激しくキてますね(笑)。
DAITA :スタッフ・サイドから、もっと激しい曲を作れ!って話もありつつ、ホントに激しいの作っちゃっていいのかな?っていう一抹の不安もありつつ(笑)、やるなら激しい方向へ振り切ろう!みたいな感じで作った曲です。リフをメインにゴリゴリでシンプルでいこう、みたいな。3ピース的な演奏、要するにドラム、ベース、ギターの演奏がBINECKSの根本的な軸になるサウンドだと思っていて。一番そういう要素が強く出ているかな、と。こ洒落た感じは全くなく、ただただ突き進む感じ、ですね。
KEITA :僕は、こういう曲、歌ったことなかったんですよ。
DAITA :で、ガンガン歌わせて病院送りになっちゃった、みたいな(笑)。
 ~~えーっ! 病院送り!?
KEITA :レコーディングに喉のトラブルは付き物かもしれないですけど、この曲で耳鼻咽頭科にお世話になりまして(苦笑)。半端じゃないですからね、声の出し方が。ともすると演奏に負けますから。勝負ですよ(笑)。増してや、こういう感じの歌は歌ったことなかったし、勢いだけでイケると思わせつつ、そうはさせないっていうのもあって。最初の♪Black Out♪だけでも何十回もテイクを録り直したり(苦笑)。
 ~~ひゃ~、何十回も、ですか。
KEITA :声がデカけりゃいいってもんじゃねぇよ、みたいな(笑)。一言一言、ニュアンスもいれつつ、イき上げるのは僕にとって難題でした…。
DAITA :でも、声が潰れる前に録ってたテイクも、治ってから録っていたテイクも場面場面で、それぞれ良かったんですよね。
 ~~歌ったことないようなタイプの曲だと、曲に合う声探しというか、発声をみつけなければいけないっていうのもあったり?
DAITA :それもスゴいあったんじゃないですかね。今の時点でBINECKSのカラー、スタイルは、まだ決めたくもないから、これだけヴァリエーションに富んだ曲を作ったんですね、本作では。その中でもコレは特に異色っていうか。他のどの曲よりも歌の迫力が一番、露わになる感じだし、そういうところが特に重要だったから徹底してやれるところまでやったんですよ。
KEITA :耳鼻咽頭科に通いつつ(笑)。
DAITA :さすがに録り終えた時、”よくやりきった!”って褒めてやりましたけどね、この時ばかりは(笑)。



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 ~~試行錯誤と苦労の末、ようやく完成した1stアルバム『Sacred Vision』。そこに込められた想いは相当強いのでは?
KEITA :それはもう。こうやって出来上がって皆さんの手元に届く段階になった今言 えることは、変に勘ぐらないで純粋に楽しんでほしいってこと。それだけですね。
DAITA
:とりあえず、ストレス発散にはもってこいなアルバム、みたいな(笑)。車をかっトバして聴くのもありだし、家で爆音で聴くのもありだし。いうろんな曲のヴァリエーションがあるから、その日の気分に合った曲を日替わりで聴いてもらってもいいし。こういうサウンドの曲を国内でやってるバンドは他にはいないと思うんですよ。そんな他のどんな音楽とも違うBINECKSのサウンドを体感してほしいし、みんなに広めてほしい。”こんな変わったバンドがいるぞ!”と(笑)。
 ~~”変わったバンド”(笑)。
DAITA :という先入観を持たれても困るので(笑)、まずは聴いてもらって”今後、BINECKSはどうなっていくんだろう?”って思いながら、ずっと追いかけてほしいんですよね。これからどうなるのか?は作った本人すら、わからないところなんで。
 ~~このヴァラエティーに富んだ11曲がずらりと並んだ本作は、BINECKSの色見本みたいだな、と思うんですよね。その中のどの色が、今後、どう際だっていくのか?が先々楽しみでもああり、期待すべきところでもあり、みたいな。
DAITA :正に。実験的に作ったようなアルバムって、大概、変なモノが多いんですけど、コレも例に漏れず変なモノの一つかもしれないし…(笑)。でもクオリティーは、どんな作品にも負ける気はしないし、キャッチーな作品にもなってると思うので。今後のBINECKSにも期待してほしいですね。






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