イタリアでモロッコごはん

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Delizia

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2004/09/28

前回のつづきで～す。

クァ～ッと眠りこけながらフィレンツェに２２時３０分着。
やっとローマ・フィレンツェ間のこの飛行機で熟睡できただけで
日本を発ってからほぼ２４時間眠れなかったので、もう目も開かない状態で降り立つ。

飛行機からは荷物受け取り場所まで徒歩でテクテク歩かされる。
規模的にかなり小さいのと、いつも何かチェックする人もいない
夜のフィレンツェ空港を「バス停空港」と勝手に命名している。

バス停空港では係官など誰もいないのだから
スーツケースを受け取ったらすぐ自動ドアをくぐって外に出れる。

なんてことを眠いながらも頭の片隅でシュミレーションしていた。

しかーしそれは日本人の私１人のときだけ通用するシュミレーションだったのだ.....。

今回は夫もいたのを忘れていた。

夫は見るからにヨーロッパの人ではない
イタリア人からすれば「ちょっと要注意しなければならない異人」なので
大抵の人が素通りするゲートで呼び止められる。

思考能力ゼロで降り立った私達は、出口直前で夫が先、私が後ろを歩いていた。

すると夫が脇に立っていた警備員に
「ちょっといいかな、何か買ってきたものある？」
と呼び止められた。

買ってきたもの.....。

ずっと欲しかった日本モデルの時計。
品質の良いたくさんの日本製品。
それに加えて私のパソコン、デジカメ、etc...。

夫は何も考えず
「はい、買ってきましたけど。」

私は大抵何か買ってきていても「ハイ」なんて言ったことはない。
めんどうなことは本能的に避けてきた。

しかーし、この夫、何を「ハイ」なんて答えとるんじゃいっ。

私はもうその「ハイ」を聞いた時点でビックリだった。

「じゃぁ、こっち来てくれる？」
と警備員に誘導され、夫は荷物をチェックされ
次に出てきたのは....税関のヒト。

ヒェ～ッ！この税関のヒト、すんごい顔してる。
あんたら、逃がさないよ！って顔してる。

私は正直、この時点で今後何が起きるのかわからなかった。
「ハイ」と素直に答えた経験はないし、
このように捕まっている人のことも見たことがなかった。

なので夫にどうフォローしていいのか解からなかった。

「このパソコン、買ってきたの？」と税関員。
「ハイ」と夫。

それはもう箱からパソコンケースに移してあるんだから
もともと私のだって言えただろぅー！（後ろで怒る私）

「後は何を買ってきたの？」
「時計。」

「いくらしたの？」
「○○ＥＵＲＯ。」

「では、それらの金額から税金として２０パーセントいただきます。」
「えええええっ？」

驚く夫。

「今払えなければ、このパソコンはこちらで預かっておくから。
　３ヶ月の猶予期間内にお金持って取りにきて。」

次の瞬間怒り狂う夫。
事務所にまで入り込んで税関員からパソコンを取りかえそうとしている。

「ちょっと、お話にならないから奥さん、入って。」

と言われ、しぶしぶ入る私。

「で、どうすんの？」
「いやぁ、もうここまできたら払わなければいけないんでしょうけど
　お金持っているのはあの狂った夫なんですよねぇ。」

私は何よりシュミレーション通り帰るのを望んでいた。
外でゼーハーしている夫に、後日取りに来るのなんてイヤなことを伝えお金を出すように言った。

税関員は
「仕方がない、金額は１０００ユーロにしておいてあげるわ。
　その２０％の２００ユーロいただくから。
　あんたら本当はもっと買ってきているの知ってるんだから。
　よかったと思いなさい。」

　　　　ム.......。

もっともっと買ってきた時でさえ、ハイと言わなければ
こんな金払わずに済んでいたにもかかわらず...ウッ...（悔）

しかし、無人空港にも、出てこないだけで人はいたんだということが判明。

この天然ボケ夫と旅するには、ゲート前のこういったチェックを私が前に立って注意深く回避しなければならないらしい。

やっとのことで解放されてタクシー乗り場へ。
次回からは「ハイ」と言わないよう、こっぴどく注意する。

175EURO以上の外国で購入した製品の持込には20％の税金がかかるそうなのでみなさんもご注意ください。
こんな風に止められることはなかなか無いとは思いますが。

200EUROで済んで良かったんだか悪かったんだか
とにかく疲れた旅の終わりでした。

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