家賃詐欺


企業の倒産も相変わらず発生している。

そこにつけ込んでたちの悪いビラ・広告をポストに投げ込み家賃をかすめ取ろうとするけしからん連中がいるのでくれぐれもご用心を。

「このたび、○◇銀行の合併に伴い、当社においては取引銀行を△★銀行に変更いたしました。つきましてはご入居者様には来月度の家賃、共益費及び管理費を△★銀行$$支店、普通預金○○○○○○番にご入金頂きますようお願い申し上げます。##マンション管理株式会社」

マンションやアパートのポストにこんな郵便物を投函しまくって、約半年間で数千万円の家賃をかすめ取った輩がいる。

もちろん、あらかじめマンションが賃貸かどうかとか、管理会社について下調べする必要があるが、管理会社の名前はマンションの壁面に記載してあるくらいだから調べるのは簡単である。
しかもこのご時世なので、金融機関が変更されることに疑いを抱く人は少ないといえよう。
きちんと印刷された用紙には念を入れて、「なお、すでに銀行口座よりお引き落としのお客様はこの限りではございません」などと書き、本物の管理会社に問い合わせなどされないように、しかも無作為に投函していることが不自然に思われないようにとうまく用心する周到さもあるようだ。

金融機関によると、家賃は引き落としと振込との割合が、全国レベルではまだ半々とのこと。
ご丁寧にこの封書には振込用紙まで添付されてあり疑いもせずに指定口座へ入金する人が続出した。

何しろ、手紙の差出人が自分のマンションの管理会社なのだから、切手も貼らずにポストに投函されていても不審に思うこともないだろう。

家賃の横取りは銀行に口座を設けているぶん、あしがつきやすいようだが、入金されるのは月末が相場だし、ほとんど一日で済むから、すぐに引き出してしまえば問題ないわけである。

しかも、振込でも引き落としでも、家賃の支払期日はたいてい二段構えになっていて、月末に入金できなければ、翌月始めに入金すればよい仕組みになっている場合が多い。

管理会社が大きくなればなるほど、入金状況は最終段階に近いところでチェックするため、詐欺師にとってはなおさら逃げるのに好都合な時間差を与えてしまう。

したがって、意外なことに、ゼネコン系や大手不動産系のマンションなどがターゲットになりやすい。
とくにオートロックで管理人が常駐しているところなどは、住人が防犯管理に安心感を抱いているのでかえって狙われやすいといえる。

管理人がいても、ポストに投函するくらいは誰でもできる。
宅配ピザやダイレクトメールと同じようなものである。



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