野呂美加さんの講演会 4 - 1
http://www.youtube.com/watch?v=dSxNzfKO92w&feature=related
……何回かそういうやりとりがあって、こういうふうに、この奥さんもやっぱり高汚染地帯から移住した奥さんで移住者同士なんですけど、手紙を送ってくれて、本当に子どもの健康を思う気持ちがわかった、親の気持ちが、うるさいなと思ってたけど、今、わかったって。子どもを持ってね。そして、本当にこの子を連れてベリー摘みにも行ったり、キノコ摘みに行けないのが残念だって書いて手紙を送ってくれたんですね。
この子たちは、私はうそを絶対つかないなと思いますよね。うそをつくというのは、放射能が体に影響がないとか、そういうことを言ってる人に、はい、はい、そうですねってついていく人ですね。でも、この子たちは絶対そういうことは言わないと思います。
私は、日本にいても、そういうことを言っても誰も聞いてくれる人もいないし、何か中途半端な感じがして、ベラルーシの人たちのとこ行くと、ほっとしてる部分はあったんですね。放射能はあるけど、こっちのほう、こんなに放射能は大変なんだということをわかってくれてる人の中にいるほうが精神的には安定するというか、そっちは真実なわけですから、それは本当に思いました。
このアンドレイも、お父さんが消火作業のあれで、やっぱり五、六年で亡くなっちゃったんですね。で、その亡くなり方というのはがんじゃないんですよ。例えば、血圧の異常というのがあるんですけど、突然血圧が急激に上がって、急激に下がって、急激に上がって、急激に下がってという、そういうような状態になって、ばったり亡くなったそうなんです。
で、このアンドレイ君のお母さんが、やっぱりその病気の花束を抱えている子が、お父さんが亡くなると、もうショックでショックで物も食べられない状態になって、それで、いつ発病してもおかしくないというぐらいお医者さんに言われたという、で、アンドレイのお母さんが、野呂さん、お願いだから、もうアンドレイを保養に連れてってくれないか、いや、ちょっとそんな、いろんな人数の制限あるしとか、いろいろ言ってたら、お願いだ、もうお願いだっていって泣いて、もう私の命をあげるから連れてってくれっていって、本当に足首つかまえるような感じで懇願したんですよね。
で、もうアンドレイは 2 年ぐらい前に 1 回保養に出てるので、私たちのルールでは 1 回保養に出た子はちょっと難しいというふうに断ったんですけど、もうお母さんから、命を持ってってくれみたいなことを言われて、私ももう絶句したんですね。
それで、本当に生活も大変で、子ども、このままアンドレイが本当に亡くなっちゃうのも嫌だし、新しいそういう 3 カ月保養というシステムを作って、 12 年ぐらい前にそういうのを作ってやりました。で、日本語をその代わり覚えてもらって、みんなの通訳をやりなさいよという、そういう役割はありました。たまたまこの子はそういう語学のセンスがあった、役割を、お母さんの話を横で聞いてましたから、私の命をあげるから連れてってくれという話を横で聞いてて、じゃあ、その代わり、あんたのミッションは日本語を 3 カ月で覚えるというミッションだったんですけど、覚えましたね。
私、この親子の根性にはかなわないと思ったんですけど、で、これはお母さんですね。恋人じゃないんですけど、お母さん、若かったですね。二十歳で妊娠して 本当にアンドレイのお父さんもレスキュー隊で亡くなったんですけれども、何か本当に私は消防士さんたちとか、自衛隊の方に千羽鶴を持っていって、東電さんは別の裏ルートで渡してるんですけど、まだ渡ったとは聞いてないです。自衛隊の方は、本当に福島の部下に渡したって言ってました。
で、アンドレイが大きくなって、お父さんみたいに国を守る人になりたいっていって軍隊に、学校に入ったときに、一番の健康児だと言われたといって、お母さんが泣いて私たちに、一緒に子育てしてくれてありがとうというふうに言ってくれたんですね。
で、本当に私たちも息子のように思っています。やっぱり 3 カ月の保養というのは、彼の場合は 2 回やったのかな。
これは保養から帰ったところ、ちょうどお母さんたちと 1 カ月ぶりに子どもたちが、 1 カ月、外国、言葉も話せないところでよく頑張りましたというか、もう本当に子どもたちもいっぱいいっぱいなんですね。
これは政府の言ってるレントゲン 1 回浴びる程度だからというのは、うそなんですね。うそというのは、レントゲンは瞬間だけなんですよ。でも、レントゲンを浴び続けてる状態なんです。この何.何マイクロシーベルトはレントゲンと同じですよじゃない、レントゲンは瞬間ですよね。でも、今、 24 時間それを照射されてるのと同じ状態になってるわけですから、高汚染地帯の人は、子どもたちをすぐさま移動しなければいけないんです。
とにかく抵抗力が落ちるんですから、これはレネット(?)って、キャンディ・キャンディって昔、漫画があったんですけど、その原作者の方が保養運動のことをちょっと小説に書いてくれたんですけど、リンゴの、さっきペクチンのお話をさせていただいたんですけれども、そういう、彼女はまだそこまでの話は知らないで象徴的な子どもの持ってきたレネットというリンゴのお話を書いたんですけれども、リンゴが最後、そういう形で子どもたちを助けてるんだよなと思いながら見てました。
これは札幌でよくやってるんですけど、ここをもうちょっとガムテープでとめて、女性の方はシャワーキャップをちゃんとかぶって、そしてこういうところもガムテープでとめて、これは下も雨合羽のズボンをはいてるんですけど、ここにゴム手袋をかけて、ガムテープでこうくるんで、そういう形にすれば、もし何か避難しなきゃいけないような場合は、、こういうものをして、それは防護服と同じになるんで、とりあえず避難所に着いたらこれを脱ぐという形で、絶対肌に付けない、吸い込まない、それから食べ物から体に入れないという鉄則ですね。
特に慢性の、ちょっと話は戻るんですけど、慢性の症状の場合、風邪ととてもよく似てるんですね。だから、今、日本のお医者さんはそういう慢性病の子どもを診たことないですから、多分、病院に連れてっても風邪だと言うと思うんです。
それからもう 1 つ、チェルノブイリでは、こういう、さっき病気の花束の子どもの図があったんですけれども、そういう子どもたちの血液異常というのはなかなか出ないんです。血液での異変というのは出ないと言ってました。ただ、貧血気味とか、そういうのは出るけれども、血液を採っても、何が異常というふうには出てこないと、ただ子どもたちの症状として、そういうふうに出てくるという、身体自覚症状ですね。子どもはあんまりそういうふうに自分のことを言わないんですよね。どこがどういう状態であるとか、こういう、おれは心臓痛だからさとか、何となくちょっと痛いから、おなかが痛いともあんまり言わないんですよね。何かぐずってみたりとか。で、それで 血液採っても、血液検査に異常がなくて、風邪ですねと言われて薬出しておしまいなんです。
だから、それよりは、やっぱりちょっと自分でお母さん、危ないなと思ったら、放射能のないところに連れていくとか、きれいな食べ物を食べさせるとか、そういう注意はやっぱり必要だと思います。
大人の症状なんですけれども、大人も同じような症状があってもおかしくはないです。大人の場合、自律神経失調症とか、睡眠障害、これはみんななってると思います。あと、心臓が痛いとか、血圧ですとか、同じですね、ほとんど。あと、風邪が治らない、それからだるい、これは何かというと、これがずっと慢性化しちゃうということなんです。
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