18章～灼土の地～
辺りは荒廃した土地で、見渡す限り、茶色の地面が剥き出しになり人おろか動物の気配さえ感じられない…
翔は１人で歩き続けた、しかし、吹き上がる熱砂が翔の体力を奪い
先に進につれて暑さが増していた
だが、翔は感覚が麻痺し気付けないでいた
翔の気力も体力も限界だった
～水の国～
「翔とシェイクが消えた。
仇と共に…」
シルビアは１人悩んでいた。
「兄々達は何処にいったんでしゅか？」
ナナムーは涙でフードが濡れていた
その横にはケルシーがいた
「君の国の出身は？」
シルビアは、なるべく優しく語りかけた
「わからない。
兄々と一緒に、親を探してたんでしゅ」
２人共に言葉を失った。シルビアは、自分自身と重なる部分があるナナムーに手助けをしようと思いついた
「翔が何処に行ったか分からないが、スティアラ王妃のいる、風の国に送る手配をしよう」
翔は、道らしき物を辿っていた
そして、翔の目に入った物は、火山であった
煌々と火を噴く火山
翔は気持ちとは裏腹に
火山へと引き寄せられる
ように歩いていく
近づくにつれ翔の体が悲鳴を上げる
翔は、余りにも巨大な
火山を見て足が止まった
その時
翔の目に荒れ果てた
大地に佇む小屋が映った
翔は、疲れた体を無理に動かし
小屋の前に辿り着いた
しかし、体を酷使したために
その場に倒れてしまった
翔が目を開いた時
天井が見えた
「やっと目が覚めたか…」
気難しそうなおじさんが椅子に腰掛けていた
「此処は、っ！！」
翔が起き上がろうとすると全身に痛みがはしった
「大人しく横になってろ！
此処は火と土の国『ガーラ』だ。
小僧、火山に向かってたのに知らなかったのか？」
「ガーラ？」
「記憶でも無くしたのか？
ガーラ火山の周辺に創られた都市だ。
小僧の倒れた場所から
火山に向かっては
土地の魔力で、生物に灼熱の影響は無い
年中、適温なわけだ」
渋い野太い声でいった
「ところで小僧
名前はなんてぇんだ？
わしはガバスタだ
まぁ、有名人だな」
ガバスタと名乗る男は
体格の良い中年男だ
じっと見ると何処かで
見たことがあるような気がした
「僕は翔です」
「で、此からどうするんだ？」
「水の国に戻りたいんですが…」
翔は、ナナムーとシェイクのことを心配していた
「水の国の出身か…」
「いえ、旅をしていたんです。
信じてもらえるか
水の国から、此処まで来たんです」
「それはおかしい…
今、世界中でテレポートの類いは使えない。
翔の顔が嘘を吐いているとは思えないが…」
その言葉に、レーヤルネイトの事を思い出した
「メルディアさん…」
翔は、ボソッと呟いた
「翔！メルディアがどうかしたのか？」
ガバスタは驚いた顔をした
「知り合いなんですか？」
「戦友と云うか…
定期的に連絡していたのだが
返事が帰ってこないものでな…」
翔は余り口に出したく
なかったがメルディアに関する事情を話した
「はっはっはっ」
ガバスタは腹に手を当てて大笑した
「どうかしたんですか？」
「してやられたな。
メルディアの能力は
『ドッペルゲンガー』
自分と全く同じ自分を作れる。
確か５人までだったか…
メルディアは、分身を
レアクリスタルに
封じた。
だから、まだ生きているな。」
～某所～
暗闇の中、閃光が飛び交う
「あぅッ!!」
「ミリア、大丈夫？」
メルディアは、肩から血を流すミリアに
青白い光の帯を放った
「ありがとう」
肩の傷はたちまち治った
４人の女性が、閃光を払いのけていた
「本来なら魔物が
いない筈なのに」
「残念でした～
僕が、来たからね」
何処からともなく
子供のような声が
聞こえる
「７人相手は、流石にキツいかもね
だから、先にコレは
戴いてくよ。」
暗闇に響く、高い声
４人と３つの影(分身)は
戸惑っていた
そして暗闇の先にある
宝玉が宙に浮いた
それを見逃さず
メルディアは一斉に
４方向から閃光を放った
宝玉を中心に辺りが
バチバチと光り輝く
「手応えがない！」
メルディアは他の３人に
伝える用に叫んだ
「危なかったかもね
フフフフフ」
「姿を現しなさい」
ヘレナが呟いた
「フフフ
ゴメンネェ
もっと遊んでいたいんだけど
次の仕事が、待ってるから
バィバィ」
空中に魔法陣が浮き出て
消えた
「これで、２つが敵の手に…」
「１つでも私たちが保護
出来れば安全なのですが
」
メルディアが恭しく言う
「今の私には先の大戦で
力が無いのですから
普通で良いですよ」
女神の用な女性は
口元に手を当て微笑んだ
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