新電人房 別室『十畳』

わっ!

物陰に隠れて、人が通った時に、大きな声で 「わっ!」

子供の頃に一番よくやった悪戯です。

私の場合、高校生になっても同じ様な事をしていましたが…。
(はっきり言ってアホです)

高校の時、生徒会活動をやっており、夜遅くまでなる事も頻繁にありました。
で、各教室に「○○委員会のお知らせ」という張り紙を貼って回る作業は大体、一番最後、つまり夜に行われていました。

私の代は、体育委員会の委員長を女子生徒(以下、キヨベエ)がやっており、一人で22の教室を回るのは大変だからと、いつも財務委員長の女子生徒(以下、いっちゃん)が手伝っていました。

ある日のこと、文化委員長の男子生徒(以下、まー坊)が私に悪巧みを持ちかけます。

まー坊:「なあ、ちょっとキヨベエといっちゃんをビビらせようか?」

嫌がる私をまー坊が無理矢理連れて行きます。
まー坊は、もう一人の男子生徒、庶務のあっくんも連れて行こうとしましたが、生徒会室をカラにはできないと、断れました。

私  :「おい、FMマイク持って行って実況中継せいや。あっくん、学ラン貸して!それと懐中電灯と」
まー坊は、元々放送部なので、その手の事はバッチリでした。
当時私は私服で学校に行っていたので、小道具代わりにあっくんの学生服を借りて準備万端。
まー坊と嫌がる私は、彼女達のコースを先回りし、3年生の教室で待機しました。

真っ暗な教室。
そこで、私は学生服を脱ぎ、椅子を積み上げ、その椅子に学生服を着せました。
(首なしの男子生徒の出来上がり)
私はその側の机の下で息を潜めて待機。
まー坊は、廊下のロッカーの陰で息を潜めて待機。

彼女達が近づく音がします。
教室のドアは開く音…。
と同時に教室の電灯が灯りました。

「ひっ!」
いっちゃんの息を飲む音を合図に私が、「ふんが~!」と立ち上がります。

「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁああああ!」
物凄い悲鳴をあげて、いっちゃんは廊下へ走って行きます。
それに続いてキヨベエも、悲鳴をあげながら走って行きます。

しかし、その先には…。
そう、まー坊が控えています。

いっちゃんが近づいた頃合を見て、「うが~!」と立ち上がります。
「びえええぇぇぇぇぇぇえええぇぇぇ!」

そのまま、いっちゃんは、向きを変え走って逃げます。
しかし、動転しているあまり、正確に180度向きを変える事ができずに、ロッカーに激突。
しかし、走る事をやめずに、2度、3度とロッカーに激突します。
(当時ビリヤードをやっていたら、『押し殺し』と呼んでいた事でしょう)
既に廊下で座り込んでいたキヨベエと激突するまで暴走いっちゃんは止まりませんでした。

やっとの思いで、我に返ったいっちゃんとキヨベエ。
私達に対して、怒りをぶつけます。

私  :「ほら、だからイヤや言うたんや」
まー坊:「何言うてんねん、お前の方が乗り気やったやんけ」

そんな会話をしながら、私達四人は生徒会室へ戻って行きました。

生徒会室では、留守番のあっくんがマンガを読んでおり、我々が入って来たと同時に顔をあげて一言。

「マイクいらんかったで。ここまで悲鳴が聞こえた」
生徒会室は別の階にあります。

後でわかった事ですが、いっちゃんはロッカーとの激突で、青タン(青アザ)が出来ていました。
本当にまー坊は悪いヤツだ。

当時、私はいっちゃんの事を「憎からず」と思っていました。
(だって、かわいかったんだもん)
しかし、それ以来いっちゃんは私に対して心を開いてくれませんでした。
(もとから、心は開いてくれていませんでした)
まー坊め、お前が私をそそのかすからだ!

そんないっちゃんが、卒業式の日に私にこう言いました。

「何年寿命が縮んだ思ってるんよ」

ごめんよ、いっちゃん。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: