裏読書日記

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2005年03月13日

『月読』太田忠司（文藝春秋）

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人は死ぬときに月導というものを残します。レリーフであったり、虹であったり、石であったり。その形態は様々だけど、そのものには必ず死者の最後の念が残っていて、それを読み解くことができる人が月読と呼ばれる。
そんな世界に起こったある殺人事件の話。

ファンタジーに思えるけれど、この設定を除けばまったくもって我々の日常そのものが目前に繰り広げられます。そして月導も単なるダイイングメッセージとしては使われないところがひねりのあるところ。
ぶ厚くてぎょっとしたけど、世界に入り込んでスラスラ読めます。さすが太田さん。この引き込まれ感は心地よかった。
でも最後のサプライズはあんまりだったかな。びっくりしなかったんっすよ。

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