魔法戦記　第一章

魔法戦記　第一章　「序曲」

時は魔導創世紀２１１５年・・・・
この時、人間は禁断の学問に手を触れてしまった・・・
それぞ「魔法学」である・・。森羅万象の真理を研究し、そこから人の業でない力「魔法」をうみだす、というもので、その研究の度に森は狩られ、川は枯れ、自然がだんだん消えていった・・・。
そんな中一人の子が生まれた。魔法学者アヴァル・レイムの娘、クェス・・・。彼女は後に悲劇にあい、最終的には自刃し短い生涯を閉じてしまう・・・。
全てはここから始まった・・・・。

その後クェスは父に聖ラヴィス国にある聖ラヴィス大聖堂へとつれられた。
「お父様、私をここに連れていったい何をする気なの？」
「クェスよ、今の状況が分かるだろう。今、この地上と天界が争っているんだ。奴等はこの地上を奪い、この地を新たな天界としようとしているのだぞ！！お前はこの私の血を受け継いだ魔法剣士になるにふさわしい存在なのだ。」
「それでいままで私を聖堂騎士団『パラディーン』に入らせるために、剣術や魔法を教えてきたのね・・・。
「すまないと思ってる。しかし、天界から地上を守るためには仕方がないんだ！！お願いだ、クェス！！
「・・・。分かったわ。できるだけ頑張ってみるわ・・・。」
こうしてクェスは聖堂騎士団『パラディーン』に志願、聖騎士になった。このときクェスは１８歳だった

魔導創世紀２１４５年、天界と地上は本格的に戦争を始めた・・・。第一次天地大戦である。
クェスは１０００もの兵を率いて、この戦争に参戦していた。この時クェスは３０歳、いまや『パラディーン』の団長にまでのぼりつめていた。
「団長～～～、まさか戦うのが怖いのですか？？ふふふっ。」
兵の一人アゼルが茶化すような口調でクェスに話しかけた。
「茶化さないでアゼル・・・、あら？ラシード冷や汗かいてるけど、ははあ、もしかして戦うのこわいとか～～～♪」
「（ギクゥッ！！）い・・・いや、こ・・・怖くなんか、な・・・無いですよ・・・。」
するとクェスは真剣な顔をして、ラシードにこう言った。
「あたしも本当は怖いわ・・。だって、相手は神聖な地天界・・・。どんな武器を使ってくるか、どんな戦術（タクティクス）で攻めてくるか、分からないもの・・・。」
「団長・・・・。」
その時突然誰もいない所から羽を生やした人間が現れ、こちらに向かってビーム弾を撃ってきた！！
「隠蔽戦術（ステルス）！！？みんな魔力障壁（シールド）を展開してっ！！！！」
クェスたちは手を前に突き出し、半球状のバリアを張った！！
「ぐわあっ！！」
魔力の弱い者のシールドは、ことごとく砕かれ、ビームに撃ち抜かれどんどん息絶えていった・・・。
「なっ！！もう抑えきれない！！！うわああ！！！」
アゼルのシールドもついに砕かれ、腹を撃ち抜かれた。
「アゼルッ！！！」
クェスたちがアゼルのところまで駆けつける。アゼルからは大量の血が流れていた・・・。
「だ・・・団長・・・。すみません・・・。やられちゃいました、ハハハハハハハハハハ・・・。」
「アゼル・・・・。」
「団長、早く先へ行って・・・ごほっ！！！」
アゼルは大量の血を吐いた。
「アゼル、もうしゃべらないで・・・。死んじゃうよ・・・。」クェスは涙を流しながらいった。
「情けないっすね・・・。あなたは団長ですよ・・・。泣いてどうするんですか・・。」
「アゼル・・・。」
「あ・・・後は頼みますよ・・。守って・・ください・・ね・・・この地・・・を・・」
アゼルは、優しい顔をして、静かに永遠の眠りについた・・・。
「アゼルーーーーーーーーーーーーーーッ！！！」
「畜生ぉーーーーーーっ！！！よくもアゼルをぉーーーーーーーっ！！！」
ラシードは天界軍の兵に向かって剣を抜き、突き走っていった。
「てめえ等ぁっ！！！絶対に許さねぇーーーーーーーーーーっ！！！！！秘奥義・黄泉平坂（よもつひらさか）の舞！！！」
ラシードは思い切り跳び上がり、天界軍兵めがけて強烈なかまいたちを放った！！！
「ぐわあーーーーーーーーーっ！！！！」
天界軍兵は、かまいたちに斬り刻まれた。
「くっ！！！総員！！！あの地上人めがけて魔法攻撃をかけろっ！！！」
「 天界、極楽浄土、地上、霊界、地獄に眠りし超古代の力よ・・・。今その眠りを醒まし、我に究極の破壊の力を与えよ ！！！」
「そ・・・その呪文は・・・、まさか！！！！？ラシードッ！！！シールドを張ってっ！！！！」
「 超臨界爆発魔法（ヴェスヴィウス） ！！！！」
すると、ラシードの体に紅い光が集まってきた。
「ま・・・間に合わない・・・。団長ぉーーーーーーーーーーーーっ！！！！！！」
ズグァアーーーーーーーーーーーーン！！！ラシードは跡形もなく吹き飛んだ・・・。
「ああ・・・、ラシードまで・・・・・。」

すると、天から虹色の隕石のようなものが地に向かって落ちてきた。ものすごい振動と共に虹色の光が放射線のごとく戦士達に降り注いだ。
不思議なことに、この光を浴びた天界軍兵たちは、どんどん消滅していった。やがて天界軍は撤退し、第一次天地戦争は終わりを告げた・・・。
すると、虹色の光を浴びたクェスの頭になにやら紋章が浮かび上がった。
「あれ・・・。なんだか力があふれてくる・・・。」
世界中でも光を浴び、紋章をもった人が出始めた。この人々は、後に超絶魔力寄生人種『ブレイヴナイト』と呼ばれるようになる・・・。
しかし、この光は、ブレイヴナイトばかりを生み出すことはなかった・・・。そう、悪夢はここから始まった・・・。
この光に「選ばれなかった」、つまり、魔力が弱い人たちはこの世では存在しないものへ突然変異した。後にモンスターと呼ばれる存在である。
そして、クェスの味方の中でクェス以外全員がモンスターに変異してしまった・・・。その中には、死んだはずのアゼルも含まれていた・・・・。
「どうして・・・・。みんな・・・、うそでしょ・・・・・？」
「グァアアアアアアアアッ！！！！」
かつて味方だったものがクェスに襲い掛かってきた！！！クェスは攻撃を防ぎながら、
「やめてっ！！！あなたたちとは戦いたくないの！！！お願い！！！やめてっ！！！」
しかし、もうクェスの言葉は、モンスターには聞こえなかった・・・・。
「やめてぇーーーーーーーーーーーーっ！！！！」
「グッ！！！」
突然クェスの体が激しく光った。クェスのなかで虹色のクリスタルが光を放ち、クェスは全く違う姿に変身した・・・。
一瞬の出来事だった・・・。クェスが地面に手を当てると、クェスを中心として、半球状に大爆発が起こった。モンスターたちは爆発に巻き込まれ、肉片を散らして吹き飛んだ。
クェスが我に返ると、目の前にはかつて仲間だったものの死体が散らばっていた・・・。
「ごめんね・・・・。ほんとうに・・・、ごめんね・・・・。あたしもあなたたちのところへ逝くから・・・。」
クェスは自分の胸に剣を突き刺し、息絶えた・・・。こうしてクェスは３０年という短い生涯を閉じた・・・。
時は魔導創世紀２１４６年。この時から、新たな魔導創世紀が始まろうとしていた・・・・。第二章へ続く・・・。

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