死にたくないんでしょ　生きたいんでしょ



死にたくないよ　そりゃあ人間だからな

次が最終回。
９回裏、逆転満塁ホームランがあるんでしょうか。あったらいいな。…………でも

このドラマ、何から何まで信用できねぇ！（￣□￣；）！！

だってさあ！伊豆屋さんだけは、伊豆屋さんだけは、「大事なのは心」だっていうファンタジーをリアルだと信じさせてくれる存在だと思ってたのに。

思ってたのに。

思ってたのに！！

ファンタジーは幻想であって、現実にとってかわるものではありませんでした。


「黙っててやるよ　警察には黙っててやる　だから　金寄越せ」
「家族を　皆を守るためだったら何だってやるわよ」
「そんなのどうだっていいのよ　お金！」

せめて、お芝居の下手くそな大根役者でキャストを固めてくれてたら良かったのに、演技派俳優ばっか集まってるせいで、虚像のはずなドラマが実像というリアルに代わりかねません。

ただの紙に過ぎないお金に、人を狂わせる何かがある。

それを、松山ケンイチをはじめとする演技派俳優さん達が克明に描き出すドラマは、ただただ救いがありません。

「世界がね　歪んで見えるんですよ」

もうね、ほらね、あのね、松山ケンイチの 躁鬱のメーターが振り切れた演技

を見てるとね、泣いて、叫んで、慟哭して、嗤って、諦めて、呆然として、泰然として、諦観して、達観して、観念した演技を見てるとね、ただただ、テレビの前に据わり続けるしか出来ません。

「僕が間違ってなかったって分かったからですよ」

「私が見届けてあげるわ　約束どおり」

導火線に火をつけて、自らロープを巻きつけ、後は死を待つばかりの状態で終わりました。
次回、最終回。
風太郎が生きてるのか、死んでるのか。どっちの展開でも、驚きはしても納得はできそうです。

ただまあ、殺伐としたドラマに咲く一輪のタンポポだった伊豆屋さんまでお金のせいで壊れてしまった今となっちゃあ、どんな予想をしたって無駄だとしか思えないっつか、もう、何もかも信用できない人間不信ならぬ「銭ゲバ不信」となっちゃったせいで、

「金だ　金があればいいんだ
　金持ちになるんだ　金持ちになって幸せになるんだ
　幸せになるんだ　金持ちになって　幸せになってやるズラ」

いい意味と、悪い意味の両方で予想を裏切り続けたこのドラマ。
最後まで失速することなく奔り続けてくれますように。

紅弥さん、コメントありがとうございました！「どこか生き急いでいるような印象」というのは、これ以上ないってくらい同感です。それだけ、神懸かってるってことなんだろうなぁ。リアルに松山ケンイチの演技を見ることのできる幸せってのをただただ噛み締めるばかりです。