魔法戦記 第九章

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魔法戦記 第九章「JENOVA」(第一節)


あの覚醒の刻(とき)から一ヶ月間・・・、シークはまるで死んだかのように静かに眠っていた・・・・。その一週間前にはリョウコが普通に歩けるくらいまでに回復した・・・・。すっかり元気になったリョウコは、時折シークの病室を見に行きシークを見守った。
「シーク・・・。ありがとう・・・、あなたがいなかったら今頃あたしは死んでいたかもしれない・・・。アリアから聞いたわ・・・。あなたでしょ、あのモンスターを倒してくれたのは・・・。本当にありがと。」
リョウコは一週間前からこのようにシークに話しかけていた・・。そして一週間後、シークの意識が回復した・・・。シークは思いっきり背伸びしてベッドから降りようとしたら、リョウコがベッドの横でうつぶせのまま寝ていた・・・。
「リョウコ・・・。なんで俺のとこで寝てんだ・・・?っていうかここどこだよ!!!?」
シークは部屋を抜けた・・・。するとそこに騎士兵アリアの姿があった・・・。アリアは微笑みながらシークに話しかけた・・・。
「おはようございます、シーク様。一ヶ月も寝ていたのですよ。」
「いいっ!!!!お・・・俺、そんな長い間寝てたのか!!!?」
「はい。それにしてもシーク様はもてますねぇ♪リョウコ団長は元気になってからあなたが目を覚ますまで見舞いに来てくれたのですよ。」
「リョウコが・・・・・。あっ、それよりもあなたのこと何も聞いてなかったんだ!!」
「あっ・・・、失礼しました・・・。私はアリア・・。観月ありあです。『パラディーン』の一員として頑張っています。」
「何かリョウコの名前と感じが似ているな・・・・。」
「私も東の国から来たものです・・・。」
「へ~・・・。どうりで・・・、それでここはいったい・・・?」
「聖ラヴィス大聖堂の治療所。つまりもう大聖堂の中にあなたはいるという事になります。」

聖ラヴィス大聖堂・・・・。ここは世界一の大きさの大聖堂で、毎日ラヴィス教徒でいっぱいになる・・・。この大聖堂でもっとも有名なのが『最初のブレイヴナイト』であるクェス・レイムの巨大な像、そして『聖堂四聖剣』のうちの『炎』の聖剣『クリムゾン・カリヴァー』が封印されていることである・・・。
「シーク様、まず一つ聞きます。ここでもっとも信仰されてる宗教は?」
「えっ?分かんないよそんなこと・・・。」
「・・・・、ふう。どうやらここの文化についていろいろ説明しなければなりませんね・・・。覚悟はいいですか?」
「へっ!?」
そのころ、リョウコは食堂でカレーライスを食べていた・・・。するとなにやらはっと気づいてから、がっかりしながらこういった。
「そうだった・・・。シークは聖ラヴィス来たの初めてだったんだ・・・。しかもシークにはアリアが一緒・・・。と、言うことは今頃アリアの超長うんちくトークにつき合わされているな・・・。可愛そうに・・・。」
その予感は・・・・・・、
「聖ラヴィス教とは神学者ラヴィスによって開かれた宗教で、この宗教では月の女神ルナ・・・、別名『聖天処女ルナティエル』を最高神としています・・・。それで月の女神ルナとは・・・・・・」
「ひぃ~~~~、いつまで続くんだこのうんちく話は~~~~~~~~っ。もう二時間くらいたってるぞ・・・・。」
・・・・・的中した。リョウコってひょっとして超能力者?もしくはニュー・・・・おっと、この先を言うと著作権に引っかかるのでやめにしよう・・・。もちろん、アリアのうんちく話は四時間くらい延々と続き、終わった頃のシークの顔はもはや生気も感じさせないような顔になっていた・・・。
「あら・・・もうこんな時間に・・・。ふふふ、本当に時の流れは早いこと・・・。さっ、聖堂へ戻りましょうか♪」
「(あんたの話が長すぎるんだよ・・・・。)はい・・・。」

「あっ、お帰り~~~~♪」
すっかり太陽は沈み、夜になった・・。アリアの『恐怖の激長うんちく話』のせいか、シークにとっては夜が更けるのが早く思えた・・・。
「じゃあ、私はここで・・・。いろいろ次の任務遂行の準備をしなければいけないので・・・。リョウコ団長も早く来てくださいね。」
アリアはそう言いリョウコたちのところを離れていった。その後リョウコはシークを空き部屋までつれて行った。
「まあ、いろんな話は明日聞くことにして、今日はここで休んで。シャワールームも部屋の中にあるから・・・。」
「うん。ありがとう・・・。なあ、さっきアリアさんが言ってた任務って何だ?」
「まあ、それも踏まえて明日話すから・・・。今日ようやく目を覚ましたばっかなんだから、ゆっくり休みなよ。」
「ああ・・。それじゃあお休み。リョウコも無理に体使うなよ・・・。」
「うん。お休み・・・。」

翌朝・・・。リョウコとアリアはシークを実験室らしいところへ連れて行った。そこにはやたらと計測器のようなものがおいてあった。
「ここは・・・・?」
「シーク・・・、イザレス団長から言われたことを今言うわ・・・。団長は『もしここにシークってやつが来たら、リョウコ、お前の方からあいつにパラディーンに入るよう言ってくれないか。もちろん入隊試験もやらせてな。えっ、シークって誰か?俺の息子だよ。たしかお前と同じくらいの歳だったような・・・。』って言ってたわ。」
「・・・で、今からその入隊試験とかいうやつやるのか?」
「まあ、入隊試験っていってもただあなたの能力を測定してその良し悪しで決めるんだけどね。」
「ふーん・・・。じゃあやってやるよ!!俺も今の能力どれくらいか自分の目で見たいからな!!」
こうして、シークの『パラディーン入隊試験』が始まった。いったいどれくらいの能力を秘めているのだろうか・・・。

「ルナ・・・、今はへたに外へ出ない方がいい・・・。『パラディーン』のやつらに見つかるぞ!!」
そのころ、ある地では謎の男がルナと呼ばれる女性と共にいた・・・。
「ええ、分かりましたわジェノヴァ・・・。だけどなぜ『パラディーン』と呼ばれる方たちに見つかってはなりませんの?あの方たちもあなたと同じ人なのでは・・・」
するとジェノヴァと呼ばれる青年は、かなり『パラディーン』に恨みを持っているのか、怒り気味な口調で言い返した。
「同じじゃないっ!!!!あんなやつらはただ人の皮と『聖堂騎士団』という殻をかぶったただの強欲な悪党のあつまりだっっ!!あいつらが・・・俺の・・・俺の父さんを・・・殺したんだ・・・!!」
「ジェノヴァ・・・。」
「だからあいつらの前に姿を見せるな・・・。見つかったらあいつらに・・・父さんの様に実験台にされて・・・・。」
ジェノヴァ・・・、この名前は第二章で見かけたと思う・・・。あの忌まわしきウロヴォロス蘇生実験で死んだ189番カプセルにいた男の息子である・・・。名はジェノヴァ・・・姓はプレズレン・・・。

再び場所を戻して聖ラヴィス大聖堂では・・・・
「ねえ、シーク・・・昨日言ってた任務について・・・、今から話すわ・・・。」
「ああ、俺も是非聞いておきたいからな・・・。」
「任務は・・・、『パラディーン』の脱走兵であるジェノヴァ・プレズレンを聖ラヴィス国へ連れ戻すことよ・・・・。」
第十章へ続く

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