かわいい金魚**

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反回神経麻痺のこと



2003年に受けた甲状腺の手術の後に、声が出なくなりました。

右側の声帯を動かす反回神経が麻痺したのでした。


甲状腺と反回神経はとても近いところにあります。
甲状腺に出来た腫瘍が、反回神経を巻き込んでしまうということもあり得ます。
その場合は、声枯れの症状が先に出て甲状腺の腫瘍に気付く、というパターンもあるようです。

そして反回神経はとても細くデリケート。
ちょっと触っただけでも麻痺してしまうようです。


声が出ないって、とってもつらいことです。
まず、コミュニケーションを取るのに苦労します。
伝わらないのですから。

伝えようと必死にしゃべると、ものすごく体力を使い、疲れるんです。

声帯は、2枚の弁がふるえ合って声を出しています。
声帯が、気管から出る空気の量をちょうどよく調整してくれるのです。
ほんの1ミリでも左右の声帯の間に隙間が開いてしまうと、声が枯れるのです。

私の場合は片方が最大限に開いた位置で麻痺してしまったので、声を出そうとすると、麻痺の無い人よりも空気の漏れる量がとても多いのです。
これは本当に、この状態を経験しないとわからないのですが、ものすごく体力を使うのです。ちょっと喋っただけでも、息切れ状態です。


このままの状態で一生を過ごすなんて、絶対耐えられない…(ToT)

ネットで色々調べていた時、声を出すようにする手術の存在を知りました。
その手術を経験した方と、メールのやり取りをすることが出来ました。
色々調査した結果、私は京都の一色クリニックに行く事に決めました。

「どうして一色先生に決めたのですか?」とよく聞かれるのですが、
これは自分の直感です。。
東京にも同じ手術が出来る病院があるのですが、私がピンと来なかっただけなんです。


そして、甲状腺手術の翌年、京都で喉頭枠組手術を受けました。
正確には、甲状軟骨形成術1型と披裂軟骨内転術という手術です。
簡単に言うと、麻痺している声帯のところに板を入れたりして声帯を正中に移動させる手術です。

手術ベッドに横になり、局所麻酔での手術です。
目隠しはありますが、首以外は感覚もあるし意識もしっかりしているので、かなりきつい状態です。ただ、声を出しながら声帯の位置を調整したいので、この状態がベストなのです。病院によっては、意識をもうろうとさせるところもあるようです。
手術時間は3時間弱くらいでした。


現在の声の状態ですが、私の場合はまずまず良いです。
日常生活する上ではほぼ問題ありません。
ただ、雑踏の中や、数人が集まってわいわい話をしている中では、声は通りません。
大きい声も出ません。でも、なぜか歌声はまずまずいけます??
他の方の体験を聞くと、とても効率よく声が出るようになったという方もいらっしゃいます。

麻痺は治らなくても、声を取り戻すチャンスはあります。
あきらめずに、まずは受診してみてください。

一色クリニック:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/isshiki/index.html
一色信彦医師の著書:声の不思議 診察室からのアプローチ

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