雫の水音

雫の水音

20章~出会いと再開~


賑やかになっていく
昼になると歩くのも大変だ

翔は、1人人混みの中を歩いていた

ドサッ

翔は幼い子供とぶつかってしまい
小さな体は支えが狂い
尻餅をついた

「いてて!」

「ごめん。
大丈夫か?」
翔は、尻餅をついた子供に手を差し出した

「ありがと…
え~と
ん~と…」
子供は、翔の顔を
まじまじとみつめた

「翔さんだ!」
金髪の子供は翔の名前を知っていた
その事に翔は驚いた

「何で名前を知ってるんだ!?」

「だって、大会に出てたもん!
変なのがいっぱい
襲ってきたけど
やっつけたよ!」
元気いっぱいに答えた


「やっつけた?」
翔は、風の国の大会を見ていたのか、と思ったが
やっつけた という一言に
ビックリした

「大会にエントリーしてたの!
僕、お祭り大好きだから」

翔の思考回路は停止寸前だった
〈少なくとも、子供の部
というのはは無かったはずだが…〉

「僕が弱い子供と
思ってるなら
考えを変えた
方がいいよ。」
どこか、棘のある
言い方をした

〈まぁナナムーも強いし
オカシくはないかな…〉

「ねぇねぇ
お兄さんに付いて行っても良いかな?
僕の名前は…クロン!」
クロンは、翔の周りを回りだした

〈ナナムーとタイプが似てるかもな…
こういうタイプは選択肢が1つしかない〉

「親が心配しない家に帰れよ」
翔は、ぐるぐる回るクロンに言った

「やったー!
親いないからずっと一緒だね」
クロンは、サラッと凄い発言をした

「親がいないのか?」
翔はクロンの目線に合わせてしゃがんだ

「ぅん
そんな事より遊ぼぉ」
ニコニコと笑っている

「何がしたいんだ?」

「お店見て回ろ~」

クロンと翔は2人で
祭を楽しんでいた
時間はあっという間過ぎ
何時しか街は紅く染まっていた


「そろそろ戻らないとな」

「じゃ、お兄さんについて行く!」
目を輝かせ訴える

「俺の家じゃないからな…」


~ガバスタ家~

「そういうこと何だけど」
翔はガバスタに事情を説明した

「部屋は開いてるし良いぞ」

「やった!ありがとうお爺さん」
ガバスタはお爺さん
という言葉に反応して
雰囲気が落ち込んだ

「そうだ
小僧に会わせたい奴がいるのだが
レイド!来い!」

部屋の奥の扉が開いた
そこには、水の国行きの船で一緒だったレイドの姿があった
「おろ?
おかしいな?見間違えか?翔がおる」

「知り合いか?」








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